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翌日。

街人風の衣装に着替えたわたしとアスベル様は2人で街へ繰り出した!

出掛ける前にアスベル様のお母様が使っていたという指輪を渡されちゃったりなんかもあってテンション高いよわたし!!


…こほん。

義妹や義母は既に捕まってるから、よくある乙女系ラノベみたいに義妹とかと遭遇して更に逆恨みされる、なんてイベントは起こりっこ……いや、でも義妹の友達(笑)が見て云々はある…?

まぁそれはそれだね、実際に起こるかも分からない事なんか気にしない。


とにかく、わたしにはこれまた乙女系あるあるの“わたしなんかが云々”やら“ゲームのシナリオが云々”なんて気持ちはこれっぽっちもないからね!!

……まぁ、ハイスペックなのはミーシアの身体のお陰だとは思ってるけどそれは調子に乗らない為の自戒。

だからそれ以外は気にするだけ損だよ…そも、相手は転生悪役令嬢なんだから多分良い子だし。


だから全力でアスベル様とイチャイチャするよ♡

猫撫で声と言うかぶりっ子はキモチワルイからしないし出来ないけどね。


とりあえず先ずは服だねー。

全部義妹や義母に壊されたり売られたりしたせいで着るものないのは流石に女の子としてどうなの?だし。

今まではアスベル様のお母様の服を借りてたんだ。

…アスベル様の両親は既に他界してるらしいけど。


と言うわけで服屋です。

散財はさせないしする気も無いから、常識的な範囲にしないと。

とりあえず昼用と夜用が3着ずつ、後は就寝用くらいあれば足りるかなー?

足りなければ追々でいいと思う。

と思ってアスベル様に相談したら『そうだな、私もそう思う。』と返されたから3着ずつ+就寝用で決定。

わたしは既製品で充分だしね!



「これはどうですか?アスベル様。」


「ああ、似合ってるな。」


「ではこちらは??」


「それも似合ってるな。」


「うーん…『似合ってる』ばかりですねアスベル様!?

あ、でも女の子の相手をしたことがないのでしたか?」


「すまない。」


「謝ることではありません!ならわたしで慣れて下さい、というだけのことです!

わたしはアスベル様が見て気にいれるわたしになれたならそれで良いのです!」


「…天使か?」


「あなたのお嫁さんですが!?」



そもそもわたしはどちらかと言えば悪魔みたいな女の身体を使ってる訳だし……

でも、アスベル様の天使になれるならそれはそれでありかも!!

とりあえず、乙女系あるあるのドレス爆買いイベントとか新品ドレス大量注文とかが不発だった点はアスベル様が女慣れしてなくて良かったかなぁー?と思うよ。

そりゃあ爆買いすればドレス職人の仕事は作れるだろうけど、これって多分、資金源って税金だよね?

公爵家だし。

だったらそのお金はもっと領地の為に使ってもらわないとね!



「さて、服は揃えれたし次はカフェでもどうですか?アスベル様!!」


「…女性にエスコートされるとは、私もまだまだだな。」


「そんな事はありません!

わたしのはただの提案です、お店の場所は知らないのでエスコートは宜しくお願いしますね、旦那様。」


「やはり貴女は天使か?」


「だからあなたのお嫁さんですが!?」



なんだろう、乙女系あるあるがホントに無縁だねアスベル様…?

原作だと悪役令嬢さん相手にスパダリしてたんだけどなぁ…?

あ、いや、もしかして悪役令嬢さん相手だとむしろ【友人枠補正】かかってた?



「……ふふっ♪

お嫁さん相手だとポンコツ風味になるアスベル様って可愛いですねぇ〜♡」


「むぅ……。」



拗ねてるアスベル様もかわいいなぁ〜♡

はぁ………

「しゅき♡」


「っ!?」


「勿論本心ですよ?アスベル様♪」



あははっ♪お顔真っ赤〜!!

アスベル様ってば結構表情変わるじゃない!



「ホントに、好きだなぁ~…アスベル様…


「ミーシア、君には恥じらいが無いのか…?」


「そんな事は無いですよ?

わたしにだって羞恥心はあります!

