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侯爵家三男は快適に暮らしたい。〜前世の知識で異世界魔導具づくり〜  作者: 西 悠希


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第93話 魔導具化は楽。



結局昨日は遅くまでゲームをして、寝るのが遅くなった。


食堂に行くと二人はもういなくて、仕事へ向かった後だったみたいだ。

俺はゆっくり朝食を取って、作業部屋へ。


さて、ロールカーテンだけど……確か、二種類くらいあったはずなんだよなぁ。プレ……プラ……?コードみたいな名前の……内部にスプリングが仕込まれてたと思うんだけど。まぁ、名前は何でもいいか。どうせアレク叔父さんが考えてくれるだろうし。

あともう一つはチェーンが連動するとか、なんとか……。確かこっちが大変だったはず。生地を巻き上げる時に、左右のバランスが崩れたら斜めに巻上がるやつだったと思う。そんなめんどくさい事が仕事中に発生するのは非効率すぎるから、スプリングが仕込まれてるやつの方がいいよな。


で、何から始めるべきか。


…………。


そもそも布がない……。


……買いに行くか。

生地を扱っている店ってどの辺にあるんだろう。飲食店だから、汚れに強い生地がいいな。……そうなると、簡単に取り付けができる仕様にして、ガンガン洗える方がいいのか。


でも、いくつ作るのか分からないけど、洗うのって大変だよなぁ。この世界にクリーニング店なんて今のところなさそうだし。


……いっその事、乾燥機付きの洗濯機を魔導具化する……とか?


今から作れば冬には間に合うんじゃ?冬は洗濯物の乾きも悪くなるし、ちょうどいい……。


…………。


いや、アレク叔父さんに生地の相談に行った方が良さそうだな。


リリエン商会には昼から行こうかな。……二日連続はなんか気まずいけど。



昼までは、他の部分を作っていくか。

魔導具じゃないから、素材もそんなにこだわらなくていいのが楽だな。


巻き取り用の筒とスプリング周辺の部品……あとは取り付け部分があればいいくらいかな。


筒の素材は……軽いやつ……あ。確かこの辺に……あった。この木材、軽くて扱いやすいんだよなぁ。


木材を筒状に加工していく。……もう少し細くても良さそうだな。


……このくらいか。


よし、次は……スプリングだな。これは薄い鋼を巻いて……いや、これだと硬すぎるか。もう少し柔らかい方がいいな。……銅を含む合金なら……。


鋼より柔軟だから加工は楽だな。


……でもこれだと厚みが気になる。薄くすればいいんだけど、薄くすると今度は巻き取る力が足りなくなるよな。


…………。


一枚で作る必要はないか。

薄い金属板を何枚か重ねれば、厚みを抑えながら強度も出せそうだ。

試しに作ってみるか。

薄く加工した金属板を何枚か重ね、両端を固定する。

それを巻いてみると、思ったよりもしっかりとした反発力が出た。


「……これなら使えそうだな」


筒の内部にスプリングを取り付けて、布を引っ張った時に巻かれるようにする。


逆に手を離せば、スプリングが戻る力で布を巻き取る。


よし。あとは実際に試してみるか。


あ。……布がないんだった。


…………。


……とりあえずこれを持って、昼からアレク叔父さんのところに行こう。


でもやっぱり作るなら魔導具化の方が簡単な気がするな。

魔導具ならどうにか出来るけど、そうじゃないと細かい仕組みが、より必要だ。


というわけで、俺には不向きなことが改めて分かっただけだったな。



しばらく作業をして昼になったから、さっと昼食を済ませ、作った部品を持って俺はリリエン商会へ向かった。



「あ、アレク叔父さん」


馬車を降りたところで、客を見送っていたアレク叔父さんがいた。


「やあ、フィン。素材の買い足しかい?」


「いや、ロールカーテンのことでちょっと相談したいんだけど」


「そうか。じゃあ、商会長室に行こう」


……それにしても松葉杖ついてまで見送りとは……よっぽどの上客だったんだろうな。


―――


「さて、ロールカーテンの相談とはなんだろう?」


「一応部品は作ってみたんだけど、肝心の布がないことに気づいたんだよねぇ。俺的には汚れに強くて、ガンガン洗える生地がいいんじゃないかなって思ってるんだけど」


「あぁ、なるほど。そうだね、フィンの言う通り飲食店なら汚れに強い生地がいいだろう。洗濯しやすいことも重要だね。生地を扱う取引先をいくつか紹介できるけど……一度実際にサンプルを取り寄せる方がよさそうかな」


「うん。俺、生地とか詳しくないからアレク叔父さんに任せるよ」


「じゃあ、いくつか候補を取り寄せておくからまたその時に決めよう」


「分かった。あ。ちなみに一応仕様書も持ってきたんだけど」


「……これならすぐにでも作り始められそうだね。まぁ、実際は改装が終盤に差し掛かったくらいからかな」


数日もあれば、食事処に使う分のロールカーテンが出来るだろう。


「それでなんだけど、乾燥機付きの洗濯機を魔導具化しようかなって思ってるんだよね」


「……ん?なぜ洗濯機を?」


「え、ロールカーテンを洗うためだけど?」


「……なるほど?」


「そもそもこの世界の洗濯機って、簡易だよね」


「そうなのかい?」


「うん。今の洗濯機って、水を入れて回すくらいでしょ? 脱水も乾燥もできないし」


洗濯機といっても、いわゆるハンドルが付いていて、それを回して洗うやつだ。

前世の記憶持ちが、昔作ったって聞いたことがある。


何でその時、自動化……魔導具化しなかったんだろう?不思議だ。

俺なら魔導具化した方が楽なのになぁ。


第93話を読んでいただき、ありがとうございます!

ロールカーテンを作っていたはずなのに、なぜか洗濯機まで作ることになりそうです。

次回も楽しんでいただけるといです!

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― 新着の感想 ―
ここは自動洗浄機能付けないと
そりゃあ、現代から転生した人ばかりじゃないからでは…? 手回し洗濯機作った=家電が普及する前の人だったんだろうなと。
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