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【書籍化】錬金術師ユキの攻略 〜超天才美少女(?)が、世の理を解き明かし塗り替える!〜  作者: 白兎 龍
第一章 Another World Online 第十三節 鈴守神事の攻略

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掌話 浮遊都市の試運転 五

第四位階上位

 



「ふははははっ! ユウイチよ、よくぞ我が加護を受けし尖兵を倒した! 褒めて遣わすぞ!」



 最後の部屋に入るなり、赤銅の大男。ヴェルガノンさんの笑い声が響いた。


 この人暇そうだけど実はこの都市の神様なんだぜ。暇そうだけど。神様なんだぜ。



 頭の中でツッコミをリフレインさせていると、オーダムが一歩前に出た。



「失礼ながらヴェルガノン殿、一つよろしいか?」

「ふむ……貴様は確か英雄とやらか……良いだろう。申せ」

「その加護と言うのは、陛下の指示だろうか?」



 そう問われたヴェルガノンさんは、顎に手をやり……首を傾げ……何もない天井を見上げ……そして一つ頷いた。



「……許可が必要な事だったろうか?」

「……おそらくは」

「……そうか」



 ヴェルガノンさんは、静かに瞳を閉じ、天井を見上げた。



 ……南無。





 さて、気を取り直して、探索報告書の提出だ。



 場所は、浮遊都市内にある会員制高級レストラン。『情熱の太陽亭(インテンス・サン)』。


 迷宮探索の前報酬として、一パーティー全品一回限り無料。一人一品無料。と言う破格のサービス権を会員証に入れて貰ったからだ。

 普通に食べに来たら、今回の稼ぎが全部パァになる値段である。


 っうか全品一回限り無料って、そんなに喰わねぇだろ。……いや、全部喰いそうなのに何人か心当たりあるけども。


 そんなレストランで、遅めの昼食を摂る。


 ドラゴンステーキだ。



「うめぇー。米が進む」

「ソースのレシピとか教えて貰えないかなぁ?」

「絶対素材レア物だぞマジ」



 なんか凄い果物とか野菜とか使ってるぞ絶対。


 俺とエミリーが原価に思いを馳せている間、隣では生真面目な2人とそれに付き合うアコが報告書について話し合っていた。



「掛かった時間はおおよそ8時間。地図なしで現在の平均レベルが探索した場合は……人数次第だけど20倍近く掛かるんじゃない?」

「そうですね。ついでに言うならマレビトさん達は練度も低く、一日にやってられる時間が限られる筈なので……実際は30倍から40倍くらいかかりそうですけど」

「普通に冒険者が迷宮攻略するよりは早いと思うっすよ? やっぱり死なないから無茶が出来るし、基本迷路だけで罠とかは無いから、レベルが追い付けば多分そんなに時間はかかんないと思うっす」



 まぁ、そんなもんだよな。ゲームのつもりで入って来てるらしいし、死んでもどんどん突っ込んで行けるのは普通に強い。

 人数も何万と増えるらしいし……レベルさえ追い付けば、後は敵一体一体の攻略法を当たって砕けて調べて行くだけの人海戦術でクリア出来ちまう。


 レベルを上げるって点でも、攻略しやすい様な一種類の魔物とその進化系しか出ない小型迷宮が都市内外に数十個仕込まれてるから簡単だ。


 ダンジョンの探索難度はそう高くも無いし、魔物も種類が少ないからやがては攻略出来る。

 総合的な難易度は実際そんなに高くない。


 初心者向けを貫いたセミスタンダードなダンジョンってとこだな。


 後気になるのは……そうだな、やっぱり冒険者としては、アレが一番気になる。



「——それで、今回の探索成果なんだけど……」



 そう、利益だ。コレが良くなきゃ冒険者は動かない。

 金を稼げなきゃやってられないからな。


 余程経験値が旨いって訳でも無いし、何かしらの旨味が無いと探索はしてくれない。


 その点、火神殿は結構旨かった気がするが……どうなんだ?



「えーと……先ずは……火の属性石(エレメンタルストーン)が308個。属性宝石(エレメンタルジュエル)が82個。属性結晶エレメンタルクリスタルが1個だね」

「エレメンタルストーンって、確か武器を強化したり召喚獣を強化したり出来るアイテムっすよね? 価値的にはどうなんすか?」

「確か……レベル50くらいで通用する物を強化するのに300個くらい必要だった様な気がします」



 つう事は……このエレメンタルストーン全部注ぎ込めば、大体レベル70クラスの魔法武器を作って貰えるって事か?

 一回の探索でそれだとすると……損害も無かったし、3回くらい探索すればレベル100に通用する武器が作れるって事か!? 美味すぎだろ!


 ……いやまて、成果は分配するもんだし、実際の1人当たりの利益はその6分の1くらいか?

 ……レベル50クラスの武器を作るのに6回の探索……レベルが低いと時間も掛かるし利益も少ない……んんー……適正か? ……適正だ、マジで適正だ。



「後は……魔物召喚板(モンスターカード)が5枚。火の精霊。レッドスライム。レッドドール。赤豚。赤牛……火属性系だね。レベルは全部1から」

「モンスターカードって、結構良い値段しますよね?」

「そうだね……スライムは大した事ないけど、牛とかは仔牛で5桁半ばとかじゃなかったかな?」



 となると、赤い成牛は……6桁半ばくらいか? やべーな。1人で質素に暮らせば半年分の生活費になるぞ。



「それから……ドールの木片。金属片。お肉。革。羽とかの素材系に、熱棍(ヒートクラブ)が6個。熱槍(ヒートスピア)が3個。熱剣(ヒートソード)が1個と、それらの欠片が幾らか。それに、壊れた魔剣が2本に、砕けた魔戦斧片が1個。砕けた魔鎧片が2個。後は魔石がちょっとだけ」

「武器は出が少ないっすね。使い勝手はどうなんすか?」

「使い勝手は皆の方が分かってるんじゃないかな。実際に戦って見た感じで」

「棍棒はゴブが持ってた奴ですよね……槍はオークで、剣はオーガ。魔剣は精霊もどきで斧は最後のかな? ……斧と鎧以外は大した事ないですね」



 実際にマレビトが探索した場合は、武器は一回に一個出れば良い方って所かね? 破片を集めたりエレメンタルストーンやMCで直して貰っても、武器自体が大した事ない火属性の下級武器だし……強化する事を考えるとこっちもバランスが結構良いな。


 素材に関しても結構頻繁にドロップしてたし……ちゃんと稼げて強くもなれる……敵も迷宮も危険度は低いし、文句なしに初心者育成用の良いダンジョンだな。


 強いて問題点を上げるなら……収容人数が少ないって所か?

 ……それにしたって、稼げないとあれば別の迷宮が用意されてるし。


 そもそも火神殿は信徒しか入れない様になってるから収容人数は別に少なくても良いのか。


 ほんとにまぁ良くできてるぜ。



 

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随時更新!『LDMワールズガイド』……ネタバレに注意!


永遠未完『魔物解説』……ネタバレ含む。

よろしければ『黒き金糸雀は空を仰ぐ』此方も如何?
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