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【書籍化】錬金術師ユキの攻略 〜超天才美少女(?)が、世の理を解き明かし塗り替える!〜  作者: 白兎 龍
第一章 Another World Online 第十三節 鈴守神事の攻略

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第21話 あっちもこっちもミツヅケに

第七位階上位

 



 アトラの手をにぎにぎしつつ、バランディースの各地、各島を巡る。


 秋島の紅葉と温泉。冬島の雪と氷。春島の花々。



 配下の子達の休息も兼ねた島巡りは、朝まで続いた。



 ……アトラとは朝までにぎにぎしたり指を絡めたりしていただけだったが、それで満足したらしい。





 朝のちょっとした運動を済ませ、豪勢な朝食に舌鼓を打ち、お仕事の子達を見送った。


 お祭り3日目となる今日。


 事前に人員の配備やら何やらの仕事を終えておいた僕は、今日も今日とて暇である。



 と言う訳で、早速アナザーのお仕事を開始する。



 とは言え、マレビト招致に向けた準備はもうほぼ全て終わっている。


 マレビト招致の人数増加に必要な、武器屋、防具屋、道具屋、宿屋、食事処等の設置。及びそれらの生産ラインの確立。


 各都市へ行き来するのに使う、転移門、空港の設置。


 各都市の特色に合わせた迷宮の設置。及びそれらの攻略の助けとなる傭兵斡旋所の建設と人員の選抜、モンスターカードショップとラインナップの調整。


 住民と兵士の配備、最低限の武術や立ち回り、お金の稼ぎ方を教える教室の設置、各種クエストの作成。



 これらに加え、9万の軍勢を誘導する為の秘策も用意している。


 題して——『デイリー甘い蜜で蜜漬け大作戦』。


 これは、クランショップで取得出来る『クランストレージボックス』とはまた違った能力、『クランインベントリ』他を利用した、超お得で誰も損をしない素晴らしい作戦である。


 クランストレージボックスは、クランマスターか幹部の指輪を持つ者、或いはクランマスターが指定したメンバーが使用可能な共有型アイテムボックスだ。

 対してクランインベントリは、クランメンバーが1万人を突破した際に取得出来る様になったかなり強力な能力で、具体的には……クランメンバー全員に十枠までのインベントリを付与する事が出来ると言う代物だ。


 インベントリが無限なのに対し、クランインベントリは有限。

 その価格はインベントリの購入額と同額だったが……戦術的価値、経済的価値は計り知れない。


 更に、不穏な事にクランマスターやサブクランマスターはクランインベントリの中身を弄る事が出来るのだ。

 抜き取る事も出来れば、入れる事(・・・・)も出来る訳である。


 これと黒霧の演算力を利用して、デイリーボーナスを配る。



 ……まぁ、分かりやすく纏めれば、僕のクランに入ると、全ステータスの僅かな向上。毎日のポーションや属性石等の支給品配布。食事処や宿屋、教練施設等の無料券、割引券配布による金銭的援助。騎士団参加による成長ブースト。等々、様々な甘い蜜を吸えるのである。


 参加するのとしないのでは、比喩ではなく天と地程の差があると言えるだろう。



 これを、敢えて大々的に主張しない事(・・・・)で、プレイヤーの自発的参加を促し、長期的な所属を狙う。

 なに、加入説明の折に誰でも入れて脱退自由と説明した上で、お試しにどうか? 等と加入を促せば、大体の人が加入するに違いない。


 一度入ってしまえば勝ったも同然である。甘い蜜の激流に呑まれて蜜漬けになるが良い。


 初日から数日は振るわないだろうが、加入者が数人でも現れ、その内の誰かが掲示板に書き込んだりすれば、忽ち情報は行き渡り、我先にと蜜の海へ身投げする事だろう。

 それが甘い罠だと気付く事は、おそらく一生無い。


 何故なら、その全てが砂糖の様に甘い善意であり、ちょっぴりの塩は甘さを引き立てる為のスパイスだからだ。

 ちょっぴり情報操作して、ちょっぴり無茶な威力偵察をさせたり、ちょっぴり現地民を守る為の肉壁にしたり、ちょっぴり捨て駒として使うだけで……全部善意ダヨ。コッチノミズハアマイゾー。ミツヅケニシテヤロウカー。


