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人魚姫の“姉”に転生したので、妹の悲劇を防ぐため王子を殺すはずが執着されました  作者: 目々ノミーコ
2章

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9話 ダンスレッスン

「何もはともあれ最初は見本ですね」


「レオナルド様と私がやる予定でしたが、せっかくなのでジェルメーヌ様とやって頂きましょう!!」


 そう言われるとレオナルドは少し不服そうにしながら、母親と共に前に出る。

 そういえば今迄何処に居たのかしら…

 でもレオナルドが言うには、彼女も彼の力に当てられていた筈だ。

 そうはあまり見えないけれど……


 コソコソっとトレントは耳打ちをしてくる

「なぁなぁ色男が台無しになってるけど、母親と仲悪いのか?」


「さあ?知らないわ私も初めて会ったもの」


「お前、一月は此処にいるのにか?」


「そうよ」


 トレントは少し顔を歪めるとそれ以上の追求をやめた、私だって不思議だ。

 急に現れた王妃――何故今になって?

 バークレイ夫人が呼ぶと脇にいた音楽家がバイオリンを弾き、音を奏で始めた。


 二人は優雅に踊り始めた、軽やかな足取りに広がる豪奢なドレス。

 髪が揺れ、風を纏うようにくるくると舞リズムを刻む。

 アンリエッタはわぁっと、その光景にうっとりしている。

 ある程度流れが終わった所で音楽は鳴り止み、二人は動きを止めた。


 パチパチと歓声を皆で送る、アンリエッタは一層強く早く打ち鳴らしていた。


「すごく綺麗でした!!」 


「ありがとう金のレディ」

 ジェルメーヌにそう言われるとアンリエッタは少し照れていた。

 金ね…気になる言葉に少し引っかかりを覚えた。


「これを皆さんには出来るようになってもらいます、さて貴方達の個人レッスンと行くわね」

 バークレイ夫人はそういうとアンリエッタを見た。


「取り敢えずアンリエッタさんは私が見ましょう」

「それからレオナルド様は――」


 バクバクと心臓を鳴る、その答えは…


「トレント様をお願いします!!」


「はっ???」

 トレントは意味が分からずマヌケな声を出す。

 意味がわからないと言わんばかりにレオナルドを見る。


 正直私も驚いた。


「えっ何で!?これって男女でやるやつだよね!!!」


「…男のパートは男が教えたほうが良いんですよ、それに俺の母親と踊る勇気はありますか?…」


「はい!!自分頑張ります!」


 という事は――


「ミネルヴァ姫、私が手ほどき致しますわ」


「はい、よろしくお願いします」


「やだわ畏まらないで、これはお礼なんだから!」


「え?」


「レオナルドを助けてくれたでしょう?そのお礼なのよ〜」


 あぁ、成る程。

 確かに命を救ったのだ、何かしらのものを頂く可能性はあったわね…

 あんまり考えていなかったけれど――


「手を出してくくれる」


「はい」


 手を握り、彼女の肩に手を置く。

 何だか至近距離で初対面だと恥ずかしさが込み上げてくるわ…。


「私が動いたら前に1.2と足を出してみて」


「分かりました」


「1.2、そうそう上手だわ」


 回る動作や、ポーズを教えられる。丁寧でその所作は何処となくレオナルドに似ている。

 近くで見れば見るほど彼の面影がちらつく。

 

  (意外とお母様似なのね…)

 

