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【書籍化】錬金術師ユキの攻略 〜最強を自負する美少女(?)が、本当に最強になって異世界を支配する!〜  作者: 白兎 龍
第一章 Another World Online 第十二節 楽園の守護者の攻略

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第33話 潜入、誰かのお城

第七位階上位

 



 手早く剥いた桃を齧る。



「後4日も待たないと行けないなんて……生殺しですぅ」

「祭事終わった次の日には出来るんだから、お仕事してれば良いんじゃ無い?」



 シキナの膝の上で桃をむしゃりつつ、シキナの文句を聞いてやる。

 ……と言うか、ちょうど世界的な祭事が終わった次の日にマレビト招致って、何らかの因果関係を感じる。敢えて合わせたのかな?



「うぅ、それはそうですけど……ユキちゃんがいけずですぅ」

「スタートダッシュを決める為の予習期間だと思えば良いと思うよ。祭事終わったらしばらくお休みなんだし」

「でもでもぉ……最前線には追い付けないですよねぇ。どうせやるからには——」

「——半日で追い越せるけどね」



 沈黙。


 山の上故にやや涼しげな青風が吹き抜け、遠くから聞こえる人々の声を蝉の鳴く声が覆い隠す。

 扇風機の機械的な風が氷室から持ってこさせた大きな氷に当たり、冷たい空気が室内を循環していく。


 そんなある種最高の環境で、僕は——桃を齧る。



 もぐもぐ……。



「……ま、またまたぁ。私が良く知らないと思ってちょさないで欲しいなぁ……なんて」

「敵さえ倒せればレベル上がるんだから、直ぐ追いつくよ。計算上、4日後なら大体半日やれば追い付けるだろうね……僕が手助けすればね」

「成る程……やはりおかしいのはユキちゃんだったか」



 あらゆる全てを無視して僕は桃をむしゃる。





 桃の時間を終え、アナザーにログインする。



 森の迷宮を探索中のちびっ子達は、今頃アラン&カナデのパーティーと合流している事だろう。

 ……なんで森の迷宮にいるのかは分からんが……きっと象の肉を食べに行ったとかだと思う。


 後、メィミーがソロで雲の迷宮をうろちょろしている……と言うか……どうやってか浮遊スキルを取得したみたいで、雲の迷宮をぷかぷか漂流している。

 ……一応念の為、飛行装備を付けたフィロ・M・フィリクロを派遣しておこう。



 それじゃあ、城の迷宮に挑みに行こうか。



 連れて行くメンバーは、大体人間サイズで20人くらいが良いだろう。

 戦闘自体は修行の意味合いが強いので、既に強いレーベやロッテの様な人材は不要。強いかそうでもないか微妙なラインの子は連れて行こう。


 メンバーは、ウルル。リッド。メロット。ラース。サンディア。レイエル。ミルちゃん。ディルヴァ。ニュイゼ。ルーベル。ミュリア。アルフラム。ルクス。白雪。氷白。レイーニャ。レミア。ルカナ。ルェルァ。リオン。桃花。


 僕と補助の黒霧を入れたら23人。

 他のメンバーは城の難易度や攻略後の事情次第で働いて貰うので、今は休ませておく。


 イェガが持ち帰った緑色の星等を含む無数の装備品を分配し、上級ポーションや魔結晶等の回復アイテムを其々に持たせ、ジョブスキルや騎士団効果等を重ねて少しでも強化を施し、出発の準備は整った。



 さっさとクリアして、マレビト招致の準備をしないとね。





 配下を揃えて向かった城の迷宮。



 そこには、文字通りの大きな城が聳え立っていた。



 場所は外壁の内側、綺麗に揃えられた木々や噴水が飾る広場の中央。

 庭園は城を囲う様に存在し、その外側には巨大な外壁がある。


 外壁には大きな門が付いているが、それはただの飾りで、壁自体に入る事は出来ても外に出る事は出来ない仕様だ。


 また、庭園の四方にある噴水からは浄化された高純度魔力水が出る他、花壇には多彩な薬草の類いが育ち、ポーション作成に使える素材が沢山入手出来た。



 城への入り口は4ヶ所。


 最終的に合流する事になりそうだが、取り敢えずチームを4つに分けて進んで見る事にする。



 チーム分けは、ウルル率いる、リッド。ラース。ルーベル。ミュリア。ルクスの6人チーム。

 ミルちゃん率いる、ディルヴァ。ニュイゼ。レミア。ルェルァ。リオンの6人チーム。

 アルフ君率いる、レイエル。白雪。氷白。桃花の5人に黒霧の補助を付けた6人チーム。

 最後に、メロット。サンディア。レイーニャ。ルカナ。僕の5人チーム。



「それじゃあ皆、行こうか」

「……ん、頑張れ」

「〜〜♪ーー!!」

「にゃー……ほんとに行くのかにゃ〜?」

「何よ、猫娘は弱気ね。私は行くわよ」



 全員行くんだよ。


 いやまぁ、メロットとサンディアは平常運転だとして、レイーニャが乗り気じゃないのは、レイーニャが石橋を叩いて渡る慎重にゃんこだからだろう。

 いきなり強くなったから基礎の方を徹底的にやっておきたい様だ。


 対して、ルカナがいつにも増してやる気な理由は……系譜上叔父か大叔父くらいに当たるテリーが自分を庇って死んだ事に、少し思う所があった様である。

 即ち、強くなろうとしている。

 その動機は概ねプライド5割、親愛1割。その他4割くらいの配分だと思われる。



 そんなお先真っ暗な我がチームを率いて、無駄に豪華な装飾の施された大門を開き、中に入る。


 大門の先は、大広間。



 その中央に立つのは、一体の異形。



水神の使徒 LV650MAX



 人型をした水は、僕等が広間に入ると同時に、ゆらゆらと立ち上り、巨大化する。

 いや、核となる部分は人型のままか。


 ——水を纏う水の化身。



 肉体と同調する様に膨れ上がる殺気。



 さぁ、攻略を始めよう。



 

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永遠未完『魔物解説』……ネタバレ含む。

よろしければ『黒き金糸雀は空を仰ぐ』此方も如何?
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