成長を感じる
3層到達時点で HP -7 で 27 はまぁまぁ優秀だろう。
で、今の私の格好だが、右手にさっき拾った斧、左手には短い棍棒、左肩にモーニングスターを掛け、左の腰に売店で買った棍棒、背中のナップサックには今日ドロップした棍棒も刺さっている。
{とりあえず動きだす前に、少し荷物整理をしよう}
私は、斧の刃がむき出しなのがこわいので、タオルで刃のところを巻いて今日拾った棍棒と同じようにしてナップサックに突っこんだ。
そして入りきってない柄の部分に大き目のジップロックをかぶせて、抜けないようにくくっておく。
ダンジョン内にアイテムを置いておくと、ダンジョンに吸収されてしまう。
但し、ダンジョンの外から持ち込んだものは吸収されない。
斧と棍棒もナップサックに入っていれば置いても吸収されないだろう。
ジップロックをかぶせたのは、ナップサックがこけて、柄の部分が地面に触れたらどうなるのかわからないため、念のための処置である。
ヨシ、準備完了。
私はナップサックを降ろしやすいように、完全には背負わずに、右肩に掛け、左手には短い棍棒、左肩にモーニングスターを掛け、左の腰に売店で買った棍棒を差した状態で、階段を降りて右の方向に歩き出した。
キラーラビットが何匹か見える。
1匹目が来たら、ほかのも跳び込んで来そうだ。
ナップサックを置いて、とりあえず一番近い奴と向き合った。
こちらに気づいたキラーラビットが正面から跳び込んできての頭突きだ。
ワンパターンな奴だ。
私は左手の棍棒と右手のモーニングスターの持ち手をクロスさせて、頭突きを受けてキラーラビットをはじけ飛ばし、グルンと上から鉄球を叩きつける。
グルングルンと 3回叩いて倒した。
角と魔石が残る。
離れたところの奴は来なかったので、ナップサックを担ぎ直してこちらから近づく。
またナップサックを置いて、先程のパターンを繰り返した。
また、角と魔石が残った。
今度は闘っている途中で、もう一匹参戦して来た。
魔石だけが残った。
そこで、ピコーン⤵!ヒュルン⤴!
HPが下がって、MPが上がった。
{おぉ、MP 2 だ!}
さらにMPが回復するか試したかったが、それより、丁度同時にHPが下がったので、MP 2 で HPがいくら回復するかの方が知りたくなり、[ケア]を使うことにする。
{ケア} 私はMP を使い切るイメージで[ケア]を心の中で唱えた。
ヒュルン⤵!ピコーン⤴!
MPが 0になり、HPが 29になった。
{おぉぉ゙! 3 上がった!?}
MP1 で HP1 上げられなかったのが、MP2 で HP3 上げられた。
[ケア]の熟練度が上がっている。
還暦を過ぎて成長を感じる。
{ダンジョンサイコーだ}
さらに進んで、もう一匹キラーラビットを倒す。
また角と魔石が残った。
その先の方では二人組の探索者がグレーウルフと闘っていた。
私は進む方向を右に変える。
と、スライムやらフロッガーの向こうにでっかいアリがいる。
{あれはちょっと恐いなぁ…}
後ずさりながら周りを見ると、さっきグレーウルフと闘っていた二人組が巨大アリの方に向かおうかと見ているようだった。
二人組のうちの一人と目が合う。
彼は私の方に近づいてきて、
「あの、よかったらあのビッグアント、一緒に狩りませんか?」
あの大きなアリは呼び名が定まっていない。
彼は[ビッグアント]と呼んでいるようだ。私はアーマーアントと呼ぶことにする。
「はぁ、私でよろしいんですか?」 と、私。
「ええ、キラーラビット、サクサク倒してたし」 と、彼。
「ドロップはどうします?」 と、確認しておく。
「こう言うのはどうでしょう… 魔石はあげますから、もし、何かアイテムがドロップしたらもらえませんか」
アーマーアントは軽量の防具系のアイテムをイロイロとドロップするらしい。
「なるほど、アイテムがドロップしてもしなくても、魔石は私がもらって、何かドロップしたら、魔石は私で、アイテムはそちらと言うことですね」 と、私。
「そうそう」 と、彼。
「いいですね。やりましょう」




