56話 ユエル
56話 ユエル
私は夜の月明かりを見て気分が高揚していた……
プラリア王国の国境付近の商業都市のフーラの上
空に空を飛んで待機している……
これからこの商業都市フーラをアリス様が攻める
のだ…
(少しでもアリス様の役に立たなくては……勇者を
絶対に殺すぞ!!でも、人殺しはあんまりしたく
無いけど……)
私は腰にある刀を握る……この刀は1週間前にア
リス様に頂いた物だ……この1週間使いこなせる
様にいっぱい訓練をした……
わかった事は、私には剣の才能が全く無いと言う
事だった……なので魔剣を使って魔法の訓練をし
まくってそこそこ戦える様になった……
「うーん?ユエルは細かい魔法は使えないけど、
力任せに使えば多分勇者ぐらいなら、簡単に勝て
る思えるけど……まあ、貴方の仕事は勇者と時間
稼ぎをすればいいから…くれぐれも欲を出さない
様にね……」
と、アリス様から言われたが、私はアリス様の役
に立って褒められたいのだ……
そんな事を考えていると、アリス様が行動を起こ
した……
アリス様がスケルトン兵達を自分の影から大量に
出す………スケルトン兵が商業都市をグルッと囲
む……圧巻だ……
(凄い……アリス様が兵は10万揃えると言ってい
たが……10万ってこんなにいるんだ……)
商業都市フーラの警備兵達がこちらに気づいたみ
たいだ…鐘がなり慌ただしく兵士達が動く…
[カン!カン!カン!カン!」
「敵襲!敵襲!準備しろ!敵はモンスターだ!」
「敵襲だって!な、なんだ…この数は…」
「はぁ、あり得ないだろ?逃げ道はないのか?」
「都市全体が囲まれている!無理だ…どうすれ
ば…」
私は上空で見ながら……
(無駄な事を……抵抗したところで勝てる訳ないの
に……待てよ?考えてみたら私もアリス様に抵抗
したっけ……皆んな考える事は一緒という事だ
ね……)
そう思いながら見ていたら、レナさんが私の元に
空を飛びながらやって来た……
「いやー!人を殺せるよ、ウフフっ!楽しみだ
ね…ユエルちゃんは人形増やさないの?どうせな
ら有能な人を何人か人形にして、国の統治を任せ
たら?ルナ様に甘えられる時間が増えるよ?」
私はレナさんの言葉に衝撃を覚えた……
「す、凄いです……レナさんは天才ですね……そ
うか…その手がありました……今回は勇者を抑え
た後はただ見てるだけにしようとしていましたが
そこそこ有能そうな人がいたら人形にしてみま
す……でも、良いのですか?私がルナ様に近づく
事になりますが……」
「良いの、良いの!ルナ様は皆んなでシェアしな
いとね……どうせアリス様には勝てないし…だっ
たら楽しまないとね……」
私はレナさんの気持ちが分かってしまった…確か
にアリス様には感謝している…私にとって神様だ
と思う…だがルナ様を独占したいという欲はかな
りあるのだ……アリス様は私達の魂を縛っている
のでそんな事は出来ない様になっている……多分
レナさんも同じ思いがあるだろう……
私達は苦笑いをしながら商業都市を上から見下ろ
す……
私達は全身真っ黒な鎧を着て、黒いマントをつ
け、仮面をつけている…
アリス様の前にスケルトン達が人間ピラミッドみ
たいに重なり合ってよく戦場を見回せれる様に高
台を作る…
槍にルカさんが奴隷達に作くらせたオリジナルの
旗をつけたスケルトン兵達がアリス様の通る道に
整列して槍を掲げて道を作る……
アリス様と旗を持ったスケルトン兵達はその高台
の階段を登る……スケルトン達の背中を踏みなが
ら登る…
(アリス様……カッコイイ!!凄いや……)
高台の頂上に着くと…アリス様が指を鳴らすとア
リス様の側にいたスケルトン達が椅子になる……
アリス様はその椅子に座る…アリス様は魔法を使
う…アリス様の声を都市全体に伝わる様に、拡声
器みたいな魔法だ…
「商業都市フーラの諸君!私は不死王だ!これから商業都市フーラを蹂躙する、
君達には恨みはない…だが、魂は私が美味しくい
ただき、肉体はスケルトンの材料にさせて貰う…
抵抗は自由だ、逃げれるものなら逃げて見るがい
い…」
[[ガン!ガン!ガン!ガン!ガン!ガン!]]
スケルトン達が一斉に剣と盾を叩きつけて音を鳴
らす…
(凄い……圧巻だった……10万のスケルトン兵達
が一糸乱れず剣と盾をぶつけるのだ……普通の人
達ならビビるだろう……)
恐怖のあまり都市の兵士達は少しずつ下がってい
く……アリス様が号令をかける!
「ふふっ、かかれ…皆殺しにしろ!」
スケルトン兵達が一斉に動き出す……
「もう少ししたら私達の出番かな?取り敢えずス
ケルトン兵達を勇者は倒しながら逃げたり、住民
を逃がそうとする筈だから、そこに私達がむかっ
て勇者を殺す……ユエルちゃんは無理をしない
事!もし勇者が強くて余すなら私の到着を待つ
事…わかったかな?」
「はい、その時はお願いします……でもなるべく
頑張りますから…」
「そう、じゃあ私ちょっと楽しんでくるわ!また
ね!!」
そう言ってレナさんは商業都市に降りていく……
虐殺の始まりだった……




