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挿絵(By みてみん)


「…これは、訊いても良いか分からないんですけど…。コーネリアおばあ様が産んだっていうハワード様との子供って、何処にいらっしゃるんですか?やっぱりローガン家にいらっしゃるんでしょうか?」


「さぁ?そういう方がお産まれになっている事実は皆知ってますが、ファレル家の誰も、その方とお目にかかった事はないんですよ。

王立学院にも入学なさっておらず、王国騎士団にも入団なさっておらず、お披露目とかが行われた事も無いそうです」


「私もどうなさってるか聞いた事がないわね」

「そういう方がお産まれになってるって話を聞いたきりだよね」


「名前も分からないんですか?」


「ハワード様が休眠期に入られる直前に『お前達の弟を頼む』と『ハワードの息子達』に仰ったとかで…お母上がコーネリア様でハワード様の胤だという事だけ知らされています。どんな容姿なのかすら皆知りません」


「退屈しないんでしょうか…。それってローガン家に引きこもって暮らしてるって事ですよね?」


「…変身術がありますから。案外、自由に市井で暮らしてらっしゃるかも知れませんよ?」


「ハワード様とコーネリア様のお子ならどちらに似ても美形なんだろうなぁ」

「ハワード様が休眠期に入られる直前にお産まれになってらっしゃるなら、70数年くらい前?人間なら亡くなってる頃じゃないか?」


「始祖の御二人からお産まれになって貴種じゃない、なんて事は無いと思いたいですが…。まぁ、分かりませんよね?」


部活という名の情報交換で分かったのは、大伯父の1人がローガン家に居るであろうという事だった…。


******************


アルバート先生から

「学院内で魔眼持ちを見つけるのには新入生が入学してきて直ぐの時期が最も最適です」

というアドバイスを受けたが…


具体的にどうすれば良いのか分からないので

「どうすれば良いんでしょうか?」

と尋ねた。


「魔力探知能力の優れた人間が居ない環境では不可視の使い魔を使って学院内の全員を魔眼で観察するのが楽でしょうが…。

正直、学院は魔力の優れた者が数多く居る場所なので、魔力探知能力を身に付ける素質自体は大勢の者達が持っていると思って良いと思います」


「学院て面倒な場所なんですね…」


「なのでシンプルながら『物陰から覗く』ような感じで不可視の使い魔に監視させるのが良いと思いますよ。

世の中には魔力隠蔽を使い魔に施して本当に不可視の使い魔の存在痕跡を掴めなくできる魔法もあるらしいですが…

残念ながら私は魔力隠蔽術を知りませんし、仮に誰かに教えてもらえても、その情報を第三者に渡して良いとも思えません。

なのでひたすら見つからないように気をつけて覗くのが一番です」


先生の言い分は正論だ。姑息だが…。


「分かりました。せっかく魔眼持ちの魔術師になれたのだから、自分の能力を活かして脅威になりそうな者達を早めに見つけ出すようにします」


「それが良いでしょう。『敵がこちらに気付くより先に、こちらが敵に気付く』のがサバイバルを生き延びる上での勝利条件の一つですから」


と、そんなアドバイスに従って不可視の使い魔達、フリンジとエンドに物陰からコッソリ覗くように指示したが…

これがなかなか難しい。


何故なら生き物の使い魔が鳥型である事の連想から、不可視の使い魔も鳥型で創造したのだ。

基本的に止まり木っぽい物が有れば、そういうものに留まって観察対象を観察するスタイルだ。


「物陰からコッソリ覗く、とかだと、もっと小さい使い魔の方が良いんじゃないかな?でも感覚共有する事を考えると虫とかだと上手く感覚共有できないかも知れないし…」

と検討した末ーー


「ハチドリとかが良くない?小さいし、空中停止しながら蜜吸ったりしてた筈…」

と思い至った。


考えてみれば、コーネリアが私に付けてると思しき不可視の使い魔は他の魔術師達が私に付けてると思しき不可視の使い魔よりもサイズが小さい。

その分、見つかりにくい。


(もしかしたらコーネリアおばあ様も不可視の使い魔はハチドリをモデルにしてるとか?まさかね…)

と思いながら、ハチドリ型の不可視の使い魔を今回は一度に2体創造した。


「フック」

「バーブ」

と名付けた。


フックには私の近くの物陰から私の周辺を監視させて

「私をジッと見てる者がいないか」

を監視させる事にした。


鳥サイズのものが露骨に近くにいた時と違って、コレは気付かれにくいと私でも断言できる。


あと、ヘザー達やアルバート先生と話す時以外は透明化の術で姿を消しておく事にした。


そうする事で

「認識阻害看破魔道具を起動している者だけが私の姿が見える」

ようにする。


それによって

「認識阻害看破魔道具を起動していて、尚且つ魔眼持ちじゃないと私が魔術師だと分からない」

ようにハードルを上げてやった。


案の定

「見える筈の無い私をジッと見てくる」

ような人間は数人。


それ以外の人達に関してはバーブを使って、地道に1人ずつ観察していく事ができた…。


結果ーー。


「おそらく魔眼持ちはこの学院にはいない」

「認識阻害看破魔道具を持っている人達は教師全員と生徒10人」

(私も持ってるので、私を含めると生徒11人)


「魔力探知能力があるのはアルバート先生、新入生のウォーレス・モルガン、レックス・モルガンの3人」

(今の時点では。今後他の者達も身に付ける可能性がある)


先生も、ウォーレス達も一応仲間だと思う事にするので、今の時点では魔力探知を学院内で気にする必要は無さそうだ。

(しかし、今後もバーブには物陰から覗くスタイルで学院内を監視させる)


あと、認識阻害看破魔道具は先生とヘザーとオルニーも

(ウォーレスとレックスも)

持ってるので

「学院では透明化して過ごせば良いんだ」

と判明した。


不審者のイーリーとレルフが認識阻害看破魔道具を持っていないのが有り難い…。


今後も学院の人達が魔力探知を身に付けたりしないでくれれば良いと思いながら、とりあえず安全な学院生活を送れそうで安心した。




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