57話 ユエル
57話 ユエル
レナさんが商業都市に降下して行く……私は上空
から勇者を探す……その時、アリス様から念話が来る……
《ユエル、勇者が居たわ…ルカの説明だと南門の
周辺の住民達を逃がすためにスケルトン兵達と戦
ってるみたい……無理をしなくてもいいから勇者
を抑えて置いてくれるかな?》
ルカさんがスケルトン兵達の統率をしているの
で、戦況が逐一アリス様に報告されている……ル
カさんの兵の統治能力は異常だ……
《はい!お任せ下さい!必ず抑えます……あの、
人形を増やしたいのですが、構わないでしょう
か?》
《人形を?別に構わないよ…ユエルがやりたい様
にやりなさい……そうだ!人形を増やして国民の
統治をそいつらに任せてユエルも私の家に住めば
良いのよ…そうすればユエルもお姉ちゃんにたっ
ぷり甘えられるわ……ユエル有能そうな人がいた
ら片っ端から人形にしなさい……》
《は、はい!ありがとうございます……》
まさか、アリス様からそう言われるとは思わなか
った……私は凄く嬉しくてやる気満々になる…
私は直ぐに南門近くに降下する……
南門の近くでは、金髪の若い女性の勇者がスケル
トン兵達と戦っていた……レイピアでスケルトン
兵を連続して突く!
[ドッ!ドッ!ドッ!ドッ!]
「くっ、数が多い!皆んな!早く逃げなさい!急
いで!」
「ヒィ!逃げろ!」
「勇者様が戦ってくれている!早く逃げろ!」
住民達が逃げてスケルトン兵に囲まれているとこ
ろに私は降下する……私の姿を見て勇者は硬直す
る……
「あ、貴方は……魔王なの?」
「はい!そうですよ……お姉さん強いですね…や
っぱり勇者ですか?」
「ええ、私は勇者よ……まさか魔王が子供なん
て……このモンスターを引かせて私は子供を斬り
たくはないの……」
「ごめんなさい…それは出来ません、このスケル
トン兵は私の能力じゃないから、私のご主人様が
操ってるの…」
「魔王の貴方のご主人様?ご主人様って不死王の事よね…魔王なのにさらにまた強い魔王か……嫌になるね……」
「お姉さん、悪いけどお姉さんはここで私と遊ん
で貰うね…勿論いっぱい抵抗をしてもいいし、逃
げてもいいよ……鬼ごっこは得意だし……私の目
的はお姉さんと戦って時間稼ぎをする事なん
だ……」
「時間稼ぎ……他の勇者の元にも手練れが行って
る訳ね……だったら救援に向かわないとね…」
女性勇者がレイピアを私に向けて構える…私は魔
剣を抜き構える……勇者のレイピアが震えてい
る……
「ん?お姉さんもしかして怖いの?」
「こ、子供を…斬るのは…抵抗があるだけよ…」
「お姉さん優しいね…私はキリヤ人だよ?だから
殺しても平気でしょう?」
私はお姉さんが戦える様に仮面を取って微笑む…
何故か私の顔を見た女性勇者は後ろに下がる……
「あ、貴方は何歳なの?なんで魔王なんか
に……」
「私は14歳だよ?魔王になったのは…偶然と自分
の為かな?誰だって玩具にされて殺されたくない
でしょう?私の母さんは私の目の前で毎日村の男
達に犯されて嬲られて殺された……村の男達は後
何年もすれば私もこういう運命なんだって教えて
くれたよ…だからご主人様に従った…その結果が
魔王になったんだよ……」
女性勇者は気持ち悪くなったのかその場で吐く…
「ウェッ、がはぁ……そ、そんな酷いことを……
そ、それに貴方その身長で14歳なの?食事をあん
まり与えてくれなかったのね……なんて酷い事
を……私の住んでいた場所にはキリヤ人はいなか
ったから……」
「ふふっ、お姉さんは優しいね……アレフ人でこ
んなに優しい人は私の周りではいなかったか
ら……助けてあげたいけど…無理かな……少し惜
しいけどじゃあやろうか……」
私は魔剣に魔力を通す……私と女性勇者の周りに
魔力障壁が発生して私達を閉じ込める……
「こ、これは……なんて凄い魔力量の魔力障壁な
の……この!」
[カギィ!]
「そ、そんな……ど、どうすれば……」
女性勇者はレイピアで障壁を突くが刺さらない…
かなり動揺していた……
「さて、お姉さんゴメンね私剣が苦手で魔法も苦
手なんだ……だから障壁で閉じ込めるね…」
私は女性勇者の周りを障壁を張りまくり動きを制
限していく……
段々と動ける範囲を狭くしていくと女性勇者はた
だ立っているだけになった……
「そ、そんな……私の勇者シリーズは刺さないと
意味がないのにこの状態では……」
私は浮遊魔法を使いお姉さんに顔を近づける…
「さて、お姉さん安心してよ、むしろ私が殺して
あげるんだから楽に死ねるよ……私のご主人様と
かもう1人の魔王なんかはアレフ人に酷い目にあ
ってるんだ…アレフ人を憎んでいるから勇者なん
て散々苦痛を与えて殺す筈……お姉さん綺麗だ
し、散々男達に犯させて嬲り殺しなんて普通にや
ると思うから………」
そう言うと、女性勇者は渋い顔をする……
「貴方達は皆そういう感じで育った人達なのね…
もう少し早く出会えていれば、貴方も魔王にならなくても良かったのに……ゴメンね……助けられ
たかもしれないのに……」
(うーん?この人……本当に優しい人だな……私の
事を心配してくれている……この人を殺すの
か?……勿体ないな…人形にするか…どうせ私は
戦えない人間だ…そうだよ人形に戦って貰えばい
いんだ……)
「お姉さん気に入ったよ……お姉さんは私の人形
にしてあげる……安心して人間らしい生活をさせ
てあげるし、お姉さんは私専用のメイドにしてあ
げる……じゃあいくよ!」
私は女性勇者の頭の部分の障壁を解除して、両手
で抑えて人形にする為に魔力を流す……