 小刻みなステップは難しく足がおぼつかなかった。

 一通り教えられる頃には、ゼーゼーと肩で息をしていた。


「一度休憩しましょうか?」


「お気遣いありがとうございます」


 端で周りを少し眺めている。

 アンリエッタのほうを見ると歩く練習からのようだ、意外とうまくいっているようで1.2と手を掴みながら歩いている。

 一方男達は――


「強く掴むな、引っ張るな!!」


「リードしろって、お前がいったんじゃねぇか!!」


「そういう意味じゃない!?」

「此処で支えるんだ――って」


 ドンっとレオナルドが倒れる、どうやらささえる場面で支えきれず地面に倒れ込んだようだ。

 トレントはやらかしたって顔をしている。


「お前!!女性にしたら大変だぞ!!」


「悪かったよぉ〜俺こういうの苦手なんだって」


 イラッとレオナルドは顔を歪めている…確かにあれは苛ついても仕方ないわね。

 一応声…かけようかしら。


「だいじょ…」

「大丈夫ですかレオナルド様!!」


 そう妹が駆け寄る、――というか歩けている。

 まぁとバークレイ夫人もあんぐりしている、レオナルドも驚いているようだ。


「君…歩けるのかい?」


「へっ!?あっ本当だわ!!焦ってしまって」

「トレント!!だめよ男性でも丁寧にしないと」


「アンリエッタも怒るなよ、かわいい顔が台無しだぜ」


 頬を膨らませているアンリエッタは、怒りを示している。私はその様子に寂しさを覚えるも、静観をすることにした。


 ミネルヴァとは別にアンリエッタには鋭い視線が注がれていた――

 その人物はボソリと何かを呟いたが誰も聞き取ることはないかった。


「さてと、ミネルヴァさん続きをしましょうか殿方達は苦戦してるようね」


「そうですね…」

 

「復習といきましょうか」


 王妃に手を引かれミネルヴァは踊る、その踊りに男達は目を奪われていた。

 目の端に映る黒髪を追うように見る、拙い足取りぎごちないステップ――決して美しい踊りではない。

 しかし彼女の必死さが、彼らを惹きつけた。


 最初にハッとしたのはレオナルドだ、その原因は明白だった。


「足…、踏まれているんだけど……」


「あっやべ」

 そんなやり取りの中ミネルヴァの踊りが終わる。


「上出来だわ!これなら問題ないわね」


「手ほどきありがとうございます」


 私はジェルメーヌ王妃にお辞儀をする、彼女は満面の笑みでそれを受け入れてくれる。


「私はそろそろお暇させて頂くわ、陛下の公務が終わる頃なの」


「そうですか…お見送りしましょうか」


「大丈夫よレオナルド、皆様との舞踏会楽しみにしているわね――」


 そう優雅に立ち去って言った。

 あれだけ踊ったのに息一つ変えていないなんて…凄いわ。

 こんな重いドレス着てよく疲れないわね…私も慣れないとね。


 アンリエッタはやる気からかまだ元気そうだ、私も踊りのレッスンがしたいとバークレイ夫人に懇願している。

 少しだけですよと彼女にステップを教え始めていた。

 …間に合うのか不安どったけど、あれなら踊れそうね。


「私は先生が居なくなったことだし見学しているわ」


「ええ分かりましたよミネルヴァ様」


「アンリエッタ…足が震えだしたら今日は終わりだからね」


「えー!!」


「怪我したら踊れなくなるわよ」


「むぅ、分かりました…」


 ステップを習ううちに、みるみると疲労からかアンリエッタの腰は重くなり真っ直ぐと立てなくなった。

 そのなったタイミングで帰りましょうと促すと、アンリエッタはコクリと頷いた。


「でも歩いて帰りたいわお姉様」


「そうね、ならそうしましょう」


「なら先に帰るわね二人とも」


「自分だけ居残りかよぉ」


「元々歩行できる、君が最後とは嘆かわしい」


「あーバカにしやがったな!!」


「お二方また会いましょう!」


「おう、またな」

「またね」

  

 アンリエッタがそういう二人は笑顔で見送った。

 そんな楽しげなやり取りを横目に私達は、部屋から去った。

 アンリエッタの自室前まで来て彼女は、私の杖をじっと見つめる。


「そういえばお姉様、それなんですか?」

 アンリエッタは私の杖を指差す。


「あぁ、杖よ歩行を助けくれるものよ」


「へーそうなんですね!!貸してもらってもいいですか?」


「ダメ!!」

 咄嗟に強く言う、ギュッと杖を持ち取られまいと体に引き寄せた。

 アンリエッタは驚いている、当然だ怒鳴ったなんて始めてだ。


「ごめんなさい、これ貰い物なの…だから人に貸すのは良くないの」


「あぁ、そうだったんですねっびっくりしちゃいました」

「誰から頂いたんですか」


「……レオナルドからよ」


 その言葉にアンリエッタは、瞳を揺らす。

 何ともいえなさそうな顔で私と杖を見ていた――、きっと何か思う所があるのだろう。


「もしかして…お姉様」


 ヤバい――バレたのかしら?


「とってもその細工が気に入ってるんですね!!そんな物を取ろうとしてごめんなさい」


「あぁ…大丈夫よ」


「お姉様に追いつく為にも道具には頼らない事にします!」


「それじゃあまた!!」


 そう扉を開き彼女は帰って言った。

 バクバクと心臓がなり、ほっと息をついた――

 それより…、あちらの二人はどうなったのかしらね?




 一方その頃二人は、――

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