表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
129/173

冬の薔薇園

久しぶりに三人でお話し。

まあ、マナちゃんも入れて四人ですわね。

時間が経つもの早いわ。

気付くと、梨咲(りさ)ちゃんのお部屋の窓から見える空は茜色。

私と忍ちゃんはお(いとま)することに。


体調の良く成った梨咲(りさ)ちゃんも、玄関ホールまでお見送りに付いて来てくれる。

お部屋を出てその途中の廊下。

あら?梨咲(りさ)ちゃんのお父様とお母様だわ。


梨咲(りさ)ちゃんが二人の元に駆け寄る。

見違える様に元気に成った梨咲(りさ)ちゃんを見て、ビックリされているわ。


梨咲(りさ)元気に成ったのね……良かったわ」

梨咲(りさ)ちゃんのお母様が、梨咲(りさ)ちゃんを抱きしめて、目に涙を浮かべてる。


「あら、ゴメンナサイね。小町さん、忍さん、梨咲(りさ)のお見舞いに来てくれて有難う。それと、其方(そちら)の小さなアナタも♪」

潤んだブラウンの瞳が、私と忍ちゃん、そしてマナちゃんを見つめる。


「ん?小さい……他には誰も居らんが……いや、止そう。アンネリーゼには何か見えていると言う事か。ふふふ、いつもの事だな」

梨咲(りさ)ちゃんのお父様は、慣れっこに成ってる見たいですわね。


「小町ちゃん、忍ちゃん。二人には梨咲(りさ)の事で、世話にも成ったし心配も掛けた。改めて礼を言わせてくれ。本当に有難う」

梨咲(りさ)ちゃんは、大切なお友達ですもの。(わたくし)にも忍ちゃんにも、礼などには及びませんわ」

「ええ、小町さま♪」




翌朝、いつもの矢絣(やがすり)の着物と袴に着替え、お嬢様モードをONにして一階のリビングへ。

すると、お母様と千代さんが慌てて入ってらした。

「お母様、如何(どう)されましたの、御慌てに成って?」

「こ、小町ちゃん、お、お庭が大変なのよ。(わたくし)の薔薇園が!」


薔薇園ですの?

裏庭で、何か有ったのかしら……はっ!マズいですわ。

裏庭にはティル・ナ・ノーグのリンゴの木と、マナちゃんが居ますわ。

急いで見に行きませんと!


お母様に手を引かれ、裏庭に出ると、そこには……。

「薔薇ですわ……」

「ええ、薔薇よ、小町ちゃん……」


薔薇園ですもの、薔薇が有るのは当然。

それ自体、驚く事では無いわ。


でも……一面の咲き乱れる薔薇。

花吹雪まで舞っていますわ。


今は一月。

薔薇が咲き乱れる時期には程遠い季節だわ。

美しい光景ですけれど、一体何が有ったのかしら……異常気象?

そんな訳は無いわ。

だって、目の前の光景とは裏腹に、北風がめちゃくちゃ寒いもの。


「はっ!お母様、此方(こちら)へ」

今度は私がお母様の手を引いて、リンゴの木の元へ。

如何(どう)したの、小町ちゃん!?あら、立派なリンゴの木。こんな木、(うち)に有ったかしら?」


ティル・ナ・ノーグのリンゴの木の横には、昨日イシャイニシュスさんが建ててくれた、ティピーと呼ばれる円錐型の小さなテントがある。

「小町ちゃん、このテントは何なのかしら?とっても可愛いテントですけれど……」

「お母様、後で御説明致しますわ」

テントの中をそっと覗くと、マナちゃんは居ない。


目に魔力を集中して、薔薇園を見渡す。

咲き乱れる薔薇に隠れて、一か所オレンジ色の魔力があふれる所がある。

「居ましたわ」


そこに向かうと、楽しそうに薔薇園を散策しているマナちゃんが。

あら?

マナちゃんが未だ花の咲いてい無い、薔薇の前で立ち止まった。


そして、何やら不思議で、可愛いステップで踊りだす。

あっ!

今まで、冬の寂し気だった薔薇に青々と葉が茂り、蕾が生まれて花が開く。

現代(むこう)の世界で見たタイムラプス動画の様。


「まあ!薔薇が咲きましたわ!」

お母様も驚かれている。

勿論、マナちゃんは見えていない見たい。


やはり、此処(ここ)の薔薇はマナちゃんが咲かせたのだわ。

ティル・ナ・ノーグのリンゴの木も、同じ能力でマナちゃんが育てたのね。

植物の成長を早める能力。

まあ、太陽の乙女ですものね。

その権能と言う事かしら。


マナちゃんを呼び寄せ、お母様に姿を見せる様にお願い。

「まあ!なんて可愛らしい!もしかして、この子がお庭のバラをですの?小町ちゃんが召喚したの?」

「ええ、お母様。ゴメンナサイですわ。この子はマナちゃんと言って、太陽の精霊ですの。お庭の薔薇も、リンゴの木もこの子の権能。それと、あのテントはこの子の家にと、イシャイニシュスさんが立てて下さったものですの。もうイタズラはしない様に言い聞かせますから、許して上げて、お母様」


「何を言ってるの、小町ちゃん?真冬に満開の薔薇が見れるなんて、とっても素敵な事よ♪宜しくねマナちゃん♪」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
cont_access.php?citi_cont_id=563347762&s
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