第19話 星流るる地底
第七位階上位
深淵は、閉ざされた地底の大空洞が舞台の迷宮だ。
空洞内には単純な暗闇の他に闇属性を纏う黒い霧が存在し、それが空洞内を移動して視界を遮って来る。
出現する魔物は皆闇属性を持つ黒い魔物で、霧の内部ではその力が増す仕様となっていた。
迷宮内の地形は様々で、光る結晶が露出した谷や光るキノコがわんさか生えたキノコの森、花が光る木や草が生えた森等がある。
出て来る魔物も地形によって異なり、闇属性を持つ点を除けば地上と何ら変わらない。
ボスがいたのは深淵の霧に覆い隠された山の頂上。
その近傍にはヘカトンケイルが群れており、ボスの名前はギュゲス。
彼等は魔力の腕を大量に出現させ、それを操って攻撃をしてきた。
この迷宮を攻略したのは、イェガ。
上空から大地を照らし、聖なる光で霧を払い、無数の軍団で地上を制圧した。
イェガ軍団とヘカトンケイル達との戦いは、終始イェガが圧倒していた。
ヘカトンケイルが魔力の腕を伸ばせば、無数に放たれる光弾によって撃墜され、岩を投げては掠りすらせず、接近しようにも空中にいる為近付けない。
唯一、ボスであるギュゲスの魔腕は光弾でも撃墜し切れなかったが……イェガが主砲を三度放ち、呆気なく終了と相成った。
ドロップは、ギュゲスの爪。
報酬は、スキルポイント15P。マナ貨幣。万象の霧。万化の霧。常夜天道。巨人の百腕。闇杯。闇晶の種×10。深淵:引換券。オルダナの大鉱脈:引換券。楽園の鍵:深淵。闇耐性×10。暗黒耐性×5。深淵耐性。
先ず2種の霧は、規模が違うだけでほぼ同じ性能の武装だった。
形状自在、性質自在の霧で、常態では体に纏わり付く様にして装着される。
ミスティにあげたら良いかも。
常夜天道は、僕の頭程もある星型の青白い宝石で……投げるとグルグル回転しながら猛スピードで敵に突っ込み、クルクル回りながら戻って来て止まるブーメランな武器だった。
また、魔力を一定値以上込めて投げると常夜星屑と言う光る粒をばら撒きながら飛んで行き、当たると星屑がドバッと溢れ出す。
その星屑を掻き集めて常夜天道に振りかけると……常夜星と言う常夜天道よりも性能が低く一回り小さな星が出来る。
常夜星は小夜星屑と言う砂粒を出し、それを集めると小夜星となり、小夜星は星屑を落として、星屑は星にはならない。
天道以外の各星は威力が高い分壊れやすく、各星屑を消費して修復する事が可能との事。
また、各星は上位の星に統率され、遠隔での操作が可能。
天道1つで常夜星100個を使役可能であり、常夜星1つで小夜星100個を使役可能。
つまり、最大で10,101個の星が流星群となって敵に襲い掛かると言う事である。
パフィ子達にあげようか。
巨人の百腕は、今まで入手した魔腕系の装備の中でも最高峰の武器だ。
最大で100個の巨大な腕を自在に操る事が出来る腕輪である。
これに、ギュゲスの爪を加工した5個の指輪をオルダナ製のチェーンで繋ぎ、同じくギュゲスの爪を使った禍々しい手のデザインのカメオを取り付け、そこに渇望する遺志を封入した。
完成した武器の名前は千手巨神。
腕輪と指輪が合体したパームカフっぽい何かである。
千手と言う割に使い手次第では万手まで可能で、万の手で敵を掴んで生命力をギュンギュン吸収出来る。
ギュゲスの爪を使ったカメオは生命力の貯蓄も可能で、魔腕を伝って生命力を与える事も出来る。
千手巨神は性能が非常に高く、じゃじゃ馬と言うのに相応しい装備だが……アトラなら使い熟せるだろう。
それに、アトラの能力を使えば、カメオに貯蓄された生命力を消費して魔腕を一個の生命体として確立する事が出来る。
やり方次第では万を超える軍勢を使役出来るだろう。
また、迷宮内にある各種光源は形状問わず全てに夜光石と言う砂粒が含まれており、これを100個ばかし掻き集めると夜単光と言う黄色い小さな星になる。
夜単光を集めると夜千光と言うちょっと大きな星になり、更にそれを集めると満珠天道と言う、常夜天道《黄》な星が出来た。
能力も常夜天道と同じだ。
尚、深淵は今光源を失い完全な闇に包まれている。光源が復活する日は来るのだろうか?
更に続いて、深淵の魔物を倒すと稀に血呪晶と言う砂粒がドロップし、これを最大まで掻き集めると克禍天道と言う赤い星になる。
青、黄、赤と続いているので、僕は何処かに緑があるのではないかと疑っている。
現在はイェガ軍団が深淵をくまなく調査中だ。
尚、深淵に存在する木の数はちょうど100万本である。




