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「…本物の恨みは、相手を殺して自分も死ぬような『心中へ至る運命』が待っている。
本物の恨みは、恨みを果たせば自分も死んで良いし、恨みで汚れた自分の魂など消滅しても良いとさえ思うし、実際にそうなる。
だが偽物の恨みは違う。どんなに殺しても、どんなに苦しめても、『報復したのだから自分も死んでも良い、消えても良い』とはならない。
そもそもが恨み自体が偽物なんだ。最初から報復は報復ではなく、単なる嗜虐欲・奪取欲・殺戮欲でしかない。
欺瞞に耽る事で何の非もない相手を逆恨みして攻撃し、自覚も反省もする事なく欺瞞に耽り続ける。
初めから悪霊の権化なんだよ。その手のキチガイは。
エルフやその他の乗っ取り侵略者はナショナリズムやエスノセントリズムによって、そうした『偽物の恨み』に取り憑かれやすい」
「そうなんでしょうね…」
恨みとは花火のようなもの…。
恨みが果たされる時が自分自身も消える時。
一方で偽物の恨みは延々と咲き誇る造花のようなもの…。
或いは水中花のように見える蛸の触手か…。
私があの【世界】から脱出する事に自分自身の欲の全てを注いだ事は正しかったと、今でも思う。
「偽物の恨みで調子に乗る鬼畜どもが正当化される社会では、現実認識や歴史認識において、『やられたらやり返す』という程度の正当防衛行為の意味が、とことん捻じ曲げられる事もあるんだ。
乗っ取り侵略者が集団で自国に入ってきて、外国人同士で群れて仲間意識を持って団結してたら…
そいつがたとえ非武装で武器を持ってなくても『乗っ取り侵略者だ、敵だ』と誰もが潜在的に危機感を感じるし、敵視・排除するものだろう?
そうした外敵排除欲求はどこの国にもどこの民族にもあるし、そうした外敵排除行動は自国においては万人が正当化されるべきだ。
だが、そうした土着民側の正義は、乗っ取り侵略者側からすれば非武装の友好的移民への虐待・差別だ、という歪んだ見方になるんだ。
しかも、やったやられたという履歴を御都合主義で歪める。
自分達が乗っ取り侵略者だから排除されたという事実を『何もしていないのに排除された、差別された』と言い出す事から始めり、事実の歪曲、歴史の歪曲はとどまることを知らずにエスカレートしていく」
「………」
(本当にキチガイだな…)
「乗っ取り侵略者どもは潜在的にネイティブへとメッセージを発している訳さ。
『大人しく乗っ取られて、大人しく生存リソースを移民様へ差し出し、お前らは全てを奪われて貧しく死んでいけ』と。
そういう潜在的欲求をネイティブへ押し付けながら、乗っ取り侵略者は何の罪悪感も持たずに、本当に全てを盗み掠め取り、奪いながら『自分達が優秀だから、劣ったネイティブを淘汰してしまっている』だのと本気で思い込める訳さ。
頭がオカシイとしか思えないんだが、まぁ、本当に頭がオカシイんだよ」
「ですね…」
乗っ取り侵略者という存在は、寄生虫のようでもあり托卵雛のようでもある。
いずれにせよ寄生される側にとっては厄災だ。
夜空に輝く星々は他の太陽系の惑星にとっての太陽であり、我々の太陽ではない。
星辰崇拝者とは「異なる太陽の下に集う者達」。
つまりは異なる運命共同体に連なる者達。
一方的に依存し搾取する存在。
アイデンティティを同じくしない者達。
それが運命共同体のフリをして
貴方達と同じなのだと
いつか恩返しするのだと
そんな嘘をついて
延々といつまでも
一方的に依存し搾取し続ける。
どこまでも嘘を吐き続けて外道に転がり落ちる…。
「…宿主側のエスノセントリズムは否定しつつ、自分達のエスノセントリズムは全肯定する寄生虫。その手の民族的自己中心主義の集団に大量に入り込まれてのさばらせてしまうと、社会はどんどん狂っていく。
