第115話 使ってみると分かること。
「フィン様、どうかされましたか?」
「うん、ちょっと魔導具を試したいから、肉の切れ端とか貰えないかなって思って」
「肉の切れ端ですか?分かりました。ちょっと待ってくださいね」
おっ!今日の夕食に俺の好きなソーセージもあるのか!
んー……白ワインと一緒に食べようかなぁ。
「お待たせしました。このくらいで大丈夫ですかね?」
「あっ、うん。ありがとう。ちょっと端の方借りるね」
思ったより多めにもらってしまった。切れ端が五つも……。まぁ、火加減を試すためだから、いくつかあった方がいいか。
とりあえず最初は弱火でプレートを温めて……感温石で確認。……うん、いい感じの温度だな。
さっそく一つめの切れ端をプレートに乗せる……おぉ!いい音だ!
肉の「ジューっ」って焼ける音って最高だよなぁ。
ひっくり返してみる。
いい感じに焼き目が付いたな。やっぱり溝を付けてよかった。肉の脂も溝に落ちてくれるからそれもいい。
……よし。反対側も焼けたな。
皿に取り、少し塩をかけて食べる。
……美味い。普通に焼肉だな。
次は中火で……感温石で温度を確認してから、肉焼いていく。
……おぉ!こっちの方が焼き加減が好きかも。
弱火でゆっくり焼いた時よりも、香ばしさが出て、焼肉!って感じがするな!
よし、次は強火だ。感温石を確認して……焼く。
……これはちょっと風属性の出力を下げた方がいいかも。
思ってたより肉が焼けるのが早いな……。
……まぁ、美味いけど……これだと早食いの人しか使えない火加減だな。
とりあえず強火の出力は少し抑えた方がよさそうだ。
残りの二切れは中火で焼いて、食べた。
プレートを取り外して洗い、さっそく作業部屋に戻って出力の調整をした。
…………。
……これでいいと思うんだけど……もうすぐ夕食だし、肉の切れ端を五つも食べたから、試すのはまた明日……は、商業ギルドか。
まぁ、また後日にでも試そう。
あっ、そういえば明日、何時に商業ギルドに行けばいいか聞いてなかったな。
まぁ、朝からリリエン商会の方に行けばいいか。
時間があるなら、それまで街をウロウロするのもいいし。
ついでに食堂によって昼食を食べていけばいいだろう。
あっ、調理場のことも店主に聞きたかったし、ちょうどいいな。
そういえば、肉を焼いてた時に思ったんだけど……魔導回路の光が淡い青色だから、食事にはちょっと向いてない色味だよなぁ……。あと、風属性の淡い緑も。
火属性の淡い赤色はよかった。
これに関しては、表面じゃなくてプレートの裏面に描く方が良かったかもなぁ。まぁ、めんどくさいから一旦このまま進めるけど。
やっぱり艶髪からの応用を、調理器具に落とし込むには別の視点も必要だったな。
コンコン――
「フィン様。アレクシス様からお手紙が届いております」
「えっ?アレク叔父さんから?なんだろ」
…………。
「フィン。
明日のことだが、時間を伝え忘れていた。
午後から商業ギルドへ向かう予定なので、それまでにリリエン商会の方に来てくれると助かる。
ちなみに、明日はエリオ殿も魔導具関係で商会に来ることになっている。学園時代に親しかっただろう?久しぶりに話すといいよ」
……午後からか。
んー……じゃあ、昼前に屋敷を出て、食堂で食事してからリリエン商会に向かえばいいな。
エリオも来るのか。そういえば、学園時代は同じ魔導具研究会で一緒に過ごしてたな。卒業してから会ってないけど……。
夜会でも見かけなかったし。まあ、俺が気づかなかっただけで出席してただろう。伯爵家の次男だしな。
ということは、明日アレク叔父さん忙しいのか。
だから、エリオと久しぶりに話しながら待っていろ……と。そういうことかな。
……まぁ、いいか。
そろそろ食堂にいこう。
第115話を読んでいただき、ありがとうございます!
まさかの魔導具回路が食欲減退に……。
次回も楽しんでもらえると嬉しいです!
ちなみに、本日21:00にIF作品の第11話も投稿予定です。




