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ブス女ですけど転生して美少女になりましたの。ほほほ。  作者: 夢見るライオン
第四章 レイラ、ユニコーンの乙女会を捜査する

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25、発覚

「まあああ!! ロイじゃないの? どうしたの?」


 スチュアート邸に着くと、出迎えたステラ夫人が大声を上げた。

 突然の訪問だったが、そこまで驚かれるとは思わなかった。

 しかも。


「叔母上、ここではザックとお呼びするようにお願いしてたじゃないですか」


 屋敷の中に聞こえないように小声で注意する。


 ロイはいつもと同じカジュアルなザックの服装だった。

 そして、従者のウッズは馬車の中に置いてきている。


 いつも通りザックとしてレイラに会うつもりだった。

 ユニコーンの乙女会で何事もなかったのか心配だった。

 政務が終わり次第、あわてて馬車で駆けつけたのだ。


「ザックとして? あら、もうロイだと打ち明けたのではないの?」


「は?」


「だって、レイラはもうあなたがロイだって知ってるじゃない」


「知ってる?」


「ええ、そうよ。だから今日だってあなたの招待を受けて……あら? そういえば、ディナーにしては早い帰りだわね。レイラは? まだ馬車の中なの?」


 ザックは首を傾げた。

 だがステラ叔母上が話の要領を得ないのはいつものことだ。


「叔母上、落ち着いて下さい。何を訳の分からないことを。一つずつ説明して下さい」


「あなたこそ何を言っているの? 分かったわ。照れくさいのね。あなたが女性にドレスを贈るなんて初めてのことですものね。あらあらいいのよ。そんなに照れなくても」


「ドレスを贈る? 私がレイラに?」


 それは一応申し出てみたが、レイラにきっぱり断られた。


「ともかく一旦入らせてもらいますよ。レイラを呼んで下さい」


 ロイはレイラに聞いた方が早いだろうと、エントランスフロアに足を踏み入れた。


「だからレイラはあなたの所に行ったじゃないの」


 ステラ夫人は妙なことばかり言う甥っ子を追いかけて屋敷内に戻った。


「私のところに? じゃあ……今ここにレイラは……」


「いないわ。当たり前でしょ? あなたの招待を受けたんだから」


「……」


 ロイはひやりと背筋に嫌な予感が走るのを感じた。


「ザック? こんな時間にどうしたの?」


 玄関の騒ぎを聞きつけて、ネロもやってきた。


 そしてステラ夫人のそばで二人のやりとりを聞いていたシモンヌが青ざめた顔で言った。


「ザック様……。レイラ様は……ロイ様と名乗る方からドレスを贈られ、ディナーの招待を受けて先ほど出かけられたのです」


「な! バカな! そんなことありえない!」


 本人が言っているのだから間違いない。


「も、申し訳ございません! 私達はロイ様からのご招待と聞いて、レイラ様もロイ様をご存知のご様子でしたので、なんの疑いもなく……」


「違う! それはロイではない! レイラが知っていたと? そんなバカな!」


「お姉ちゃんはロイ様に会ったって言ってたよ?」


 大人たちの話を聞いて、大変なことになっていると気付いたネロが口を挟んだ。


 ロイはネロの両肩をつかんだ。


「どういうことだ? 話してくれ、ネロ!」


「ほ、本当は内緒だって言われてたんだけど……」


 ネロはすこしためらいながらも以前に聞かされていた湖での出会いの話をした。


「ロイ様だってお認めになったって。お忍びで湖を眺めにきているだけだから、誰にも言わないでくれって頼まれたって……」


「まさか……誰がそんなことを……」


 一人だけはっきりと脳裏に浮かぶ者がいるが、勝手な憶測で判断できるものではない。


「僕、お姉ちゃんが描いたロイさまの似顔絵を持ってるよ」


 ネロはハッと思い出して、階上のアトリエへ取りに走った。

 そしてすぐに戻ってくると、みんなに広げて見せた。


「これは……」


 全員が、よく知る人物の似顔絵に蒼白になった。


「レナルド……」


 誰もがひと目でそう分かるほど、そっくりな似顔絵だった。


「ロイ様じゃなかったの?」

 ネロはショックのあまりしくしく泣き出した。


「お姉ちゃんはずっとステラおばさま達の話と自分の会ったロイ様のイメージが合わないって不安がってたんだ。それなのに、僕が助けて頂いた方だから感謝しているみたいなことを言ったから……。それでお姉ちゃんはこれまでの感謝を伝えにいくって。僕があんなこと言わなきゃ……どうしよう。うう……ううう……」


 ステラ夫人もすっかり動揺していた。


「な、なんてことでしょう。レイラはロイからの迎えだと信じて白い馬車にのって少し前に出かけていったのよ。レナルドだと分かっていたら、絶対に行かせなかったのに。ああ……どうしましょう。どうしましょう」


「白い馬車……」


 あれか、とロイは気付いた。

 城を出る時にすれ違った、あの白馬車。


 スチュアート邸の方角から来るのを不審に思ったのに。


 あの時、馬車を呼び止めればよかった。


 今さら考えても仕方ない後悔が心に押し寄せる。


 いや、まだ間に合うはずだ。


 レナルドがレイラに何をするつもりかは分からないが、今すぐ行けば……。


「レイラを迎えに行きます!」


 言うなり、ロイはウッズの待つ馬車に向かって駆け出していた。



次話タイトルは「この人は誰?」です

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