 差し当たって、タク達と蘇生した英霊の集い(ヴァルハラ・ナイツ)にログボシステム等を試供し、その使用感を確かめて貰っている。



 後マレビト招致に向けてやる事と言えば……生産くらいの物だ。

 そして、その担当は基本的には黒霧。


 精々レベル100以下のアイテムなら、黒霧だけで十分大量生産出来るだろう。



 さて、では今日の仕事は何なのかと言うと……授業参観である。





 場所は浮遊都市、オムニメイガス。俗称、学園都市・メイガス。或いは、メイガス・アカデミア。


 ここには、詰め込み教育をするには人生経験がなさ過ぎる子供達や、学びを得たい大人達の為の教育機関があり、同時に選ばれし者しか入れない研究機関も存在する、我が国の宝物庫兼火薬庫である。


 本日から、黒霧先生の学校が試験的に開校される。


 児童は、黒霧先生と僕が選抜した、3歳から6歳までの、本来なら未就学児に相当する子供達だ。嘘だ。

 本当は、下はうーたん&めーたんから、上は人形劇のアーシアことユヅルちゃんまで、割と幅広く受け付けている30名程の子供達である。


 情報の記憶と言う点は直接魂に送り込むので不要、学園の目的は、知識の反復練習と挿入された武術情報の実践。本を読ませて情緒を学び、集団で遊ばせて協調性や積極性を取得させる。


 要するに、当学園の初等部は、子供を健やかに人へ育てる事を基本方針とした機関なのだ。



 我が国は基本的に国民皆兵で、全国民にギルドで言う所のAランク、レベル50相当の実力を身につけて貰う。

 実際にはその戦力は全て個人、即ち己を守る為に使って貰い、国防はイェガやゴーレム軍団等に担って貰うつもりだ。


 まぁ、守る為の戦力に妥協するつもりは無いので、最終的にはマレビトを攻撃に使い、僕の配下達は国防と資源回収、自己鍛錬に集中して貰う事になるだろうが。


 この学園は、そんな国民達に趣味を持たせる為の施設であり……究極的に言えば、僕の配下達を他の大多数と交流させて成長を促す為の施設である。

 尚、ちびっ子達を育成する初等部等は、次代の準英雄、または英雄を生み出す為の機関とも言え、将来的にはちびっ子達は僕の配下の部下や配下と並ぶ存在として頑張って貰う予定である。



 そんな学園の設備は、()の国と言うだけでは無く、()の国としてもやっていける様に、多岐に渡る設備が用意されている。

 詰め込めば100万人くらい余裕で住める都市を、丸々学園として使っているのだから相当である。


 各種専門の調理室だけで50。学食やら個人用やらのを加えると余裕で100を越えるキッチンがあり、食材に関しても、農作や牧畜、発酵食品等の加工場を用意してある。


 食糧関係だけで無く、鍛治や服飾、ポーション等の道具作成。

 剣術や槍術、立ち回り、集団戦闘等の武術訓練。

 基本から各種属性、果ては仙術まで学べる魔法訓練。

 生物や物理等の基本的な事から専門的な事までの研究教育と、それらから発展する様々な機構の開発。

 乗馬、弓道、陸上、空手、野球等々、又は園芸、料理、文芸等々の趣味となる活動。人が増えればそれを生業とする事もあるだろう。


 僕等がいなくとも国を運営していける様にする為の教育や、国を運営する上で不要でも人として生きて行く上で必要な趣味嗜好を育てる為の施設を用意してある。


 詰め込み教育をしても実践や訓練は必要なので、教育対象は500万近くいる。

 これだけ広大な施設でも、足りなくなる事はあるかもしれない。


 ……その時は、他所に公開しても良い様な一般的教養を学べる施設だけ地上に作れば良いだろう。

 …………又は、空間拡張して都市自体の許容量を増加させるのも良いだろう。



 本日はそんな学園の試行日で参観日。


 30名程の選抜された子供達と、その父母、保護者を招き、一通りの授業を受ける日である。



 

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