↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
16/18

1-16.朝

1-16.朝


その夜、アエミリアは大人だけになり、少しワインなどを嗜むと、良い気分になって客間に入った。そして、ブローチを外し、ネックレスや指輪を、鞄の中の宝石入れにそれぞれきちんとしまい込むと、寝間着に着替えて、布団にもぐり込んだ。

――ネリナはネリナで、幸せな生活をしてる。安心したわ。

――それに、坊やもとっても利発でかわいいじゃない。ルクスより賢いかもしれないわ。

――ハープはちょっと良い新品を送ってあげようかしら。


などと考えている内に、まどろんでいった。


そして、翌朝。


「ラルス!起きてきなさい!」

といくら呼んでもラルスが起きてくることはなかった。

「姉さん、すみません。ラルスちゃん、起こしてきてくれません?私はご飯の用意がありますし。」

「いいわ。きっと親戚が来て興奮したのよ。」

アエミリアもラルスの部屋へ上がっていった。

「ラルスちゃん、起きて。朝ご飯よ。」

「すぅ、すぅ。」

ゆすろうが叩こうがびくともしなかった。

何かをぎゅっと握りしめているようだった。そこに手の色とははっきり違和感のある、カワセミ色のブルーがあった。

――ラピスラズリ!


「まぁ、そんなに欲しいなら、ひと晩くらい言えば貸してあげたのに。夜中にこっそり私の部屋から持ち出すなんて、いけないわよ。」

コツンと叩いてみるのだが、ラルスは熟睡したままだった。アエミリアは仕方なく、ラルスの指を一本一本剥がすと、ラピスラズリを回収し、起こせなかった報告をしようとリビングへ降りていった。

「だめよ、全く起きやしないわ。あれじゃ、雷が隣に落ちても寝てるわね。」

「そうなんですよね。深く眠ると全く起きないことが…?それは?」

「ああ、ラピスラズリよ。私、宝石入れの中のブローチの箱にしまったはずなのに。夜中に、持ち出したらしくて、握ったまま寝ているわ。」

ネリナの顔が見る見るうちに、蒼白になっていった。

「どうしたの。」

「姉さん、怒らないで、聞いてくれる?」

「え、ああ、はい?」

「それと、びっくりすることが起きても、必ず秘密にしてくれますか?」

「どうしたの?」

「いえ、お約束をして頂ければ良いんです。」

ネリナは必死にすがるような目つきになった。

「まあ。良いわよ。」

「絶対ですよ。」

「絶対言わないわ。」

「あの、大変失礼なんですが、宝石入れ、こちらで一緒に確かめさせて頂けませんか?ピウスも呼んできますから。」

「何やら大仰ね。良いわよ。」

アエミリアは客間に宝石入れ一式を取りに行った。ネリナは朝の訓練をしていたピウスを呼び戻した。

三人は食卓に着いた。

「あなた、姉さんが、ラルスちゃんの手からこれを剥がして持ってきたの…。」

「な…?大変な失礼を致しました。」

「ううん。あなた。ラルスがそんなことをすると本当に思っているの?」

「いや、あの子は多少頭の回転は速いが、ずるをしたり盗みはしない。」

「そうよ。」

ここまで言うと、ネリナは改めてアエミリアに向き直った。

「姉さん。疑うわけじゃないの。気を悪くしないで。ラピスラズリのブローチの箱を開けてくれない?」

「え、ええ。」

アエミリアはブローチの箱を取り出した。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。