第11章:残酷な現実
ガレンは音を立てないように、ゴブリンの死体をゆっくりと引きずった。傾いた小屋の裏の影へと引っ張り、それから生い茂る藪の中へと蹴り入れた。葉がカサリと小さく鳴り、その緑色の体を完全に飲み込んだ。
その隣で、ディナが湿った地面に膝をついた。青白い手で茶色い土を一握りすくい、まだ温かい血だまりの上に振りかける。生臭い鉄の匂いは、濡れた土の匂いによってゆっくりと覆い隠された。
僕は二人を見守っていた。
僕は身を起こし、深く息を吸い込んだ。ここの空気は重く、異様な悪臭に満ちていた。
「行こう」
僕たちは再び移動を開始した。忍び足で進む。僕が先頭に立ち、両手でグロック拳銃を固く握りしめ、銃口をあらゆる物陰へと向けた。
一軒目の小屋を通り過ぎる。扉がわずかに開いており、中の暗闇が覗いていた。僕は中へと足を踏み入れ、硬い土間の床に軽く足を下ろした。
いびきだ。
部屋の隅で、二匹のゴブリンがまるでゴミの山のように折り重なって眠っていた。
迷いはなかった。僕は拳銃を向けた。
プシュッ! プシュッ!
二発の弾丸が奴らの額を撃ち抜いた。奴らは一度だけビクンと跳ね、それから永遠に動かなくなった。
外に出て、ガレンとディナに安全の合図を送った。
次の小屋へと移動した。そしてその次へも。行動パターンは常に同じだ。入る。狙う。撃つ。出る。
五軒目の小屋で、僕は胃が激しく波打つようなものを目にした。
子供たちだ。
幼児ほどの大きさの十匹の小ゴブリンが、汚れた藁の山の上で丸まっていた。目は閉じられ、規則正しい寝息を立てている。
手が震えた。こいつらは……赤ん坊だ。
だが、そのとき思い出した。さっき連行されていた女たちの列を。
唾を飲み込むと、口の中に苦い味が広がった。
『こいつらは害虫だ』
自分自身に言い聞かせた。
『人間じゃない』
『駆除しなければならない!』
僕の瞳には殺意が宿っていた。
引き金を引いた。
プシュッ! プシュッ! プシュッ!
踵を返して外へ出た。二度と振り返らなかった。
僕たちは移動を続け、巣の奥深くへと入り込んでいった。外の物音は次第に騒がしさを増していた。そしてその喧騒の中に、異質な声が混ざっていた。
吐息。押し殺した泣き声。そして甲高く残酷な笑い声。
その声は、他の小屋よりも頑丈に作られた中央の大きな建物から響いていた。扉には分厚い革の布が掛けられていた。
近づき、布の隙間から覗き込んだ。
中の光景に、僕は凍りついた。
汚れた獣の毛皮の山の上に、十人ほどの女性が横たわっていた。彼女たちは痩せこけ、汚れ、傷だらけだった。何匹かのゴブリンが彼女たちの上に跨がり、力ない肉体に自らを押しつけながら、笑い、下品な鼻息を荒げていた。
女性たちは抵抗していなかった。ただそこに横たわり、暗い小屋の天井を虚ろな目で見つめていた。死んだような目だった。希望を完全に捨て去った者の目だった。
彼女たちの腹を見た。十人のうち九人の腹が……大きく膨らんでいた。身ごもっているのだ。
胸の中で激しい怒りが爆発した。熱く、痛烈だった。爪が白くなるほど強く拳銃を握りしめた。
背後にガレンの気配を感じた。彼も中を覗き込んだ。息を呑む音が聞こえ、それから怒りに満ちた重いため息が漏れた。同じくそれを見たディナは、口元を手で覆い、顔面を蒼白にしていた。
僕が踏み込もうとすると、ガレンの手が肩を掴んで制止した。力強かった。
「馬鹿な真似はするな」
緊張を孕んだ声で、彼は囁いた。
「隠密にやれ」
僕は硬く頷いた。
布の隙間から狙いを定めた。中にいるゴブリンは四匹。
プシュッ!
立っていた一匹が前のめりに倒れた。
残りの三匹が当惑して振り返った。
プシュッ! プシュッ!
さらに二匹が倒れた。女の一人の上にまだ跨がっていた最後のゴブリンが起き上がろうとしたが、僕の弾丸の方が早かった。
プシュッ!
