第67話 朝食と新たな予定。
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髭剃り型魔導具の試用を終え、俺たちは食堂へ移動した
「これは何だ? 玉子……だよな?」
「ポーチドエッグだよ。 昔作ったことがあるんだけど、こんなに綺麗に出来たことなかったな。」
「前世の話かい?」
「ポーチドエッグは前世の記憶だけど、作ったのは数年前だな」
「え……フィン、料理出来るのか?!」
「……出来ない。 これ、沸騰したお湯に卵を割って入れるんだけど、俺も試してみたくて……」
「もしかして、作ってる途中で形が崩れたのかい?」
「……」
……普通に卵を割ることすら出来なかったなんて、言いたくないな。
「……まぁ、そんな感じ」
「へぇ。器用なフィンでも、このポーチドエッグ……?を作るのは難しいんだな」
「……」
「おぉ! トロトロだ!」
「とても美味しいね。 パンによく合う! 」
「このスープも美味いな!」
「ずっと研究してるんだけど、何か足りない感じなんだよなぁ……」
「再現って簡単ではないんだね。 フィンがいつも簡単そうに魔導具を作るから、料理もすぐに再現出来てるのだと思ってたよ」
「料理に関しては、何となくしか覚えてないから、料理長に色々試してもらって出来上がるって感じなんだ」
それに前世では、スープは固形や粉末の素とかあったから、それをどう料理長に伝えたらいいのかも難しいし……。
そもそも、その元が、何を材料にしてるかなんて曖昧だし……。俺、前世の知識活かせてなさすぎじゃないか……?
……いや、こんなもんだろ。
「そう考えると、料理長は相当苦労してるんだな」
……確かに。
「でも、ローゼン侯爵家の料理長ってすごく料理好きというか、楽しんでるよね? 料理人の間では有名みたいだよ」
「そうなのか? ていうか、なんでウィルはそんな話を知ってるんだ?」
「俺もそんな話、聞いた事ない」
「え、フィンも知らない話なのか?」
「私はこれでも第二王子だよ? どんな情報でも入ってくるさ」
……なんだかんだウィルは行動力があるから、忙しくしてる中でも色々情報収集しているみたいだな。
怖いやつだ。
「じゃあ、最近の面白かった情報聞きたい!」
「……そうだなぁ、面白いかは分からないけど……今度、騎士団と魔導師団の演習があるんだけど、公開演習になるみたいだよ」
「え、そうなのか? めずらしいな! 俺たちも見に行ってもいいってことだよな? 楽しそう!」
「うん。 秋の終わり頃に予定してるみたいだよ」
「へぇ。 でも、なんで公開演習になったんだ? 今までそんなこと、ほとんどなかっただろう?」
「魔導師団の団長が変わられるそうで、その方の考えでは、もっと騎士団と連携すべきって思ってるみたいだね。その上で、他の人達にも両団の結束が固く、今の平和が続くよう尽力するっていう宣言みたいな感じかな」
「なるほど」
「まあ、それは建前なんだけどね」
「「え?」」
「騎士団員と魔導師団員の、出会いの場を設ける目的があるんだよ」
「え? 出会いの場? なんで?」
「兄上の婚約が決まった今、今度は周りの令息たちの番だけど、お茶会とか開くより、効率がいいんじゃないかって、兄上付きの騎士が言ったみたい」
「あぁ、あの人か。 確かに言いそう」
「あの人はお茶会とか苦手だから、そう提案したんだろ? 王太子殿下が、よく許可したな」
「それこそ、魔導師団の団長をお披露目出来る機会でもあるからね。兄上も、その騎士も効率主義なところがあるから」
「……ということは……」
「どうした、フィン?」
「……公開演習があるってことは、ティアナが行きたがり、それについて行けと、母さんに言われる未来が見える……。 その時は避暑に出かけようかな……」
「秋の終わりに避暑は変だぞ」
「……」
「私も出席予定になっているから、二人も来るべきだと思うよ」
「え?ウィルも行くの? その前に大規模なお茶会があるよな? そこで婚約者候補を決めるんじゃなかったのか?」
「あぁ、私の場合は出席だけど、参加ではないよ。 もちろん、二人は参加してくれてかまわないからね」
「……俺は、多分当日、ティアナの護衛で忙しくなるから!」
「いや、俺も見学に真剣だから、それどころじゃないと思う!」
「二人とも令嬢たちから人気があるのに、残念だね」
「いや、ウィルに言われても……」
「だよなぁ」
そんな話をしながら、俺たちはゆっくりと朝食を終えた。
第67話を読んでいただき、ありがとうございます。
今回は、フィンたち三人の朝食と、秋に予定されている公開演習の話でした。
次回も楽しんでもらえると嬉しいです。




