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侯爵家三男は快適に暮らしたい。〜前世の知識で異世界魔導具づくり〜  作者: 西 悠希


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78/105

第78話 今のところ。

挿絵(By みてみん)




「ババ抜き……?とは、どういったゲームなのかい?」


「この白紙のカード……仮に魔王と呼ぼうか」


「魔王?」


「うん。前世ではジョーカーって呼ばれてたんだけど、こっちの世界で通じないと思ったから、魔王って呼ぼうかなって」


「魔王って、絵本に出てくるようなやつだよな?」


「そう。 結構重要な役でしょ?魔王って」


「……まあ、確かに?」


「……それにしても大層なネーミングだな」


「前世だと、このカードに絵が描いてあったんだけど、絵心ないから描くのやめたんだ。もし、販売されるようになれば、魔王が描かれるかもね」


「へぇ」


「とりあえず、ババ抜きは魔王のカードを一枚だけ使う」


適当にカードを切って、みんなに配っていく。


「配ったカードは他の人に見えないようにして、まず、同じ数字のカードが二枚あったら――」


説明しながら、俺も揃っているカードを捨てていく。


……魔王は俺か。


……時計回りに進むようにするなら、隣はガレスだから、魔王を引かせやすいか。


「じゃあ、時計回りでいいか? 隣の人のカードを順に引いていって、揃ったら、さっきみたいに捨てていく。最後までカードが残った人の負けというゲームだ」


「なるほど。結構分かりやすいゲームだね」


「じゃあ! 俺から! ……フィンのを引けばいいんだよな? どれにしよう……これだ!……あ!」


……まさか一発で引くとは。


「ちなみに、最後に残るカードが魔王だ」


「え?!」


「……もしかして、魔王をガレスが引いたのか?」


「それって言わない方がいいゲームなんじゃないかな?」


「まぁ、言わない方がいいな」


……ガレスの反応でバレバレだけど。



「次は私だね。……これかな。……揃わなかった」


「では……。……私も揃わなかった」


……。


……あ。揃った。



その後もカードを引いていったが、なかなか魔王は動かなかった。



……ガレスが静かすぎるな。


「……まだ魔王持ってるの?」


「……! さあな!」


……分かりやすい。



その後、ようやくガレスの手元から魔王が離れた。


……ウィルがわざと魔王を取ったか。


……まさか。


……。


「……はぁ?! なんでだよ!」


……魔王はガレスの元へ戻った。


せっかく魔王を回したのに、あっさりとガレスが引き抜いたのが悪い。


「……上がり」


「えっ?!もう?」


「私も上がりだ」


「マティアスまで?! ということは、俺の魔王をウィルが引いて、俺がウィルのカードを引けば上がれるってことか!」


「……じゃあ、これかな……。よし、上がりだ」


「……なんでこんなあっさり」


「ガレスは表情に出やすいからね」


……ガレスにババ抜きは向いてなかったみたいだ。



「もう一つやりたいゲームがあるんだけど、する?」


「フィンがやりたいって言うってことは、面白いんだね?」


「……まぁ、前世ではよくやってたかも」


「二つのゲームより難易度が上がりそうだな。楽しそうだ」


「……俺もやる! 次のゲームでは顔に出さないようにする!」


……大富豪って、顔に出さない方がいいゲームだっけ?



「大富豪っていうゲームで、基本は手札を早くなくした人が勝ち」


「じゃあ、ババ抜きと同じで、カードをなくしていけばいいんだね」


「そう。ただ、相手が出したカードより強いカードを出さないといけない」


「強いっていうのは?」


「数字が大きい方。三より四、四より五って感じで、二が一番強い。魔王は別として……この辺は最初に覚えておけばいいかな」


「なるほど」


「あと、同じ数字を二枚持ってたら、二枚まとめて出すこともできる」


「へぇ。じゃあ、三枚なら三枚まとめて?」


「そうそう」


……まぁ、細かいルールは色々あったけど、最初はこれくらいでいいか。


「とりあえずやってみようか。 じゃあ、三を一枚」


「えっと……五」


「じゃあ、私は六かな」


「……七。こんなに数字を刻んでいいんだよな?」


「うん。場に出ているカードより強ければ、何を出してもいい。早く上がれれば勝ちだから」


……。


「……え?」


「どうした?」


「今の、なんだ?」


「八切り。八を出すと、場が流れてもう一回俺から出せる」


「そんなルールがあるのか!」


「うん。 じゃあ、四を二枚」


「二枚か……。 六を二枚!」


「……九を二枚かな」


「……このJが十一と言う意味だったよな? じゃあ、Jを二枚だ」


……さて、どうしようかな。

Q……いや、Kのほうがいいか……。


「K二枚」


「……A二枚――」


「ちなみに、戦略としてパスも使える」


「パス!!」


「……出さなくていいのか?」


「あぁ。今回はパスにしとく!」


「……じゃあ、私もパスかな」


「俺もパスだ。 ある程度強いカードは持っておいた方が良さそうだ。だろ?」


「そうだね。今のところは」


「今のところ?」


第78話を読んでいただき、ありがとうございます。

今回はババ抜きと大富豪でした。

次回も楽しんでもらえると嬉しいです。


ちょっとしたお知らせです。

実は、IF作品「推しは異世界で今日も『快適』に暮らしている。」を書き始めました。

本日21時から投稿予定です。

よかったら覗いてみてください。

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― 新着の感想 ―
どうやら呼ばれているようだな、どれちょっとそのへんまで・・・
革命はなしですか?
 ( •̀ᾥ•́)ルールを小出しにするのはやめなさい。
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