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白き龍の嘆き(短編ver)  作者: 藍風月
2/3

中編

その男が村を去った後、村人たちは、二日後の夜、総力を挙げて、白き龍を殺すことを決めた。

決行の前日に、白き龍に度の強い酒を飲ませ、寝入ったところを襲うことになった。

相手は戦闘力が強いとされる龍にもかかわらず、村人は誰も恐れなかった。実は白き龍が戦う力を持たない珍しい龍だということは、その村では有名な話であったのだ。



決行当日、白き龍は自分のねぐらである洞窟で、村人に渡された酒をがぶがぶと飲み、寝入ってしまった。


そうして、あっという間に決行された。


眠っている龍の首筋に、村人たちは一気に斧を振り落とし、殺してしまった。


村人たちが長年恐れていた天罰は起きなかった。



村人たちは白き龍の体を解体し、洞窟の外に置いていた荷馬車に乗せた。そして、うろこのひとかけらも残っていないことを確認してから、村人全員で帝国に向けて出発した。


明け方には、彼らは、もうすぐ帝国の一番端の街につくあたりまで来ていた。そこで、あの黒い服の男に再会した。恩人との再会を喜ぶ村人達だったが、すぐに、困惑した表情を浮かべた。


男が帝国軍とともに村人を取り囲み、剣を向けたからだ。


村人の逃げ道をふさいだ男は言った。

「お前たちのおかげで、王国侵攻の邪魔だったあの白い龍を排除できた。ありがとよ。白龍は、味方と思っているやつにはとことん弱いくせに、一度敵だと認識されると、絶対に勝てないっていうめんどくさい龍なんだよな。いや~自分たちを守ってくれる、最大の味方を自分から殺しに行くとか面白すぎだよ、君たちは。さて、少々話過ぎてしまったな。バイバイ愚かな村人達よ。」


村人達は一人残らず、帝国軍によって始末された。


その後、男によって、白龍の素材は全て、皇帝に献上された。なんと男は、長年王国侵攻をもくろんできた帝国の、近衛兵だったのだ。



白龍の排除に成功した帝国は、王国への侵攻を開始し、蹂躙した。元王国民は皆奴隷に落とされ、善き神の使いとされた龍たちは皆殺しにされた。

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