1-17.二つの宝石
1-17.二つの宝石
アエミリアがおずおずと蓋を開けると、中からはまばゆいばかりに青い光を放つ、アエミリアのラピスラズリのブローチが鎮座していた。
アエミリアが幽霊でも見たような目で妹夫婦を交互に見た。
「ど…どういうこと?」
「ええ…。姉さん、姉さんのラピスラズリは一度しまってくれますか?」
「ええ。」
「そして、ラルスちゃんの持っていたもの、これを一度しっかり確認して欲しいんです。」
「分かったわ。」
アエミリアはおそるおそる自分が取り上げたラピスラズリを手に取り、ひっくり返したり光にかざしたり、片目で見たり、台座を確認したりした。
「これ、裏の台座付近の傷も同じなんだけど?こっちが私の?」
アエミリアは、見ていた方をネリナに渡すと、もう一度箱から、自分のブローチを取り出した。
「いや、よく見ると、あなたのではなく、こっちの方こそ私のだわ。少しくすんだ指輪部分とか。むしろ、あなたの持っている方が、『そっくりに作った新品』のように見えるわ。」
「ええ…。」
「どういうことなの?あなたたちは何か知っているの?」
「はい。先ほどお話は内密にとお願いしましたよね。」
「ええ。」
「正直にお話しするので、ご主人にも、ご実家にも、誰にもおっしゃらないで頂きたいのです。」
ピウスが改めて頭を下げた。
「ええ、ネリナともお約束しましたわ。」
「はい。私がお話しします。」
ネリナが引き継いだ。そして、銀貨事件以来の、複製と昏倒について詳しく解説した。
「この子は、『複製士?』」
「シーッ。それを仰らないで。まだ、正体は分かりません。が、秘密が漏れると、闇ギルドに連れて行かれる可能性があります。」
「あ、そんな組織があったわね。」
「はい。」
「どうぞ、くれぐれも。ご内密に。」
「わかったわ。でも、この子、このまま放っておく訳にいかないでしょう?どうするつもりなの?複製士かもしれないし、魔法の才能があるのかもしれないわ。誰かが正しく導いてやらないと。」
「ええ。いつかはご相談しようと思ってはいたのですが、こんなに早く姉さんにバレるとは思わなくて。」
「で、当てはあるの?」
「うーん。良いお知恵はありませんか?」
アエミリアも一緒に腕組みしていたが、ふと何かを思いついたように手を打った。
「いるわ!」




