1-20.ラルスの秘密
1-20.ラルスの秘密
「話してご覧?」
ペラギアはアエミリアに先を促すと紅茶に口を付けた。
「はい…。」
アエミリアはごそごそとハンドバッグの中から宝石を入れる箱を取り出した。
「こちらを…。」
真っ青な美しいラピスラズリのブローチが姿を現した。
「ほぉ?見事なラピスラズリじゃの?」
「ええ。いかがでしょう?」
「私は宝石商ではないが。多分本物じゃろ?ラフードル伯爵家も奥方がこれを身につけておれば鼻が高いであろう。」
「ありがとうございます。それで…。」
アエミリアは、何かをハンカチで包んだもう一つをおずおずと取り出した。
「それは?」
アエミリアはペラギアの手元にすっとそれを押した。ペラギアは、ハンカチに包んだふくらみを手に取った。大きさからすると、ブローチやカメオのような物であろう。四つ角を中央に寄せるようにたたんであったため、手前に、左右にと剝がしていく。青い光が垣間見えた。
「こ、これは……?」
アエミリアが最初に提示した、ラピスラズリと寸分違わぬ物が姿を現した。アエミリアは貴族の子女らしく、おしゃべりを控えて、ペラギアが納得するまで観察するのを辛抱強く待った。
しばしの時間が経過した。
ペラギアは顔より大きな眼鏡をもう一度かけ直すと、
「ふむ?ハンカチが『オリジナル』じゃな?」
と確認した。
「はい。」
「で、この宝石箱から出て来た方が『複製』」
「はい。」
「それをネリナの息子がやったというのか?」
ペラギアはもう一度アエミリアを正視した。




