第41話 vs.悠久機神・シャングリラ 二
第八位階下位
刹那の交錯で数十の刃が交わされる。
打ち、穿ち、受け流す。
——それは絶技の応酬。
両者は武技の極みに立っていた。
しかし、飛び散る血に赤は無い。
差があるからだ。
絶対的な差が。
——ユキ殿は異常だ。
練り上げられた気は異質。
同じ仙気とは思えない程に研ぎ澄まされ、放たれる気配はあまりに美しい。
あれはもはや仙気では無い。
齢千と数百年にして、初めて知った。
ただ断ち切る事だけを極めて得た斬撃の仙気が、未だに雑念を孕んでいると言う事を。
——道が拓けた。
夜闇の如き斬の道が。
それは星。または月。
彼女の元にあれば、武の道を進む者達が迷う事は無い。
やがては太陽の様に、彼女は世界を照らすだろう。
これが終わったら、ユキ殿に師事しなければな。
◇
『見事なり……』
そんな思念を残し、馬獣人の様な姿になったシャングリラは動かなくなりました。
《【運命クエスト】『楽園の守護者:シャングリラ』をクリアしました》
【運命クエスト】
『楽園の守護者:シャングリラ』
参加条件
・ボス『悠久機神・シャングリラ』と戦う
達成条件
・ボス『悠久機神・シャングリラ』を討伐する
失敗条件
・全滅する
達成報酬
参加者報酬
・スキルポイント5P
・ロジックポイント10P
・魔力:貨幣10,000,000
参加者貢献度ランダム報酬
貢献度100%
貢献度100%
・武器『常世氷天』
・防具『凍結結界』
・操具『氷源の冥馬』
・操具『悠久都市・シャングリラ』
・道具『悠久氷河城:引換券』
・道具『グリア=ミルレイのインゴット《大》×10』
・スキル結晶『聖槍術』×5
・スキル結晶『魔槍術』×5
・スキル結晶『氷雪魔法』×10
・スキル結晶『凍結魔法』×5
・スキル結晶『氷天魔法』
・スキル結晶『操縦』×10
・スキル結晶『人獣一体』×3
・スキル結晶『合身』
・スキル結晶『氷属性』
・付与結晶『絶対強者・シャングリラ』
・理論結晶『魔導理論結晶・人獣合身』
・外装『魔導外装・氷霧の槍』
エクストラ評価報酬
余裕綽々
竜虎相摶
・スキルポイント31P
・ロジックポイント62P
・武器『絶対零度』
全体報酬
・『氷天』解放
・進化条件の緩和
「わふぅ……少し、疲れましたね」
機神シャングリラは、騎馬を倒した刹那、騎馬の魂と魂合した。
——これが彼の機神の切り札だったのです。
人獣一体はその様な融合系のスキルだったのでしょう。
それならレーベさんとか白羅さんに背負って貰って戦っても良かった気がします。
差し当たって、対抗手段として行なったウルルとの魂合を解きましょうか。
僕とウルルは比較的性質が似ているので、喋り方が若干敬語っぽくなる以外に性質の変化は感じられません。
つまり……僕とウルルはすこぶる相性が良いと言う事ですよね!
流石僕、です!
◇
……魂合すると性質が相手寄りになるのは、僕が基本受け身だからだろう。
大分思考が侵食されていた気がするが、取り敢えずウルルを撫でておく。
それと同時進行で確認を行なう。
先ず、シャングリラの切り札だが……人獣一体の神技、即ち、合身や魂合の事を表していたのだろう。
氷馬と騎士、どちらか一方を倒した瞬間に魂合が発動する仕組みになっていたと推測出来る。
騎士と馬の時点でもかなり強かったが、融合した馬獣人のシャングリラはそれに輪を掛けて強かった。
そんなシャングリラの撃破報酬は、氷属性神霊金属で出来た槍『常世氷天』。
同じく氷の神霊金属で出来た『凍結結界』。あと馬。
これらは、シャングリラの力で作られていた物と比べると……何というか……御行儀の良い武具と言う感じだ。
性能はかなり近いが、武具の魂に強烈な思いを感じない。
レヴァンティンやセラナトゥスは、強力な素材から作られ、はっきりと感じられる程の意思があるのに……。
……この差は……実はかなり重要な問題なのでは無いだろうか?
日を改めて、落ち着いた頃にでも研究しよう。
そして、期待していたエクストラ評価報酬。手に入ったのは、『絶対零度』。
これは魂合したシャングリラが僕に合わせる様に使用した、形状自在な氷の武具そのものだった。
常世氷天と違い、その武具に宿る魂は強い意思を持っている。
感覚的には、ちょうどレヴァンティンと同じくらいの力。数値はレベルで言うなら700くらいか。
此方も、装備時のボーダーラインはレベル600程になりそうだ。
……まぁ、レヴァンティンは思想が苛烈だが、アブソリュート・ゼロはそこまで酷く無い様なので、レベル600もあれば侵食をほぼ完全に遮断できるだろう。
これらの武具は白雪達にあげたら良いだろう。
さて、氷天とやらをさっさと攻略するとして、次の機神を狩って本日はお休みとしよう。
……よほどおかしな機神じゃ無い限り、満遍なく味方を消耗させられるだろう。





