22話 カルゾ
22話 カルゾ
ギルダ帝国とカフ王国の戦争が始まる2ヶ月前、カフ王国の首都のレーダの族長会議室の中で険悪なムードが流れていた
「参ったな、ここまで原因がわからないとは」
5人の族長達は頭を抱えていた、今月に入ってから小さな集落などが何者かに襲われているからだ、しかも集落にいた者は皆殺しにあっていた
「これは奴隷狩りではないですな、明らかな殺し目的では、ないかと…」
ゾットが眉間にシワを寄せて言う、俺はゾット意見に賛成する
「ああ、やり口が残忍だ!奴隷狩りならこんなに酷い事をしなくてもいい筈だ、やはり隣国のギルダ帝国か最近は良好な関係を築いていたのだが?こうなると戦争だな」
「な、カルゾ殿、本気ですか!ギルダ帝国は強大な国です、戦争になればこちらの被害は甚大ですよ」
「だが我が国と接している国はギルダ帝国だけだ、向こうから仕掛けてきているのだ、やるしかあるまい!良いな皆の者覚悟を決めろ!」
「「ハッ!」」
族長達が部屋から出て行く、ゾットが不安そうに
「カルゾ王、私は不安です!罠のような気がします」
「ああ、俺もだ。いつのまにか操られていそうで不安だ、だが俺達が選べる選択肢は少ないわかるだろう?」
「そうですね、カルゾ王出来ればこの戦争は出撃しない方が良いかと…」
「そうもいかないだろう?首都はお前に任せる、俺が死んだ場合は妻と子供達と民を頼めるか…」
「ハッ、お任せ下さい!」
ゾットが俺に頭を下げる、俺は会議室をでる、カフ王国でも戦争の準備が始まった
カフ王国は遊牧民族の国だ、族長会議で全てを決める王が死ねば各部族が集まり1番強い奴が王となる。俺は20年前の決闘で勝者になり王になった
(約30年ぶりの戦争か、まさか俺の代で戦争をするなんて思わなかった!あそこで戦争をしないと言ったら、弱腰の王として馬鹿にされていただろう、王の辛いとこだ俺自身は戦争なんてしたくなかったのに…)
今回は様子見として騎馬隊8千で隣国のギルダ帝国との国境付近に来ていた
(我が国は騎馬隊が強いと有名だ、更に人を食う習慣があるので皆恐れて攻めてこなかったのに!誰だ?ちょっかいをかけて来た奴は!お陰でこんな事にクソ!)
ギルダ帝国は陣地を作りそこにこもっていた
(恐らく、2000人ぐらいか?楽勝だな、ん、なんだ?)
陣地から3人の鎧を着た人間が出てきた、真ん中に大人と両隣には小さな子供が鎧を着て立っている
「我が名はカリム・クラエスだ!カフ王国の蛮族ども我が帝国が貴様らを殲滅してくれる!」
(く、クラエス?あの英雄のクラエスか、帝国も本気だな?)
「ふっ、ならばこちらも本気でやるしかない!」
俺は部族の騎馬隊が並んでいん前に出て兵たちを鼓舞する
「皆の者聞こえたな!敵はあのクラエスだ!あの単騎で特攻をかけ敵の王の首を取った英雄だ!我らがあの英雄を殺す!やるぞ!やるぞ!やるぞ!突撃!突撃!!」
「「「おおーーーー!!」」」
俺達は馬に乗り突っ込んでいく!クラエスは動かない
(このまま突っ込んで槍で串刺しだ、かの英雄は俺が殺す!)
俺は笑いながら槍を構えてクラエスにむける
「死ね!クラエス!俺の勝ちだ!」
その瞬間浮遊感に襲われる!よく見ると地面が消えて穴にゆっくり落ちていく!馬と供に穴に落ちる!
「な、なに?ウオォォォ」
[ドカ!クシャ!]
俺は馬と供に落ちる、5メートルぐらい落ちて地面に叩きつけられて上を見上げると、上から後続が馬と供に落ちてくる
「ヒィ、なんで?穴だって?」
[グシャ!べキィ!]
「な、助けて!」
「後退しろー!逃げろ!罠だ!」
[ドカ!ドカ!べキィ!ドカ!ドカ!」
(落とし穴だと?罠か?平地だと思っていたが魔法か何かで…)
「く、クソォォォ!」
俺のところまで馬や兵士が落ちてくる、俺は逃げようと必死にかき分けて這い上がる
「クソ!?何がどうなって?」
俺は呆然となった!騎馬隊は半数が落とし穴に落ちていた
(これではもう戦争継続は無理だ!一度、撤退するしかない)
俺は仲間の兵士に馬に乗せてもらい!撤退の合図を送る!
「撤退だ!動ける者は怪我人を助けていけ!撤退だ!急げ!」
そこに上から矢が飛んでくる
(クソ!なかなか合理的は判断だ!幻影魔法を使ってこんな事をするなんて、クラエス貴様か…)
俺達は散り散りに逃げる、だが俺達の集団の前に土の壁が出てくる、よく見ると俺達を500人を囲むように出来ていた!
「な、なんだこれは、出口を探せ!なんとしても首都に帰るぞ!」
俺は副隊長に命令する、部下は下の部下に命令をする
「ハッ!探せ!出口をさが…」
[ザシュ!]
部下の首が飛ぶ!俺は返り血を浴びながら部下を殺した者を見る
銀色の鎧を着た銀髪の小さな子供が剣を持って微笑みながら立っていた
「出口はないよ?皆んな私が殺してあ・げ・る!」
女の子の声だ、女の子が戦場に立っている
(子供!?しかも女の子だと!世も末だな)
「貴様何者だ!もしやクラエスに連なる者か?」
「うん、そうだよ、私の名前は、アリス・クラエス貴方達は私が美味しく食べてあげるよ、安心して死んでくれない?」
そう言ってアリス・クラエスは俺を見る、見れば美人の女の子だ、成人すればさぞ美人になるだろう、赤目が光っている…
(キリヤ人、だが見ているだけで、恐怖心がでてくる!あれは関わってはいけない者だ…)
俺は死を覚悟した…
次はルナ編です




