第69話 細かな作業。
誤字報告ありがとうございます!
いつも助かっています。
とりあえず、次は回転式の髭剃りを再現してみるか。
……でも、前世で実際に使ったことないんだよなぁ。
刃の部分が丸くて、それが三つくらいあって、それぞれ動いてたような……そのくらいしか覚えてない。
……再現というより、魔改造になりそう。
とりあえず、持ち手部分はさっき作った髭剃り型魔導具と同じサイズを一つと、女性でも持ちやすいサイズを作るか。
薄型鉄板に魔力を纏わせ、楕円形に形成していく。
……よし。
男性向けの持ち手はこれでいい。 女性向けの持ち手は、これのふた周り細めくらいで作ってみるか。
あとで使用人に試してもらおう。
次は持ち手部分に魔導回路を描き、魔力を流しながら調整していく。
ここまでは、さっき作った髭剃り型魔導具と同じだから、スムーズだ。
問題はここから。
……扇風機みたいに、外側に保護板を付けて、その内側で刃を回転させるイメージなんだけど……。
違う気もするが、試してみるか。
まずは、保護板からだな。
大きさは……直径3cm……は大きすぎるか。 なら、直径2cmくらいだな。
薄鋼板を2cm角にカットし、魔力を纏わせ、円形に形成していく。
……小さい上に丸いから、溝部分を形成するの大変だな。 これなら魔力で形成していくより、ある程度溝部分を削ってから、形成していく方がいいのかもしれないな。
細工用の魔導針ヤスリを取り出し、薄鋼板の表面に三重の円状の溝を削っていく。
ある程度形が出来たところで、魔力を纏わせ、細かな部分を整える。
……こんなものかな。
……これを後五個か。
弟子でもいれば任せるのに。
……
……。
……出来た。
もう保護板は当分、作りたくないな。
次は刃だけど……刃を一枚ずつ作って取り付けるか、刃鋼を筒状にして、そこから刃を形成していくか……。
筒状から形成していく方がいいか。刃鋼をカットして、一枚一枚刃を作る方が大変そうだな。
ただでさえ、保護板の形成で細かい作業が続くのに……。
刃鋼に魔力を纏わせ、筒状に形成していく。
……よし。
ここから余分な部分を削って、刃の形にしていくか。
……
……あれ?
どっちみち、細かい作業が続くな……。
……
……よし。こんなものかな。
……これの切れ味をどう試したらいいんだ?
まだ取り付けも出来ないし、これだけで試しても意味がないよな……。
とりあえず一旦全部の部品を作って、組み立ててから試そうか。
刃の調整は最後だな。
じゃあ次は、刃を取り付ける土台部分だ。
刃を取り外し出来るように作るべきか迷うな……。取り外しが出来れば、刃の交換だけすれば、長く使えるし、外して洗うことも出来る。
でも、洗浄機能を付ける予定だから、洗うことに関しては必要ない。
……髭剃りの魔導具は、ヘッド部分を取り外し出来るように作ったから、こっちもヘッド部分自体を取り外し出来るようにすべきか。
……いっその事、ヘッド部分と刃の部分、両方取り外せるようにしたら、アレク叔父さんは喜びそうな気がする。 「その分儲けられる!」って……。
ヘッド部分は薄鋼板で作っていく。
保護板が三つ収まる大きさにカットし、魔力を纏わせ、形成する。
……側面はなるべく、なめらかになるようにした方がいいよな。もし肌に当たった時のことを考えると、少しでも安全な方がいい。
……よし。
次は魔導回路を描いていく。
……はぁ。これもまた細かい作業だな。
細かく調整しながら描き終えた。
細かい作業ばかりで疲れたな。
一度休憩を入れるか……。
いつもの、頭がスッキリするお茶を入れ、一息つく。
魔導時計を見ると、もう夕方に差し掛かっていた。
……あ。
マティアスが今日くるんだったな。
なら、今日の作業はここまでで一旦やめておくか。
お茶を飲み終え、応接室に向かった。
「やっぱりまだやってたんだ」
「おぉ!フィン! ウィルから一勝を取ったぞ!」
「……」
……一勝しか出来てないのか。
「魔導具が完成したのかい?」
「いや、まだ途中。細かい作業が多くて疲れたから休憩してたんだけど、そろそろマティアスが来るんじゃないかと思って、こっちに来たんだ」
「え?もうそんな時間なのか!」
「飲みながらリバーシしてたからか、時間の感覚なくなってたね」
「フィンも飲もうぜ!」
「……夕食前だから、少しだけ」
それからしばらくして――
コンコン
「失礼いたします。マティアス様がご到着されました」
第69話を読んでいただき、ありがとうございます!
今回は回転式の髭剃り型魔導具の試作回でした。
次回も楽しんでいただけると嬉しいです!




