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【書籍化】錬金術師ユキの攻略 〜超天才美少女(?)が、世の理を解き明かし塗り替える!〜  作者: 白兎 龍
第一章 Another World Online 第十三節 鈴守神事の攻略

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第9話 夢に在りて想いを謡う

第七位階上位

 



 魂魄を元の体に戻す。


 そのまま思考を放り投げて消耗した精神を休めていると、灰色の世界が虹色へ変わっていくのが目に入った。


 キラキラと虹の光が世界へ振り撒かれ、灰色だった世界が色を取り戻していく。


 止まっていた砂時計は動き出し、虹色の砂を落とし始めた。


 そんな光景をぼやっと見ていたら、気付いた。



 ……あの砂時計、もうそろそろ満杯(・・)じゃない?



 ……確か、あの砂時計は神を作る装置で……作り方は砂時計の瓶に信仰の結晶である砂を満たす事で、それが終わったら神が出来る。


 あぁ……そういえば、アリーチェとアデルがまた後でって言ってたなぁ。



 なるほどぉ……つまり第三ラウン——



 刹那、光が瞬いた。


 虹砂の満たされた瓶から放たれた光は爆発的に広がって——



《【神話(ミソロジー)クエスト】『虹の乙女』が発令されました》



神話(ミソロジー)クエスト】

『虹の乙女』


参加条件

・迷宮『不思議の世界(ワンダー・ワールド)』『奈落の世界(アンダー・ワールド)』を完全にクリアする



達成条件

・ボス『虹の乙女(アイリス・アリス)』を討滅する



失敗条件

・敗北する



・備考

 暗い嵐を越えたらね、空には虹が掛かるのよ? えへへ♪





夢想亜神 LV???



 気付くと、僕は雲の上にいた。


 虹色の雲の上だ。


 そこには、虹の光を纏う可愛らしいエプロンドレスのアリーチェが立っていた。



「さぁ、ユキちゃん、私と一緒に遊びましょ♪」



 僕もう、眠いんだけど。


 いい加減に消耗も激しいし、亜神とか言う化け物と戦える程の余力は無い。


 ……しかしまぁ、アリーチェが言うなら遊んであげても良いかな。と思うくらいは、僕はアリーチェが好きだ。

 更に言うなら、クエストの条件を見た感じ、一回きりのクエストなので、出来ればクリアしたい。



 どうしたものか。


 虹の巨剣を片手で振り上げた虹アリーチェを見つつ、回らない頭を回していると、唐突に僕の翼の一枚が輝き出した。


 ポンッと音を立てて現れたのは、プチニコラ。



『さぁ、ユキちゃん。今こそアレを使う時だよ☆』



 キラーンと星を飛ばすプチニコラ。


 アレとはなんなのだろう。


 いや、そうだ。僕には星珠(スフィア)が4つもついている。

 戦意を失わなければ僕に負けは無い。


 疲れた心に鞭打って、精神力を振り絞る。


 加速された思考の中、アレとやらがなんなのかを考える。もっとしっかり言って欲しいと思うが、文句を言っている暇もない。

 瞬きの次の瞬間には、切断の神気を宿したアリーチェの一撃が僕を切り裂こうと言うのだから。


 態々プチニコラの言うアレとやらを出さなくても、星珠(スフィア)の力があれば十分対抗可能の筈だが、プチニコラが自信満々に星を飛ばしているので、アレとやらを出せば何か良い事があるのだろう。

 ……例えばエクストラ評価報酬の追加とか。



 時間は無いので、思いつく物を片端から出して行こう。



 先ずは、ニコラショップの各種聖石。


 神僕だった時の記念品、夢現神の霊珠。夢現神の転輪。


 執行する死(エクスキューショナー)遍在する死因(キリング・レイド)、罪魔の御霊代、星霊の御霊——



 ——光が弾けた。



 気付くと、僕の目の前にはプチニコラではなくニコラが立っていた。



「世界中の良い子の味方、ニコラ、見参っ☆」



 キラリンと星を飛ばすニコラ。


 ポンポン取り出していたアイテムの中から、星霊の御霊代が消えているので、おそらくプチニコラがそれに宿る事でニコラ化したのだと考えられる。


 やはり星珠(スフィア)の精は星霊の一種だったのだろう。



 真・プチニコラは、虹の輝きを放ってアリーチェを吹き飛ばすと、両手を上向けて左右に広げた。



「さぁみんな〜? ユキちゃんを支えるよー☆」



 そのまま指をぱちっと鳴らすと、手の上にキッドとシュフォールが、そして頭の上にベルツェリーアが現れた。



「……!」

「カカッ!?」

「っ!? な、なんじゃ!?」



 突然の事に慌てるシュフォールと、やけに静かだと思ったら寝てたらしいベルツェリーア。

 唯一キッドは、出待ちしてた様でかっこよくシュタッと登場し、ふんぞり返っている。


 状況が全く掴めない僕と他2名を置いて、更に混沌は加速する。


 星珠(スフィア)を仕込んで置いた4つの翼が強烈な光を放ち、夢現神の霊珠と転輪が僕の目の前に浮かび上がる。



「ついでにこれも使っちゃう☆」



 そう言うや、三聖石が浮かんでキッド達の目の前に飛来。

 キッドはスチャッとそれをキャッチし、シュフォールはカカッ!? とそれをキャッチし、ベルツェリーアはおげふっ!? とそれをキャッチ? した。


 そして、ニコラとキッド、霊珠が虹の輝きを放ち、三聖石と転輪がそれに続いて——



「さぁ、行くよー……」



 ニコラは僅かなタメを作り、言い放った。



「——合体☆」



 爆発する光に呑まれる直前、僕はある事に思い至った。


 そうか、不思議の世界(ワンダー・ワールド)奈落の世界(アンダー・ワールド)夢の星珠(ドリーム・スフィア)至福の星珠フォルトゥーナ・スフィアを使って進む事が前提の迷宮だったの——



 

 



※大型アップデート&プレイヤー追加の開始時刻とイベント開始時刻が同じになっていたのを修正しました。


 正しくは、【限定クエスト】『マレビト招致』とアップデート&プレイヤー追加が同時刻です。



 

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