異世界転生
そうして、家に帰った。
「歪みも終えたし此処ですることも終わったろ?」
[ああ、お前は次のステージに向かう]
そう言い犬は消えた。
そうすると段々と睡魔に襲われて眠ってしまった。
次に目を覚めたのはまたあの女神さまの部屋だった。
「随分と早く責務を終えたのですね」
「まああの犬のお陰ですけど」
「そうですか、助けになったのなら幸いです」
「あの犬なんなんですか?」
「あの子は今後貴方の大事なパートナーになるでしょう」
「本当ですか?」
「はい」
疑い深く聞いたが女神さまはそう言いきった。
「では次の世界に行ってもらいましょう」
「次の世界ですか?」
「ええ、基本的に若い内に何かしらで死ななければ、あなた方は色んな世界で記憶を無くして転生されます」
「じゃあこう言う歪みでそれを正すのはあまりいないと言うことですか?」
「はい、つまり特別な人しか出来ないとも言えます」
「僕そんなものないですけど」
「いずれ貴方にも分かるでしょう」
「じゃあ僕も次で終わりですか?」
「それは良い切れません」
「と言うと?」
「人を決めるのはまた違う神が厳選するので、歪みを正すのが得意であればまた指名される可能性はあります」
「なるほど、じゃあ頑張り次第で人間は出来ると?」
「ええ、でも転生先が人間とは限りませんけど」
そこで一つとあるタイトルが思いついたがそれは言わないでおこう。
「動物とかですか?」
「ええ、でも歪みを正すなら希望の通りにできますが」
「人間で!!」
「ふふ、分かりましたでは次の世界に連れて行きますね」
「急ですね」
「はい、いつだって勢いが大切ですからね」
「分かりました」
そうして視界がぼんやりして女神様が消えて、目が覚めると木造の家だった。
「此処は?」
家の中には暖炉と木材だけで他には何もなかった。
「一体何処なんだ此処は?」
そんな疑問で頭を掻こうと自分の状況を整理しようとして、頭をかこうと右手を上げた、その時だった。
――ピロン。
「……は?」
目の前に、半透明の画面が現れた。
「うわっ、何だこれ」
思わず手を引っ込める。
だが画面は消えない。むしろ、視線に合わせて自然に追従してくる。
「ゲームかよ……」
試しにもう一度手を動かすと、画面が反応する。
どうやらこれは――
「ステータス、ってやつか?」
表示された文字を、ゆっくりと読み上げる。
【ステータス】
名前:未設定
種族:人間
レベル:1
筋力(STR):99
耐久(VIT):99
敏捷(AGI):99
魔力(MAG):99
器用(DEX):99
精神(MND):99
運(LUK):99
スキル:未習得
固有能力:模倣
「……は?」
もう一度、見直す。
「いやいやいや」
指で目をこする。
もう一回見る。
「全部、99?」
レベルは1。
なのに、全部カンストみたいな数字。
「バグか?」
思わずそう呟く。
いや、違う。
女神が言っていた。
『すべて最上位の力を与えます』
「……これのことかよ」
納得と同時に、若干引いた。
「いや、強すぎだろ……」
普通、こういうのは徐々に強くなるものじゃないのか。
最初からこれって、もう成長する意味あるのか?
「……まあいいか」
深く考えるのをやめる。
どうせ目立つつもりはない。
むしろこの数値は、誰にも見せない方がいい。
「絶対、面倒になるやつだろこれ」
そう呟いて、画面を閉じようと手を動かす。
――スッ
画面は簡単に消えた。
「……便利だな」
少しだけ感心する。
そして次の瞬間、ふと思い出す。
「……コピー、って何だ?」
固有能力の欄。
そこに書かれていた一言。
嫌な予感しかしない。
「……まあ、そのうち分かるか」
軽く肩をすくめる。
最強のステータス。
未知の能力。
それでも。
「とりあえず――畑でも探すか」




