26話 ルナ
26話 ルナ
私は殺されかけた、しかしそれを救ってくれたのがお父様だった
安心したら周りの死体、死体、死体だらけなのを思い出して、自分が返り血で血まみれで生臭い匂いが充満していて、私は気持ち悪くなって吐く
「うぅ、オェ…」
お父様が私に近づいて来て
「ルナ、大丈夫か?お前さっき躊躇しただろう?今のは俺が助けないと死んでいたぞ?」
「す、すいません、お父様あの少年に同情してしまいまして、躊躇してしまいました…」
「ふむ、ルナは今戦場に立っている事を忘れてないか?ルナお前が躊躇してもしあの少年を助けたら、その少年はいずれ武器を持ち帝国の兵士や民に武器をむけるだろう、その時にお前は犠牲になった人達に責任を取れるのか?」
「そ、それは…多分無理です」
「そうだろう?だったらあの少年は殺すしかなかった、なのにお前は躊躇した剣士としては失格だな…」
お父様の言い放った言葉に私はイラッとした
「な、し、失格ですか!私は、私は好きで戦場に立ったわけではありません!お父様が無理矢理、戦場に連れて来たんじゃないですか!なんで連れて来たんですか!私は人を殺したくなかった!」
私は不満が爆発した
(何で私が無理矢理連れてこられて怒られて、人を殺したりしなければならないのだ!ふざけるな!)
「ルナ、理由は簡単だ!お前には剣の才能があるだからだよ、才能があるのと、適正があるのは違うという事だ」
お父様は私を諭すように言う…
「適正ですか?私には適正がないのですか?」
「そうだな、お前はこのまま成長すれば、その剣の才能を遺憾なく発揮して帝国の中でも有数の剣士になるだろう、だかな凄腕の剣士となれば戦争に巻き込まれる」
私はお父様の話を聞いてハッとなった
(そうだ!このままだと私は戦争に駆り出されて殺し合いを沢山させられる可能性が高い、私は、心が持たないかもしれない)
「お前も気づいたと思うが才能があると適正があるとは違う、だからお前に戦争を経験させて、自分の未来を考えて欲しいと思って同行させたんだ」
「お、お父様、私に剣を捨てろと?適正がないからキツイ思いをするだけだから…」
「ふっ、そうは言ってない!ただこれからは剣の訓練をする時は、あまり人に見せない、自分の才能を明かさないようにすればいい、せっかくの才能だ、自分の身や大事な人を守る為に使うといい、これからいろいろ考えればいいさ」
お父様は私の頭を撫でる
「お父様、わかりました!考えてみます」
(高い授業料だ、だが勉強にはなった!私には戦争はむいていない自分の身を守るためならわかるが、自分から率先して人を殺そうなんて思えない)
私とお父様は帝国の陣地に戻る、馬はいつのまにか殺されていたので歩いてむかう
陣地に戻ると、帝国の兵士達が私達の帰還を喜んでいた
「おお!クラエス家の当主が戻られたぞ!」
「おい、見ろよあの姿!敵の返り血で全身真っ赤だぜ!やっぱりクラエス家は違うな」
「「帝国万歳!クラエス家万歳!」」
お父様は微笑みながら手を振る、私も苦笑いをしながら手を振った
「ルナお前は自分のテントに戻れ!アリスが来たら先に家に戻ってもいいぞ?後は俺に任せてゆっくり休むといい、これからの事ちゃんと考えろよ」
「はい、わかりました、ありがとうございます」
私は頭を下げて礼を言ってテントにむかう、テントで水で濡らしたタオルで返り血を洗い流す、手を水で洗っていたら血が落ちない。さっきから殺した人の顔が思い出されて何回洗ってもその人達の顔が思い出されて落ちないのだ
(マズイ、これ多分幻覚が見えてる人を殺したのが精神に負担をかけているんだろう。やっぱり私は人殺しはむいていない)
私は心を落ち着かせて、テントの奥で座り込む
アリスが帰ってくるまで待つ事にした
(そういえば剣が砕けたな?私の魔力が強くて砕けてしまった、どうせなら私の魔力に耐えられる剣が欲しいな今度探してみようかな?なかったら作る?それもありかな?)
私の前世の記憶がある、幼いころ近所に包丁を作る鍛冶場があったのだ。そこのおじいちゃんは私がよく外から見学するのをよく許可してくれた、子供ながら感動したものだ、赤く熱した鉄の塊を何度も機械のハンマーで叩いて冷やしてまた熱して叩いて冷やす、何度もそれを繰り返してあの綺麗な包丁ができるのだ。大きくなってそこの包丁が凄い包丁だと教えて貰った時はびっくりしたっけ、有名な料理人がこぞって欲しがる包丁だときいた
(頑張れば私でも作れるかも?この世界の剣はすぐに折れる、うる覚えだがおじいちゃんの技術をこの世界に再現できれば最高な剣ができるのでは?)
そんな事を考えていたら、アリスが血まみれになりながら帰ってきた
「あれ?お姉ちゃんどうしたの?何かあった?」
急にアリスにそう言われて私は硬直する
(はは、アリスは私事をよく見てるね、でも妹に心配させちゃいけないな…)
私は苦笑いをしなから
「えっ、何でもないよ、アリスは大丈夫だった?怪我はない?」
「全然平気だよ、うーん?お姉ちゃん何かあったでしょう?転移魔法で家に帰ろっか!そうしよう!」
アリスは転移魔法を起動させて私を無理矢理、戦場から移動させた




