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侯爵家三男は快適に暮らしたい。〜前世の知識で異世界魔導具づくり〜  作者: 西 悠希


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第118話 手紙と物件。



「……アレク叔父さん、いつの間にいたの?全然気づかなかった」


「ちゃんと声をかけて入ったが、二人は一向に気づきそうもなかったな」


「あはは、つい夢中になっちゃってました!」


「昔から変わらないな、エリオ君は。フィンもだが」


「そうかな?」


「そうだよ。二人とも魔導具の話になると周りが見えなくなるんだから。なにしに商会まできていたのか、分からない時もあったしね」


……そんなにか?


「それで、久しぶりにいろいろと話せたかい?」


「はい、話せました!場を設けてくださってありがとうございました!じゃあ、僕はそろそろ帰りますね。契約の件、期限までよろしくお願いします、アレクシス様」


「あぁ、こちらこそ」


「じゃあ、フィン。次はお茶会で会おう!」


「……ん?エリオも参加するのか?彼女がいるのに」


「交流の目的もあるから、参加しろって父上に言われてるんだよ。まぁ、エレノアも一応参加になってるしね」


「……なるほど」


「まっ、そういうことだから。またね!」


エリオは笑顔でそう言うと、応接室を後にした。



「なんだ、フィン、お茶会に参加するのかい?珍しいな」


「……王妃様主催の、ウィルフリード殿下の婚約者候補探しのお茶会だよ」


「あぁ、少し前に王太子殿下の婚約者が決まったって、聞いたな。で、次は殿下とフィンたちの番ってことか」


「そういうこと。あっ!俺に、食事処の近くに屋敷をって話があるみたいなんだよ!前に話してた爵位と一緒に……」


「あー……もう話が出てきたか。思ったより早かったな」


絶対、アレク叔父さんが松葉杖ついて、商業ギルドに行ったからだと思う。


「……貴族の情報網が怖い」


「ん?フィンは知らないのかい?手紙を転送できるようになったこと」


「……えっ?知らない。そうなの?」


「最近の話だけど、エリオ君もいる研究機関で開発されていたものが、ようやく運用されるようになったんだよ。まだ主要なところでだけどね。王城内とか、ギルドとか」


「そうだったんだ。……あっ、だから視察に行ってるはずのウィルフリード殿下から手紙が届いたのか」


なるほど……。手紙の内容までは秘匿できないから、重要な情報は書けないってことか。だから、ウィルフリード殿下からの手紙にちょっと違和感があったのか。

爵位や屋敷の話まで出ているのに、その理由については何も書かれていなかったもんな……。


「便利な世の中になったねぇ」


「……それ、フィンが言うとちょっと変だな」


「え……?」


「いや、なんでもない。では、そろそろ商業ギルドへ向かおうか」


「うん」


それにしても手紙を転送か……。

ついでにコピー機とかも作ってくれないかなぁ。そうすれば、食事処で使うメニュー表を簡単に印刷できるのに……。


……エリオにこういうの出来ないかなぁ?って、ちょっと言ってみる……?

研究者が揃ってるから、誰か一人くらい興味を持ってくれそうだし。それに、王城ともなれば書類が大量にいるだろうから、前向きに検討してもらえそうな気がする。


お茶会で会うみたいだし、その時にでも聞いてみようかな。



商業ギルドに到着すると、アレク叔父さんが受付で用件を伝えてくれた。


「お待ちしておりました。こちらへどうぞ」


職員に案内され、俺たちは商談室へと通された。


……商業ギルドで商談室に通されるのって、なんだか新鮮だなぁ。


リリエン商会では、商会長室に通されることが多いから商談室って、ほとんど使ったことないんだよなぁ。


「本日は、以前ご相談いただいた物件の購入手続きということでよろしいでしょうか?」


「えぇ。こちらで購入を進めたいと思っています」


アレク叔父さんがそう答えると、職員は机の上に書類を並べ始めた。


「それでは、こちらが物件の売買契約書になります。内容をご確認ください」


書類を受け取り、内容を確認していく。


物件の所在地や売買価格、支払い期限、引き渡し日。それから、建物に備え付けられている設備の扱いについても記載されている。


売買価格は120万ヴェリ。……思ってたより安いな。150万ヴェリくらいはすると思ってた。


厨房や水回りはそのまま使えるみたいだな。


……うん、大丈夫そうだ。


「問題ありません」


俺が書類を返すと、アレク叔父さんも内容を確認し、職員へと差し戻した。



第118話を読んでいただき、ありがとうございます!

食事処の準備も少しずつ進んできました。

次回も楽しんでもらえると嬉しいです!

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