第25話 人形姫の館 三
第七位階上位
先ず最初に湖のエリアボスが死んだ。
イェガ軍の膨大な火力を前に、湖が干上がって巨大な水蛇はお亡くなりになった。
そして第二城門が開いて鋼のゴーレム《レベル180相当》とミラードールが3体追加された。
コピーされたのは、ルクスと冬将軍閣下とクラウ。
まだエヴァは余裕そうだ。
次に、砂漠のエリアボスが死んだ。
イェガ軍の救援が砂漠と街の両方に向かった為、人数や火力の観点から見て順当な結果だ。
そして第三城門が開いて、魔鋼製のゴーレム《レベル200相当》とミラードールが3体追加された。
コピーされたのは、三巨像さん。
まだまだエヴァは余裕そうだ。
砂漠の討伐から程なくして、街のエリアボスが死んだ。
最後の城門が開き、ミラードールが10体追加された。
コピーされたのは、宝石ゴーレム君達7体と、クラウのお供のロニカ、セロ、リーン。
まぁ四方のエリアボスは撃破したし、後は各エリアの完全殲滅を残すのみ。
城門から吐き出され未だ残っている雑魚の群れも、謎の覚醒をしたエヴァを前に激闘を繰り広げていた模倣体達も、駆け付けた人形軍を前にしては風前の灯火。
そう時間を掛ける事なく、敵は殲滅されるだろう。
クエストをクリアして入手した物は、スキルポイント15P。『枯渇せし砂漠の砂蜥蜴』『混濁する湖底の水蛇』『虚なる街の鋼巨人』。それから『砂蜥蜴の指輪』『水蛇の指輪』『鋼巨人の指輪』を10個ずつ。
それぞれの効果は、草兎が足輪で、換装すると頭から二本の細長くてやや硬い草が生える。
そして樹木変化と言う状態になり、主に足の力が強化される。
砂蜥蜴は首輪で、換装すると腕や首辺りから砂っぽい鱗の様な物が生えて来る。
亜竜変化と言う状態になり、僅かに防御力が上がる他、腕力が向上する。
水蛇はやや青味がかったベールで、換装すると砂蜥蜴の物と似た水っぽい鱗が生えて、亜竜変化と言う状態になり、僅かに防御力が上がる他、再生力が向上する。
鋼巨人は腕輪で、換装すると傀儡変化になり腕甲の様な物が生えて全身の防御力が上がる。
各種の指輪はそれの下位互換だ。
結論。
まぁ、指輪の方は一般に流しても良い程度の代物だよね。傭兵や都市の民に使わせたり、或いはマレビトに幾つか報酬として出しても良いかもしれない。
魔力は指輪にストックされている分を使う為、連続使用は出来ないが、自前の魔力を使わないので使い勝手は良い方。
装備の適正レベルはおおよそ70前後で、上手く使えば大体100まで通じるだろう。
◇
全てのエリアを駆逐し、ミラードールを殲滅した。
全体の消耗は、おおよそ4割くらい。
万全では無くとも十分に戦えるその時、それは現れた。
ミラードール LV650 状態:変化 《ユキ》
魔人形・人形王 LV650 状態:神懸かり
魔人形・人形女王 LV650 状態:神懸かり
クラウンとティアラを付けた鋼の人形と、僕。
鋼人形は神懸かりと言う正体不明の状態であり、漏れ出すエネルギーがオーラとなって人形を覆っている。
レベルは650だが、実際の戦闘力は700をオーバーしているのは間違いない。
そして、一番の問題である僕の模倣体は……ヤバい。
前回は上司不在だったので聞き分け良く降参してくれたが、今回はミラードールのレベルも高いし、何より上司が存在している。
話し合いでの解決は不可能だ。
レベル的にはおおよそ750から800相当と言った具合である。
そもそもただのコピーでそこまで強くなれるのかと言うと……そんな筈は無い。
大分強くなるだろう事は間違いないが、それにしたって限度がある。
じゃあなんでミラードールの脅威度が跳ね上がっているのかと言うと……簡単な話だ。製作者が凄まじく強いと言う事である。
まぁ、僕の模倣体と言っても、僕程極まっている訳では無い。
皆が頑張ればどうにかなる範疇だ。と思う。
僕は誰も死なない様に高みの見物を続けつつ、研究開発もぼちぼち進めていこう。
◇
《【運命クエスト】『物言わぬ傀儡:偽りの玉座』をクリアしました》
魔人形と言う敵は、間違い無く強かった。
その戦闘力は、機神にも匹敵しただろう。
クラウンの人形は身の丈よりも巨大な光の剣を振るい、ティアラの人形は豪奢な杖でもって魔法の嵐を引き起こす。
恐るべきはその連携と技量。
総合戦力で自分らが劣る事を最初から理解していたのだろう敵の作戦は徹底的な消耗狙いであり、そうかと油断すれば致死の威力を持つ光剣が距離による損耗等御構い無しに伸びてくる。
神懸かりと言う状態が何を指しているのか、何を強化しているのかは判然としなかったが、その戦闘力は間違い無くレベル650を遥かに超越していた。
そんな王と王妃を相手にクラウ一行や三巨像さん、アルフ&ルクス、冬将軍閣下等が奮闘している一方、そこから遠く離れた場所で、偽僕とトップクラス戦力が激戦を繰り広げていた。





