第123話 夕食の準備と次の計画。
問題は焼肉のタレだよなぁ。
醤油とみりん、酒に砂糖……ニンニク!あとは……なんだ?このくらいだっけ?
……前世と似たような調味料があることに一旦感謝だな。
「料理長、焼肉をもっと美味しく食べられるタレを作りたいんだけど、試しに作って欲しくて――」
甘辛い味付けにしたいことや、使いたい調味料について説明していく。
「……なるほど。では、午後からでもよろしいですか?もうすぐ昼食の時間ですし」
「……そうだった。じゃあ、午後からよろしく。出来れば今日の夕食、そのタレで焼肉食べたいから」
「分かりました。焼肉なら夕食の準備は食材を用意するだけでよさそうなので、皆でタレ作りをすればいいものが出来そうです」
プレートは洗っておいてくれるみたいだから、俺はそのまま食堂に向かった。
「あら、フィン。もう来ていたのね」
「うん。さっきまで魔導具を厨房で試してたから」
「まぁ、そうなの。次はどんな魔導具なのかしら?」
「調理器具だね。今日の夕食はそれを使って食べようと思ってるんだけど、焼肉にメニューを変更してもいいよね?もう料理長にお願いしたんだけど」
「焼肉?ステーキとは違うもの?」
「ステーキみたいに大きな肉を一枚焼くんじゃなくて、小さく切った肉や野菜を少しずつ焼きながら食べる料理だよ。あっ、貝もあったからそれらも焼こうと思ってるんだよね」
「目の前で料理をするということかしら?」
「うん。あっ、自分で焼くんだよ」
「まぁ!自分で?」
「うん。……侯爵家の夫人だとそれはやめておいた方がいいのかな?一応、魔導具が二つあるから、父さんと母さん用は使用人に任せて、俺とティアナの分は俺が焼くから」
「ありがとう。でも、せっかくだから私も少し焼いてみたいわね」
「まぁ、その時になれば多分父さんが率先して焼きそうな気はしてるけど」
「そうかもしれないわね。ブルーノは私に焼かせたりしないでしょうし。ふふっ」
……昼間から目の前で惚気けないでほしい。
「そういえばティアナは?今日も友達たちとランチ?」
「いいえ。そろそろ来るころじゃないかしら」
そう話していると、食堂にティアナがやって来た。
「少し遅くなってしまいました!ごめんなさい、お母様。待たせてしまったかしら」
「いいえ、大丈夫よ。食事も先ほど運ばれたばかりだから」
「そうなの?それなら良かったわ」
そんなやり取りをしたあと、俺たちは昼食を済ませ、食後のお茶を飲んでいた。
「ティアナ、夕食は焼肉だそうよ。フィンがまた新しい魔導具を作ったのですって」
「お肉を焼いて食べる魔導具ってこと?」
「うん。これはみんな好きだと思うから、期待しててよ」
「そうなの?じゃあ、楽しみにしているわ!フィン兄様がそう言うということは、すごく美味しいに決まっているものね!」
……焼肉のタレのハードルが上がった気がするけど……料理長たちに頑張ってもらおう。
食後のお茶を飲み終えた俺は、作業部屋に戻った。
午後からはプレートの仕様書を書き直したり、次に作る魔導具を考えたりするつもりだが……さて、どこから手をつけようかな。
そんなことを考えながら作業机に向かい、まずは仕様書の書き直しから取り掛かった。
……間違えた。
プレートの表面に魔導回路を描くって書いてしまった……。これじゃ改良前の仕様書だ。……いや、「表でも可」って書いとくか。こっちを選ぶ変わり者もいるかもしれないし。
なんせ、派手好きな貴族もいるからな。
……よし。仕様書はこれで大丈夫だろう。
で、次に作る魔導具、なにがいいかな。息抜きに一旦、簡単そうなの作りたいなぁ。
電子レンジは……絶対簡単じゃないことは分かる。炊飯器……業務用食洗機……この辺りも細かい作業が必要だろうな。
そうなると……あっ、泡立て器!パンケーキ食べた時から考えてたのに、未だに作ってなかったな。
旋髭と鼻整の応用で作れるって思ってたし……うん。次は泡立て器の魔導具化だな。
第123話を読んでいただき、ありがとうございます!
夕食の焼肉に向けた準備と、次に作る魔導具が決まりました。
次回も楽しんでいただけると嬉しいです!




