EX2:白の剣の所持者に憧れる者
あるところに神話五剣の1つである白の剣に憧れている少女がいた。
憧れるようになったきっかけは幼少期に祖母から神話を聞かされたことだ。
それは少女が4歳の頃、夜なかなか眠れずにいた彼女に彼女の祖母が神話の読み聞かせてくれた。
黒の双色者が所持する黒の剣によりほとんど崩壊した世界を新しく生まれ変わらしたのは白の双色者が所持する白の剣であることを、今があるのはその白の剣によるものだと。
世界を変えられるほどの力を持つ者が彼女にとっての英雄となった。
白の剣は1000年間、その純白な美しい姿をこの世に表わしていないと祖母から聞いた。
しかし、祖母はその神話の剣の所持者も普通の人間であるから、支えてくれる人がいないと壊れてしまうと言っていたのを覚えている。
それ以来、彼女は神話の剣の所持者が現れたときに支えられるように剣術を学び、知識を蓄えた。
10歳の時に帝国学校へ首席入学すると、14歳で首席卒業を果たした。
神話の剣である白の剣を手にする者は現れる確証はない。しかし、いざ現れたとき真っ先に力になれるように帝国軍に配属した。
なぜなら、白の剣の所持者は皇位継承順位第一位だからだ。今の皇帝は黒の剣を所持している。黒の剣は皇位継承順位第二位なので、白の剣を手にしている者が現れた瞬間その者が皇帝へなる。
白の剣を手にしている皇帝の役に立ちたい。彼女はその一心で1年と言う短期間で帝国軍中将を任されるほどまで成長した。
深夜、帝国の庭にある溜池の水面に満月が映る。
その溜池には白色のスイレンが花を咲かせていた。
そのスイレンをじっと眺めている黄色い瞳の少女はポツリとつぶやく。
「全ては白の剣を手にする者のために―」
彼女の短い薄桜色の髪は少しだけ揺らいでいた。