でも(未来の)旦那様であるアスベル様に愛を伝えることはお嫁さんとして恥ずかしい事だとは思わないので!」


「はは、そうか………そうだな。」


ん?なんか眩しいものを見る感じになってる??

んー…でも悪い感情とか自分じゃミーシア(ヒロイン)には相応しくないみたいな忌避ではなさそうだし、まぁいっか♪














>>アスベル視点>>


私の婚約者であるミーシアが可愛い。

いや、見た目も天使だがその中身も天使だな。

領地運営の結果で安全安心に暮らせているから領民達は慕ってくれている故に私の性格もよく知っているのでともかくとして、

私をよく知らない者達からはこの見た目だけで『悪魔だ』『悪鬼だ』と怖がられ、辺境領を守る為に苛烈に戦う様から【死神卿】の二つ名で恐れられる様なこんな私を初対面から好いてくれた事もそうだが、よく働いてくれているし気遣いも出来る。


ドレスを既製品かつ少なく買ったのは公爵家の財源が税で賄われている事を理解しているからだろう。

だが、婚約者の為に何かを買う為のそれは領の運営費とは別口の物、私の個人資産、公爵としてのものや軍務卿としての給料からの捻出となっているから気にしなくても良かったのだがな。

その分、少なくしたドレスに金をかける事にするが。

具体的には物持ちが良くなるように良い素材を使い、保存魔法をかけてもらう感じで何着かの作成依頼だな。

ミーシアの場合、分かりやすく金をかけると恐縮するだろうし、今度茶会や夜会があった時にでも渡すとしよう。

茶会の場合は突発的なものも無くはないが、直近で夜会は無いから充分間に合うはずだ。

後でシェパードにでも依頼を出してもらうか。


それにしても本当に、ミーシアは今まで出会った“貴族女性”とは違うな。

私の見た目で忌避をしない、公爵夫人の座に目が眩んだ訳でも無い。


見た目の可憐さもさることながら、

領の運営方法や我が領地の知識と言い、計算の速さと言い、それでいて無垢で無邪気で、何より私に対する真っ直ぐ過ぎる程に真っ直ぐな愛情と言い。

まるで、私の妻となる為に生まれてきたかの様にも思える程だ。


勿論、それは考えすぎだと分かっているが。

この様な女性に婚約者として出逢えるなど、一生分の運を使い果たしたに違いない。

私は前世でどれだけの徳を積んだのだろうな?


今だってそうだ。

数年前に亡くなってしまった私の母から受け継いだ我が家の公爵夫人としての指輪を愛おしそうに眺めている。

それが欲望に歪んだ目では無いことも分かっているさ。

そもそも彼女の感情は分かりやすい。

それこそ、()()()()()()()()()()()()な。


…っと、私の視線に気付いたミーシアは照れたように笑いながら私の腕で顔を隠した。



「あのね、アスベル様。」


「なんだ、ミーシア。」


「この指輪の持ち主として、貴方に相応しい妻にりますからね?

大好きです、アスベル様…♪」


「…ああ。ミーシアの気持ちはちゃんと伝わっているとも。」


「あはっ…♪

ならわたしはもっともっと“好き”を伝えますね!

わたしがどれだけアスベル様を愛しているかをたーっくさん!!」



私が微笑みながらそう答えると、そう言って嬉しそうにふにゃりと笑うミーシア。

……もしや、彼女が恐れているのは、私に嫌われたり勘違いされる事か?

だとすれば、ますます可愛らしいな。

たとえそれが、極限状態から救い出してくれた私への依存だとしても、な。


大丈夫だ、私は婚約者を、ひいては妻を簡単に見捨てる様な男じゃない。

その事をミーシアには理解してもらっていこう。


ああ、早く公爵夫人用の部屋の改修が終わらないだろうか?

ミーシア自身も乗り気であれば今日からでもベッドを共にしても良いかもしれないな。


勿論、婚姻を結び終えて彼女が【ミーシア・フォートラン】となるまでは手出しはしないつもりだが。 

そうだな、ベッドを共にする提案をする時にそれも伝えておこう。


彼女の隣は心地が良い。

もし共に眠ってくれるなら快眠出来そうだ。






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