EX3:零名の女剣士
【注意】
本編より少し先のお話です
帝国に名を持たない少女がいた。
青紫のロングヘアに黄緑色の瞳を持つ少女だ。
「いつか必ず立派な名を手にして、世界を変えてみせる」
幼い頃、そう心に決めた。
この世界は名前の数によって優劣を決めるという風習があった。
最も高い名は神話の剣の所持者で5つの名を持つ五名。
その次に王族が名乗ることができる四名。
次に偉い役職などを任される者が名乗れる三名。
次にある程度恵まれた環境で過ごすことができている者は二名。
貧しい家庭環境の者は一名。
そして、人権など無いに等しい零名。
零名の彼女は物心がついた時にはすでに1人彷徨よっていた。
何処からやって来たのか、誰から生まれていたのか、わからない。
必死に毎日を生き抜いてきた。
しかし、そんな彼女を助けようとする者は1人としていなかった。
いなかったのだが、彼女が10歳の時に白の双色者と出会った。
白の双色者は彼女に名を付けると、自分についてくるように頼んできた。
行く宛もない彼女は白の双色者の言う通り、ついて行くことにした。
白の双色者に連れてこられたのは帝国学校という特別な場所だった。
彼女は馬鹿にしてくる者たちを見返してやると決意し、帝国学校へ入学した。
そして、4年後に見事卒業するのだった。
それから彼女は帝国軍に配属すると更なる成長を遂げ、2年で中将まで辿り着いた。
ある日、彼女は白の双色者に呼ばれた。内容はとても重要なことだった。
それからすぐさま仲間と共に彼女はアグルス大国へと向かった。
アグルス大国の城へ到着すると目的の人物を見つけることができた。
「お会いできて光栄です。私はジェンナ・レバハス・デドロスバと申します。陛下の命により、貴殿の護衛役を仰せつかりました。大変申し訳ございませんが、陛下がご到着されるまで今しばらくお待ちいただきますようお願い申し上げます。ジン・シネエベル・レシア・ノヴ・オージン新皇帝陛下」
彼女の目の前には白の剣を腰に吊るさげた黒の双色者が立ち尽くしていた。
お読みいただき、誠にありがとうございました。
次の投稿は2019年6月9日(日)大安を予定しております。




