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侯爵家三男は快適に暮らしたい。〜前世の知識で異世界魔導具づくり〜  作者: 西 悠希


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81/106

第81話 久しぶりの遠乗り。

挿絵(By みてみん)




……暑い。


扇涼《ヴェント》がなかったら地獄だ。


……こんな暑い中、人を乗せて歩いても大丈夫なのか、ちょっと心配になる。

前世だと、暑い時間帯の犬の散歩は注意するようにって話があったし。……あれはアスファルトだったのも関係してるとは思うけど。



……久しぶりに王都から出たな。


領地へ行ったのが……去年か。 それ以来、ずっと王都にいたな。

用事もないし。



「フィン、久しぶりの遠乗りなんだから、もっと楽しそうにしろよ!」


「……こんなに暑いのに?」


「この暑さがいいんだよ! 川に着いたらすぐ泳ごうぜ!」


「そうだね。汗を流すついでに泳ぎたい」


「一応、釣竿も持ってきたから、泳ぎ疲れたら、ゆっくり釣りもできる」


……釣りか。


……そういえば前世に、電動リール……だっけ?そんなのがあったよな?

電動リールか……。作れそうな気がする。


……あ、でも巻き取る時に、糸が絡まないようにしないといけないってことは……糸が絡まないようにするには、速度調整が必要になる。

そうなると……これも細かい作業になるな。


……一旦忘れよう。



休憩を挟みながら、ゆっくり向かい、昼前に到着した。


「着いたー!」


馬の負担を考えて、休憩を多めに取ったから、思っていたよりも時間がかかったけど、昼前に着けて良かった。

もう、すでにお腹すいてきてるし。


「早く行こうぜ!」


「そうだね」


「フィンは行かないのか?」


「……いや、行く」


俺も着替えを持ってきて正解だったな。


「っ! 冷たい! でも最高!」


……!


思ってたよりすごく冷たいっ!


……寒っ!



「変わらずここは綺麗だね」


「だな。流れが穏だから、子供の頃に連れられてたのだろうな」


「そういえば昔、別のところに行った時、ガレスが流されかけたよね。それを助けようとして、私たちまで流されかけて」


「あったな。そんなことも」


……あの時はちょっと、ヒヤッとしたの、今でも覚えてる。


「それ以降じゃないかな。ここに来るようになったのは」


大人になると理由が分かるな。



「こっちの方に魚が結構いるぞー!」


「あ、そっちは――!」


……ガレスが溺れた。


「ガレスっ!」


「っ! ……死ぬかと思ったー! あそこ、深くなってるの忘れてた」


「……ビックリさせないでよ」


「……はぁ。昔から変わらないな」


……水難事故は怖いからな。



「そろそろ昼食にしようか」


「そうだな。汗も流せたし、ちょうどいいだろう」


「だな!俺もお腹すいたし!」



木陰に移動すると、侍従たちが昼食を並べ始めた。


手軽に食べられるように、サンドイッチを作ってもらった。

野菜たっぷりのサンドイッチ、たまごサンド、カツサンド。あとはフルーツも。


「っ! 美味い!冷めても肉が柔らかいんだな!」


「このたまごサンドも美味しいよ。ふわふわの玉子がたっぷり入ってるのに、全然重さを感じないから、いっぱい食べられそうだ」


「野菜サンドも美味い。新鮮なのがすごくよく分かる」


あ。


この野菜、料理長が育ててるやつだろうな。

そりゃ、新鮮だ。


このシャキシャキ具合最高だな。このレタスで鍋もいいかも。

……明日が最終日か。

それなら、夕食に鍋……ありだな。


「フィン、どうかしたか?」


「……いや、休みは明日で終わりだろ?だから、明日の夕食、鍋なんてどうかなって思って」


「夏に鍋食べるのか?あれ、冬だけかと思った。フィンが冬に食べる鍋、最高って言ってたし」


「まぁ、冬に食べたくなるのは事実だけど。今は清涼《ブリーズ》があるから。少し低めの温度に設定すれば、最高だったよ」


「もうすでに夏の鍋を食べていたのか」


「うん。この前の夜会で着た礼服が、ちょっとサイズが合わなくて、少しの間だけダイエットしてたんだけど、その時に鍋を食べてたんだ。清涼《ブリーズ》付けて」


「へぇ。じゃあ、明日は鍋だな!」


「それなら、魚釣って帰るのもありだね」


……鶏鍋と魚を使った鍋……二つ用意してもらうのもいいな。


「じゃあ、食べ終わったら少し釣りでもするか」


「そうだね」



食べ終えて、少し休憩してから釣りを始めた。



「……」


「……」


「……」


いるのは分かってるのに、なかなか釣れないな。


……魚を使った鍋はむずかしそうだ。



第81話を読んでいただき、ありがとうございます!

久しぶりの遠乗り回でした。

次回も楽しんでいただけると嬉しいです!

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