第1話 中学校到着
本日から7時の投稿です。
毎日投稿はできるだけ頑張ります。
4月9日。僕、宮本蒼は気づけば一人で今日から入学する学園の門の前に立っていた。
今は、朝の六時四十分。入学式は九時からだというのに、緊張のあまり一睡もできず、僕は少し……、いや、すごく早く来てしまった。
「……流石に、早く来すぎたな。」
誰もいない正門。校舎の窓には灯りすらついていない。周囲の寮の窓にも、明かりはひとつもなかった
しかし、その静寂を破るかのように、小さな爆発音が聞こえた。それと同時に、遠くの方で、「カッ、カッ」と硬い靴音が響く。
門の奥を見てみると、全身黒い制服の人たちが、何か銀や黒の銃のようなものを手に持ち、走っているではないか。
(……え? なに、あれ)
思わず塀の陰に身を隠した。彼らは迷いなくある一か所へと走っていく。そこには――人影。
フードを被った何者かが、フェンスを越えようとしていた。
「制止しろ!ここは立入禁止区域だ!」
「逃げたぞ!」
次の瞬間、白い閃光が走った。音は、ない。だが確かに何かが発射され、男の足元が爆ぜたように揺れる。
(今の……銃? 音が……しなかった?)
その瞬間、僕の心臓がドクンと高鳴った。逃げようかと思った――でも、足が動かなかった。次の瞬間、フードの男がこちらを振り返った。その目が――一瞬、僕を見た気がした。
(まずい、見つかった……!)
と、思った瞬間だった。背後からふっと風が吹いたように誰かが立ち、僕の肩に軽く手が置かれた。
「――大丈夫。すぐ、忘れるから」
女性の優しい声だった。時間がゆっくり流れているみたいな…。目が合った男が僕の方へ銃を向けてくるが、ゆっくりとした動作だった。
だが、何かが僕の意識を引っ張る。視界が、白く、音も、匂いも、感覚も――ゆっくりと、失われていった。痛みが一瞬したような……。
――気がつくと、僕は校門前のベンチに座っていた。
「……?」
時間は七時〇分。入学式開始二時間前。手には入学式のプリントと、誰かにもらったらしい学生証が握られていた。
「変だな……どうやってここまで来たんだっけ……?」
まるで夢でも見ていたような、ふわふわとした感覚が残っていた。
でも――気にする必要はない。だって、ここに来る道中、何もなかったのだから。
そしてまた、なぜか眠気がして……、僕は寝てしまった。




