第17話 成長したので森に行けそうです。
1年も経つと随分とこの世界に慣れたようだ。
自分の体の使い方にも慣れて、さ行もちゃんと言えるようになった。
カリン婆は前の喋り方のほうが可愛かったのにと残念がっていたが、成長したのだから喜んでもいた。
ランランも少し大きくなり、私を乗せてお馬さんごっこが出来るくらいになった。
相変わらず、モフモフしていてより一層可愛くなり、ブランは私がランランに乗って移動していると、自分も乗せろと催促するが、まだ二人乗りは無理な大きさなので、ランランに乗っているときにブランを見つけるとすぐに家に帰ってお勉強することにしている。勉強していればランランの事も忘れて私に負けないようにブランも勉強しだすのだ。
ブランはいまだに私のことをライバル視している。
「ねえカリン婆ちゃん、もうランランに乗れるようになったから、薬草を取りに森に行きたいなぁ…ダメですか?」
「カリン婆、俺も森に行きたいぞ」
「そうね〜、ブランもしっかりしてきたし、ドラク爺とブランと桃子と三人一緒に行くんなら良いわよ。必ずドラク爺の言うことを聞くように。でも今日はダメだよ、ジンとアイラの許可を取らなきゃダメだし、ブランは森に行くときの装備をきちっと揃えなきゃいけないからね。今からアイラに許可を取りに行くかい?
行って許可が取れたら婆ちゃんがブランの装備も作ってあげるよ」
「すぐ行ってくる」
「頑張ってねぇ」
ブランは必死になって家に帰ったようだ。
アイラは案外楽天家だから許可はすぐに取れるだろうし、ジンは冒険者だから反対は絶対しないだろう。
きっとすぐに戻ってくるだろう。
「カリン婆ちゃん、どんな装備を作るの?」
「桃子もブランもお揃いにしようね。冒険者の初心者装備でいいんじゃないかな。皮の服と皮のズボン、皮のブーツだよ。あとはドラク爺に採取用のスコップや小刀を作ってもらおうかね。それに桃子はアイテムボックスがあるけど、ブランはまだ持ってないからブラン用のカバンも作らないとね」
「でも私はカリン婆ちゃんにたくさん服を作ってもらったよ。ブランの分だけで良いんじゃないかな?
婆ちゃんも作るの大変でしょう?」
「大変な事なんてないよ、お揃いの装備で揃える方がかわいいじゃないか」
「可愛いかな、フリルは付けないでね、ブランが怒りそうだから」
「わかってるよ、残念だけどね」
「じゃあ私はドラク爺ちゃんにスコップと小刀お願いしてくるね」
言いながらドラク爺の作業場に移動する。
作業場ではドラク爺が何かの木工細工をしていたが、私が近付くと目尻を下げながら聞いてきた。
「桃子どうしたんじゃ」
「カリン婆ちゃんが、明日ドラク爺ちゃんとブランと私の三人で薬草採取にいってもいいって言ってくれたの。
それでブランと私の採取用のスコップと小刀を作って欲しくって。」
「それならとっくに出来とるぞ、カリン婆の奴がなかなかお前たちを森に連れて行こうとせんから、先に使いそうなやつを作っておいたんじゃ。やっとカリン婆の合格が下りたか〜、痺れを切らすとこじゃわい」
「それじゃドラク爺ちゃん、明日森に連れて行ってね」
「任しておくのじゃ」
明日の薬草採取がとても楽しみだ。
たくさん取ってポーション作りの練習をたっぷりしようと思う。
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