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侯爵家三男は快適に暮らしたい。〜前世の知識で異世界魔導具づくり〜  作者: 西 悠希


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80/107

第80話 却下。



……眩しい。


……カーテン閉めずに寝てた。


……。


起きようかな……。もう少ししたら、みんなも起きてくるだろうし。



昨日は結局あの後、二回、大富豪をして寝室へ戻った。

多少、頭を使ってたからなのか、すぐに寝れたのは良かったけど、夢の中まで大富豪をしてた。


……だからか、余計に疲れた気がする。……多分気のせいだけど。



……今日は遠乗りか。


あ。


俺だけ馬車で行くのもありだな。


そうなると、清涼《ブリーズ》がいるな。……馬車で使うなら、少し威力を落としたいんだよなぁ。


……今からは――



コンコン


「フィン様。皆様がお見えになりました」


「……どうぞ」



「おはよう、フィン!」


「おはよう。 眠そうだね」


「おはよう。ちゃんと起きていたか」


……。


「おはよう。 さっそく試そうか」


俺たちは部屋の奥にある洗面台の前へ移動した。


「こっちはこの前試したやつだけど、基本的には洗浄機能を追加しただけだから、今日は、こっちの髭剃り型魔導具を試そうと思ってる」


「なんか、すごい形だな」


分かる。

俺も前世で初めて見た時、なんかすごいなって思った。


……魔導具に再現するの大変だったし。


「こっちの新しい方が、比較的、肌に負担がかかりにくいと思うんだよね。 だから、肌が弱めな人や女性や子供が使うなら、こっちがおすすめだね」


「なるほど」


「じゃあ、俺から試す」


……。


……うん。


使い心地はいいな。

ヘッド部分の可動域も問題なさそうだし。


……ただ、ちょっと音が気になるか。

いや、まぁ、これくらいなら前世の時よりましか。


……よし。

こんなもんだろう。


「剃り残しもなくいい感じかな。 あとは、このスイッチを押すと――」


「おぉ! 綺麗になった!」


「……やっぱり洗浄機能がある方が良さそうだね」


「なるほど。髭剃り型魔導具とは便利なものなのだな」


「よし、次は俺が使う! ……!なんか面白いなこれ。初めての感覚というか……おぉ! 意外と使いやすい!」


ガレスが試し終え、洗浄機能を起動させ、次は――


「次は私――」


「私が先に試そう。ウィルは最後だ」


「……分かった」


……。


「……! 不思議な感覚だな。引っかかるようなこともないから、痛くない。 それに意外と持ちやすいんだな」


「持ち手も少し太く変えたんだ。男性向けには、そのサイズで、女性や子供向けには少し細めにした」


「そういったことも考えられているのか……なるほど」


マティアスが剃り終え、洗浄機能を起動させてから、ウィルに渡した。


「おぉ……前回のより、私はこっちの方が好きだね。 これ、刃……?の部分がそれぞれ動くのか……」


「うん。その方が、顔に沿いやすいと思って」


「そうだね。輪郭辺りが、前回のものより剃りやすい気がする。……よし。 フィン、これは早めに販売して欲しい魔導具だよ」


「俺もそう思う!」


「そうだな。これなら朝の忙しい時に侍従に頼まなくて済むのもいい」


とりあえず大丈夫そうかな。


「……あ。重さとかどう? 持ち手部分を少し太くしたのと、ヘッド部分もちょっと大きくなっちゃったんだよね」


本当はもう少しコンパクトにできたら良かったんだけど、これ以上部品を細かくするのは難しかったし……。


「確かに前回のより、少し重くなったような気もするけど、そんなに気にならないかな。 それに多少重さがあった方が、安定するんじゃない?」


「……まぁ。 三つの刃を回転させるために、ちょっとね」


今後、もっとコンパクトにしていく場合、商品化するなら職人が大変だろうなぁ。


あ。


小物を扱う職人なら――



「そろそろ、食堂行こうぜ。お腹すいたし、遠乗りに行く準備もしたいし」


「そうだね。 フィン、髭剃り型魔導具の試しはここまででいいかい?」


「あぁ。 俺もお腹すいたし、朝食にしよう」



食堂へ向かうと、すでに朝食が用意されていた。


遠乗りに行くからか、いつもより少し量が多い気がする。


「今日はいっぱい動くんだし、ちゃんと食べておかないとな!」


「そうだね」


「運動する時に鶏肉を摂るといいと聞いたことがあるが、だから、鶏肉を出してくれたのだろうか?」


「多分そういったことも考えてくれてると思う。……あ。 俺、馬車で行こうと思ってるんだけど――」


「却下だ!」



第80話を読んでいただき、ありがとうございます!

髭剃り型魔導具の試用回でした。

フィンの馬車案は、無事に却下されました。

次回も楽しんでもらえると、嬉しいです。


ちなみに、本日21:00にIF作品の第5話も投稿予定です。

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― 新着の感想 ―
 馬車使ったら『遠乗り』ではないのは馬に親しみのない俺でもわかる(笑)
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