後編
帝国の王国占領は順調に言っているかのように思われた。
最初の異変が起きたのは、占領後最初の収穫期だった。
なんと、旧王国領を含めて、帝国領全ての作物が収穫目前にして一斉に枯れたのだ。
次の異変は、そのあとすぐだった。
水が枯れたのだ。
この二つの異変によって帝国領は不毛の地となった。動物はおろか虫でさえもいなくなった。
ここまで起きた時、民の間には一つのうわさが流れた。
「この異変は、龍を殺したために起きているのではないか?本当は龍は善き神の使いだったのではないか?」
この噂は、次第に広がり、龍殺しを主導した皇帝と皇室にすべての責任が押し付けられた。
やがて、クーデターが起き、皇帝家の人間と、皇帝の側近は皆公開処刑された。その中にはあの、黒服の男も入っていた。
これで、国は元に戻ると思われた。ゆえに、皇帝がいなくなった帝国領の統治をめぐり、諸侯らによる内乱が起きた。内乱は10年以上続き、終わらなかった。さらに、内乱の最中も、旧帝国領の環境の悪化は止まらず、自然災害が常に起こる危険な土地になっていた。民は皆逃げ出した。内乱を続けた諸侯らも、決着がつかぬまま、自然災害で全員死んだ。
旧帝国領は今では「嘆きの土地」と呼ばれ、生物の生きられぬ地とされている。
なんでも、その地足を踏み入れたものは、あの日、村人に裏切られ殺された白き龍の嘆きが呪いとなり、苦しんで死ぬことになるんだとか。
私の稚拙な作品にお付き合いいただき、ありがとうございました。