そして、そうしたキチガイどもは『民族繁栄術式』として、自分達を美化・神秘化しつつ現地人を恐怖で蹂躙しながら殺し、生贄の魂を狂わせてしまう。
エルフがグレイス王国で受け入れられて、美しいの何のと憧れられるようになっていった背景には、エルフがグレイス人を『民族繁栄術式』の生贄にして、グレイス人達の潜在的集合意識を狂わせてきた心霊術的事実があるのさ。
そしてそれはエルフに限らずでもある。グレイス人を餌だと見做して寄ってきてグレイス人から奪う外国人や異邦権力に対して、反発するどころか好意を持って尻尾を振るグレイス人が多い。
そうした倒錯した現実の背後には、それだけ多くのグレイス人が、異邦権力側の連中から『民族繁栄術式の生贄にされた』という血生臭い秘密がある。
何処かでそういう悪しき流れを断ち切らなければならない。オカシイだろ?ただ自分の国で生きてるだけの者達を恐怖で蹂躙しながら残虐に殺しておいて、そうした罪など何も背負っていない顔で、イカレた殺人鬼達が繁殖・繁栄して何の罰も受けずにいたら」
「…人間というのは難儀な生き物なんですね。自分達の同胞を恐怖で蹂躙しながら虐殺した加害者に対して好意的に尻尾を振らずにいられないなんて」
「それだけ『恐怖』というものは乗り越えがたいものだ、という事なんだ」
言われてみれば、人とはそういうものなのかも知れない。
人は怖い相手に尻尾を振って好意を持つ。
怖い相手に好意と敬愛以外の感情を向けると
怖い相手は本性を剥き出しにして
更にテロリズムをエスカレートさせて
自分達を恐怖で蹂躙して殺そうとしてくる。
潜在的にそう感じているから…
自分自身の潜在意識に蓋をして
人は怖い相手に尻尾を振って好意を向ける。
そのうち怖い相手から
(テロリズム依存者の大量殺人鬼集団から)
「友達なんだ。対等なんだ。依存するな。こちらに責任を問うな。全てお前の自己責任だ」
と言われて、指示されるがままに従う。
好意と敬愛以外の感情を向けてはいけない
「友達のフリをしたご主人様」
という不自然な存在を不利にしないために
どんなに振り回されても
「友達のフリをしたご主人様」
には何の責任も問わず
全ての不利が自己責任にされて、そのまま切り捨てられて、そんな目に遭わされながらも…
人は真実と向き合うのが怖いから、延々と欺瞞に耽り、お粗末な嘘にしがみつき続ける…。
…人間には嘘を信じる能力があるから、自分が決定的に犠牲にされる時まで嘘を信じて
「自分を奴隷だと気付いていない奴隷はよく働く」
という原理で活動的になれはするが…
真実はいつもすぐそばにあり、絶望はすぐそばにある。
沢山のグレイス人がエルフに殺されていて、その罪が暴かれもせず、その罪が贖われもせず、被害者達の霊魂がエルフに好意的に動くから…
グレイス人は不当な目に遭わされれば遭わされるほど、エルフに好意を向けて、エルフの所業の責任を別の所へ見出そうと、必死に事実と異なる現実認識を捏造してエルフを擁護する。
「民族繁栄術式による儀式殺人」。
それと同じものはエルフに限らず他国の人達も行っているのだという。
テロリズムの神秘化と正当化。
それが罷り通る社会は上流層がテロリズムと向き合う事をやめてしまっている。
庶民を庇護する責任を放棄している。
それでいて、そうした責任放棄の罪すら存在していないかのように必死で事実と異なる現実認識を作り出してテロリスト侵略者達を、罪無き無辜の人々だと美化する虚構を支持する。
狂い過ぎた社会…。
私には決して馴染めない狂気と欺瞞の社会空間。
ーーそれは、あの【世界】でも同様だった筈…。
(皆が見て見ぬフリをし続けていただけで…)




