第23話 引率しよう
第七位階上位
集合場所には、既に4人が集まっていた。
最初からそこで合流する予定だったのだろう。
改めて其々を把握する。
先ずはココネちゃん。
彼女は、長身で起伏に富んだ美人さんだ。小学生と言っても誰も信じないだろう。
なので彼女は何処に行くにしても身分を証明出来る物を持って行く。
アナザー内での彼女は、青い髪をショートボブにし、瞳の色髪と同じく青、身長と体の一部の大きさが控えめに変更されている。
得物はスタンダードな剣で、その戦闘力は精々並みの戦士を1人制圧出来る程度。
レベル自体は27とやや低めだ。
実際の戦闘力は36くらいあるだろう。
次に、元気溌剌と言った感じのヒヨリ。
容姿は黄色い髪をポニーテールにして緑の瞳で、得物は短剣。
見た目相応にすばしっこそうそうだが、立ち居振る舞いから見て武道の経験は殆ど無いだろう。
続いて、やや気怠げにしているアキ。
緑の髪に黄色い瞳と言うヒヨリに合わせたらしい配色で、長い髪をそのままにしている。
得物は弓で、ヒヨリ同様武道の経験は無し。
最後に、何故か常にそわそわしているノア。
森野 愛でノアとは中々不可思議なネーミングセンスだが、嫌いじゃない。
やや発育の良いらしいココネちゃんチームの中では一番身長が低く、年相応と言えば年相応の容姿である。
髪型はココネちゃんに近いがやや長く、目元が少し隠れている。
配色は、髪がピンク色で瞳はそれより少し濃いピンク。態度と違って挑戦的な色合いである。
得物は棍と小盾。
取り敢えず……武器の更新からかな?
そんな事を考えつつ、僕はゆっくりと皆の前に降り立った。
「……やぁ、待った?」
「「「「…………」」」」
小さな口を開けて此方を見る皆。改めて片手を挙げつつもう一度同じ事を言う。
「……やぁ、待った?」
「……あ、はい。いえっ待ってないです!」
最初に反応したのは、やっぱりココネちゃんだ。
「……と、飛んでた」
「……スキル? いや、装備……魔法?」
「……す、凄いです」
他の子達も衝撃から立ち直った様なので、出発しよう。
「あんまり時間も無いし、歩きながら話そうか」
目標は、1時間以内での6属性迷宮の攻略。
通常なら3〜5日くらい掛けて行うらしいが、まぁ、どうにかなるだろう。
◇
ココネちゃんチームとパーティーを組み、最初に向かったのは火の迷宮。
僕自身は入った事無かったが、何と言う事も無い、ただの赤い壁の洞窟だった。
若干気温が高めだが、夏の昼と比べると幾分マシである。
今日は祝日の昼だからか、迷宮を攻略している人は少し多めで、火の迷宮だけでおおよそ180人くらいいる。
そんな火の迷宮の一層目に出て来る魔物は、火属性を持つレッドスライム。レッドゴブリン。ファイヤーエレメント。レベル8〜10程の弱い者ばかりだ。
対する此方の戦力は、レベル20後半の4人。
群れて出るゴブリンは簡単に殲滅出来るし、スライムは核を破壊すれば直ぐ倒せる。ファイヤーエレメントは核が小さ過ぎるのでやや面倒だが、ほぼ最下級の精霊系なので、魔法を当てれば直ぐ倒せる。
そんな狩りの様子を観察しつつ、彼女達用の装備を作成した。
先ず、ココネちゃん。
彼女が使う剣術は、現在装備している押し切る用の剣には合わない斬る剣術。
使う魔法は水属性なので、作った武器は青鋼の刀。
水属性の刃を飛ばす『水刃』を行使可能で、鞘には清浄化の力を付与した。
ヒヨリちゃんことヒヨリンは、戦うと言うか……まぁ、走り回って背後を取って突き刺す感じだ。
一対一になった時は兎に角短剣を振り回している。
正直ダメダメだ。
と言う訳で、彼女には緑鋼の短剣を作り、『風刃』を放てる様にした。
アキは、ある程度の狙撃能力がある様であったが、人が前にいると誤射を恐れて射れなくなる。
作ったのは、黄鋼の弓。
能力は、矢に少しのホーミング性を付与する『命中』。
最後のノアは、棍と盾を持つが殆ど盾を使わなかったので、白鋼の盾と赤鋼の鎚を作った。
盾には、盾以外の部位に当たる攻撃を魔力を消費して防ぐ『自動魔盾』を、鎚には殴ったら小爆発する『衝撃』を付与してある。
本来であれば自力で魔力を注いで魔法を発動させるか発動命令と同時に装備が魔力を吸って魔法を発動させる物だが、今回作った武具は装備者や大気中、または敵から魔力を吸い、一定量まで溜まったら魔法を発動可能にした。
その為、一度の発動に掛かる魔力消費量が少なく、また魔力が切れていても魔法を発動させる事が出来る様になっている。
魔法を発動可能かどうかは、各武器の見やすい所に装着させた5つの珠で確認可能で、分かりやすい様に使える時は明るい色、使えない時は暗い色になる様にした。
其々の武器の銘は、刀が『雫』。短剣が『凩』。弓が『穿』。鎚が『椿』。盾が『燈』。
あと序でに属性合わせで黒鋼の槍杖を作った。
能力は、対象を黒い鎖で縛る『黒鎖』。
銘は『楔』。
二層に入ったら渡そうか。




