第79話 もう一勝負。
んーー……
こんな早い段階で、革命の説明をするべきか迷う。
……でも俺の手札には革命出来るカードがないし。……今じゃなくていいか。
その後は八切りを使ったりしながら、一度目のゲームを終えた。
「これ、面白いな! 考えながらやるから、まだちょっと難しいけど!」
「そうだね。 私も大富豪……だっけ? 気に入ったよ」
「もう少し人数が多くても、面白くなりそうだな」
「確かに!」
みんなが大富豪気に入ってくれたみたいで良かった。
徐々にルールを追加していくとして……次はどれをルールに組み込むか……。
「じゃあ、もう一回やろうか」
配り終えたカードを見ると……
……あ。
これなら……試しにやってみるか。
順番にカードを出していき、三週目の俺の番が来た。
「……八切りからの、革命」
「……革命?」
「なんだ、それ?」
「同じ数字のカードを四枚出すと、革命っていって、強いカードが逆転するルールだよ。だから今一番強いのは、三だ」
「えぇ! うそだろ?! 弱いと思ってもう全部出してるし!」
「大丈夫。この革命を再び戻すことも出来るから。この四枚のカードより強いカードを、四枚出せばいい。 いわゆる、革命返しだ」
「なるほど。 だからさっき、ある程度強いカードは持っておいた方が良いと言ったマティに、『今のところは』と言ったのか」
「そういうこと」
「なかなか考えられているゲームだな。 下克上が成り立つのか。 面白い」
「……四枚出せないから、パスで!」
「私もパスかな」
「私もだ」
……革命中だから、何だそうかなぁ。
「……じゃあ、十を三枚」
「えぇ……三枚か。……ここで三枚まとめて使うの、ちょっと迷うけど……。六を三枚!」
「……パスで」
「私もパスだな」
「俺もパス」
「よし! 俺からまた始められるんだよな? じゃあ……Aを二枚!」
「そうだなぁ……私は、Kを二枚かな」
「……。七を二枚」
……。
「……五を二枚」
「パス!」
「……パス」
「パス」
……次、どうしようかな。
やるか……?
「……革命返し」
「はあぁぁ?!」
「え?!」
「……まだ四枚持っていたのか」
「俺、強いカード、さっき使っちゃったじゃん!」
「それを狙ってたんだよ」
「自分の持ってるカードだけじゃなくて、他の人が持ってるカードも予想しながら出して行くのか……。 なるほど。 ちょっとした心理戦でもあるんだね」
「……そうなると、ある程度カードが揃っている方が有利になる可能性があるのか?」
「そういう場面もあるね。 カードを早くなくせたら勝ちだし」
「……これ、男同士の集まりで流行りそうだな。そうなる前に勝つコツを覚えないと!」
「そうだね。 避暑が終われば、集まりの話もくるだろうし」
「だが、まだリリエン商会に持って行っていないのだろう? そうなると、販売はまだ先になるんじゃないか?」
……まだ忙しそうだったし、実用性のないゲームだから、すぐには売り出さないだろうな。
「リリエン商会のことだから、冬の社交シーズンには販売を始めそうだよな!」
……アレク叔父さんならありえそう。
その後もゲームを続け、二回目の大富豪も終わった。
「……上がり。今回は俺の勝ちだな」
「今回は圧倒的だったな!」
「革命を使うタイミングが上手かったよね」
「革命の説明をしたかったから、今回カードが揃ってて良かった」
「だが、あれだけ上手く使われると悔しいな」
みんなもだいぶルールに慣れてきたみたいだ。
……次は、もう少しルールを追加してみるか。
「はぁ……ちょっと休憩!」
……あ。
「明日、遠乗りに行くのに、そんな一気に酒飲んで大丈夫なのか?」
「大丈夫! 今日はそんなに飲まないから」
「朝、髭剃り型魔導具も試すんだよね? 私はこの一杯で、今日は最後にしておこうかな」
「……やっぱり魔導具を試すのか。 ……よし。私もその魔導具を試そう」
「え、別に無理に試さなくてもいいよ?」
「……」
第79話を読んでいただき、ありがとうございます!
大富豪で遊ぶ回でした。
次回も楽しんでもらえると、嬉しいです。
ちなみに、本日21:00にIF作品の第4話も投稿予定です。




