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人魚姫の“姉”に転生したので、妹の悲劇を防ぐため王子を殺すはずが執着されました  作者: 目々ノミーコ
3章

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13話 二人の転生者

 立ち上がったマリアに怒りをぶつけられる。

 何故いるのかこの問いをするという事は…物語を知っている可能性が高い。

 もし本当に彼女が転生者だとするなら、人魚姫の物語を知っている筈だ。

 話し合えば分かるかもしれない――レオナルドの事に関しては分からないけど妹の事を話せば…あの悲劇を彼女も知っている。

 

「待って――、貴女もしかして転生者?なら分かり会えると思うの」


「分かり会える?ふざけないで!!」


「あんたがマリアのハッピーエンドを奪ったんでしょうが!!」


「違うの聞いてっ私は妹を助けたくてここに来たの……貴女だって知っているでしょう?」

「人魚姫の物語は悲恋で終わる、私は妹を死なせたく無かったの!」


 妹は私が何もしなければ、魔女との取引の末に悲恋で泡となり消えてしまう。

 そんな残酷な事避けたいに決まっている――


「そんなのマリアに関係ないでしょーが!!」


 信じられない言葉に、はぁ?と言葉が漏れる一体何を言っているの彼女は?

 死ぬのよ――この世界で得た家族が…そもそもあの悲劇を何も思わないの?


「マリアはマリアが手に入れる筈だった“ハッピーエンド”の話をしているの!?


 死ぬ事が決まっていた“人魚姫”何てどーでもいいに決まってるでしょ、バッカじゃないの??


 何言ってるの()()()


「そもそも貴女が結ばれるのは、“人魚姫”が助けたからでしょ!!そうでなければ彼は海で死んでいたのよ――」


 結ばれないにしても人魚姫の善意は何も伝わらずに終わった、それを当然のように受け入れて犠牲にするの?


「そうよ――人魚姫という主人公は“隣国の姫”の為のお膳立て、悲劇は私達の幸せの為の()()()()()()わかる?勝手に展開変えてんじゃないわよドロボー!!」


 何て醜悪な精神なの、これが優しい姫様?

 全く違う、こんなのがレオナルドの運命の姫だって言うの?――認められる訳ないじゃない!!


「何て…醜いの」


「は?――どこ見て言ってるのかしら?こんな完璧な美少女フェイス芸能人顔負けじゃない!こんな事言っても分かるわけ…あぁ転生者だったわねモブ女」


「私が醜いって言ったのは貴女の心の事よ、そんな精神性でレオナルドが貴女を愛する事なんてないわ」


「ドロボーのくせにほざくじゃない!今はそうかもね――でも王子の心を手にするのはマリアよ、その方法を私は知っているんだから」


 何を言ってるの?彼女がこの強烈な本性を隠せるとは思えない、そもそもこんなのが国母になるなんて…考えるだけでも吐き気がするわ。

 アルカディアやアクアリアの未来の為にも、彼女とレオナルドを結ばせてはならない。


「疑って居るのね分かるわよ〜でもねこれは魔女からのお墨付きなの」


「貴女――魔女と何を取引したの!!」


「焦ってる〜焦ってる〜、お綺麗な顔が台無しよ〜」


 もし本当だとしたら、魔女の力は本物なはず――そんな事があれば……本当にレオナルドと引き裂かれるのこんな事で、こんな奴のせいで!!

 彼の安否も妹の死ぬ運命すら、自分のための犠牲だと思っているこんな奴に?

 ありえないわ――


 ミネルヴァは苦悩から顔を歪ませた。


 そんな時二人の言い合いを遮るように扉が開く――マリアは顔を顰める。


「だれ!?――いったいだれの許可で開けた、の…」


 キィと開かれた扉の先に居たのはレオナルドだった。


「言い合いをしていると…呼ばれて来たんだけど何事だい?」


「レッレオナルドさん…何故ここに」


「ちょうど公務が終わってね」


「ちょっとした意見の食い違いです!そんなに心配なさらないで」


「本当かいミネルヴァ?」


「ええそうよ……」


 転生者何て馬鹿な話出来ないわ、魔法ですら失った国に分かることは何か怪しくて不思議な話って事ぐらいだ。

 事を変に荒立てたら私が妄言を吐いてるって言われるわ……

 

 マリアはミネルヴァに確認を取ることが気に食わず、ギリッと歯ぎしりを立てた。

 マリアはっと扉の外を見ると何かを思いついたかのように、手で隠したがニマっと笑った。


「私は部屋に帰ろうと思います」


 そうマリアが歩くとわざとらしくドンっと私にぶつかり、思わず振り向いてしまう。


「ちょっと――」


「キャッ!!」

 彼女はそう声をあげまるで押されたと言わんばかりに地面へと倒れ込む。

 いったい何なの……


「ミネルヴァさん酷いですっ!!レオナルド様との婚約話が気に食わないからってあんまりだわっ」


「なっ――」


 (冤罪も良いところだわ、こんなの見た所でレオナルドが信じるわけ無いじゃない…)


 理解できない行動に呆れのような感情すら湧いてくる。レオナルドもまるで理解が出来ないのか首を傾げ、彼女の言葉に耳を傾けていた。

 

 だから私は気が付かかった、既に彼女の策略に嵌っていると言う事に――


「これは…いったいどういう事かね?」


「彼女がかってに倒れて――」


「そうかね?私には君が()()()()()ように見えたがミネルヴァ姫」


 訪れたランデール卿とその貴族一行に目撃されていたわしかも最悪な勘違いの形で。


 (嘘でしょ――、私が加害者!?)

 

 俯いたマリアは邪悪な笑みを浮かべてミネルヴァを嘲笑った。

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