第77話 新しい遊び。
「これがゲームで使うカードなんだけど――」
前世で遊んでたトランプを元に、数字と記号を書いた54枚のカードを用意したけど、地味に大変だった。
途中からめんどくさくなってきて、記号が雑になったのは仕方ない。
「数字と、四種類の記号があるんだ。数字は二から十まで。それ以外にA、J、Q、Kがあって――」
……軽くカードの説明だけして、ゲームしながら覚えて行く方がいいよな。
「Aは一として扱うことが多い。 で、この白紙のカードが――」
……ジョーカーって呼んでたんだけど、こっちじゃ通じないよな。
「これは特別なカード。ゲームによって使い方が違う」
「……なるほど?」
「なんとなく分かったよ」
「色が赤と黒なのも、ゲームに関係しているのか?」
「うん、これもゲームによって使い方が変わってくる。とりあえず、簡単なのからやってみようか」
とりあえず、カードを適当に切って、テーブルの上に裏返しに並べていく。
……よし。
「まずは、俺からするか。二枚カードをひっくり返す。……数字が違うから、また裏返す。 次は誰がやる?」
「え、じゃあ俺が……。違う数字が出たから、戻すんだよな?」
「うん。次は――」
「では、私が……。 私も違う数字だね」
「次は私が。……あ。三が揃った」
「揃ったカードを取って、また二枚目ひっくり返して」
「分かった。……あ!さっきガレスが同じ数字をひっくり返していたのに!」
「そう。このゲームは記憶力を試すゲームでもある。 だから、誰かがひっくり返したカードの数字を覚えておく必要があるんだ。 それで、カードを多く取った人が勝ち」
「なるほどな! 俺、記憶力はいい方だから、勝てそうだ!」
「記憶力か……。これ、順番も大事になってくるよね」
「確かに。 今の順番だと私が有利なのか」
三人の理解が早くて助かる。
「じゃあ、次は俺だな」
……さっきマティアスがひっくり返したカードと、ガレスがひっくり返したカードを――
……よし。
間違えて隣のカードをひっくり返すところだったけど、揃って良かった。
「あ! それ、俺が狙ってたのに!」
「さっき、ウィルが言ってたけど、順番も大事だから。 揃ったから、もう一回、俺の番だな」
……。
……さすがにまだ揃えるのは難しいな。
「よし!次は俺の番だ!……あぁ!五と六かよ!」
「……あ。揃った。次は……ここかな。 ……あ」
「ウィルのおかげで……ここだな!よし。……ここと、ここだ。 違うか」
「残念」
「くそー……」
その後も何度かカードをめくっていく。
「あ、ここだ」
「また揃ったのか……」
「マティ、強くない?」
「なんとなく覚えてはいるが、たまたまだな」
……俺も、最初に見たカードはだいぶ覚えてるけど、やっぱり順番大事だな。
「……あ。ここ」
「また?」
「よし、揃った」
「マティばっかり取ってないか?」
「そんなことない。フィンも結構取っているだろ」
……今のところ二番目くらいか。
そうしてゲームを続けているうちに、テーブルの上のカードも少しずつ減っていった。
「……よし。最後のカードを……」
マティアスが残りのカードをひっくり返して、ゲームが終わった。
「あぁ! もう少しで勝てそうだったのに! 最後ウィルが九をひっくり返したから!」
「あれはしょうがないだろう。 残りが少なくなってきた時に、フィンがいきなりカードを混ぜ始めたんだから」
……カードが少なくなったら、前世では混ぜてたから、つい……。
「……悪い。 前世では残りが少なくなってきたら、混ぜてたんだよ。 言うの忘れてた」
「なるほど。確かにそれだと、最後まで誰が勝てるかわからないね」
「でも、マティばっかり取ってたじゃん」
「たまたまだよ」
「じゃあ、次は俺が勝てるゲームにしようぜ!」
「……そんな都合のいいゲームはないと思うけど」
「あるよ。ババ抜きっていうゲーム」
「それ、俺が勝てそうなやつなの?」
「さあ?」
「なんだそれ! 適当だな!」
「まぁ、やってみれば分かるよ」
……あ。
ジョーカーじゃなくて、魔王にするか?
……この世界に魔王がいるって聞いたことないけど。
第78話を読んでいただき、ありがとうございます。
今回はカードゲームで遊ぶ回です。
次回も楽しんでもらえると嬉しいです。