弾丸がその背中を貫いた。奴は崩れ落ち、被害者の上で事切れた。
入り口の布を押し分けて中へ踏み入った。ここの悪臭は何よりも酷かった。汗と、血と、精液と、そして絶望の匂い。
ガレンとディナが続いた。
「実に便利な武器だな、リアム」
ゴブリンの死体を見やりながら、ガレンが静かに言った。
「この戦術を維持できれば、火を放つことなくこの巣のゴブリンを全滅させることも不可能ではないぞ」
僕はそれを無視した。女性たちのもとへと歩み寄る。彼女たちは自分たちを苦しめていた者たちの死にすら反応を示さなかった。その目は虚ろだった。
妊娠している女性が九人。していない女性が一人生いた。その腹は平らだったが、全身が痣だらけだった。
「あんな状態になっても……犯し続けていたのか」
嫌悪に声を震わせ、ガレンが唸った。
ディナは直視に耐えかねて顔を背けた。
「彼女たちを連れ出さなきゃ」
僕の声はかすれていた。妊娠していない女性の隣に膝をつき、肩に手を置こうとした。彼女は何の反応も示さなかった。まるで壊れた人形のようだった。
「俺たちの目的を忘れたのか、リアム?」
ガレンの冷たい声が僕の意図を遮った。
僕は振り向き、信じられない思いで彼を見つめた。
「どういうことだよ? ここに彼女たちを見捨てていくわけにはいかないだろ!」
「リアム」
ガレンは前へ進み出た。その影が女性の体を覆う。
「よく考えてみろ。もしあいつらを街へ連れて行ったとして……あいつらは喜ぶと思うか? 自分たちが……救われたと感じると思うか?」
「何が言いたいんだよ?」
僕の声が上ずった。
「当たり前だろ! 喜ぶに決まってる!」
「あいつらの目を見ろ、リアム」
ガレンは剣の切っ先でその虚ろな顔を指しながら迫った。
「あいつらの魂はもう死んでいる。もう救いようがないんだ! あいつらを救う唯一の方法は……殺してやることだ」
「正気かよ、ガレン・スミス?!」
僕は叫んだ。立ち上がり、彼に向けて拳銃を突きつけた。
「被害者を殺す気か?!」
「リアム……」
ディナの悲しげな声が響いた。彼女を振り返ると、うつむいた頬を涙が伝っていた。
「ガレンの言う通りよ」
掠れた声で、彼女は囁いた。
「彼女たちを救う唯一の方法は、殺してあげることなの」
「ディナ?!」
「あなたは知らないのよ、リアム」
涙に濡れた顔を上げ、彼女は続けた。
「ゴブリンの種を宿した女は……必ずゴブリンを産み落とすの。母親が人間だろうと、亜人だろうと、何であろうと関係ない。生まれてくるのは絶対にゴブリンなのよ」
彼女は唾を飲み込んだ。声が震えていた。
「こんな姿で街へ戻ったところで……人々は受け入れてくれないわ。嘲笑され、侮辱され、汚らわしいものとして扱われる。産まれてくる子供たちは……彼女たちの目の前で殺されるのよ。彼女たちの人生は、ここ以上の地獄になる。最後には……自ら命を絶つか、人々に殺されることになるの」
ディナは苦痛に満ちた瞳で僕を見つめた。
「私は何度も見てきたわ、リアム。子供の頃からね。ゴブリンの巣から生還した女の人は……みんな最後にはそうなったのよ」
僕は絶句した。拳銃を握る手が、ゆっくりと下がった。
再び女性たちを見つめた。膨らんだ腹。虚ろな瞳。
なら……希望はないのか?
本当に、何一つないのか?
奥歯を噛み締めた。もどかしさと無力感が喉を締めつける。
ガレンは僕の反応を見た。彼は長く息を吐き出した。疲労と重圧に満ちた吐息だった。
彼は剣を高く掲げた。
迷うことなく、振り下ろした。
スパッ!
近くにいた女性の首が胴体から切り離された。
僕の靴のところへと転がってきた。
「何をするんだ、ガレン!!」
僕は叫んだ。
ガレンは止まらなかった。次の女性へと歩み寄る。
「ここでお前と言い争っている時間はない」
振り返ることなく、彼は冷淡に言った。
「俺たちの目的はこのゴブリンの巣を殲滅し、この黒い森から生きて脱出することだと、最初に同意したはずだろう?」
再び斬り下ろした。小屋の壁に血飛沫が散る。
「約束を破る気か?」
僕はただ立ち尽くすしかなかった。言葉が出ない。止めたいのに、両足が地面に縫い付けられたように動かなかった。理屈では彼の言う通りだとわかっている。だが心が……これを受け入れることを拒んでいた。
ガレンは一人また一人と女性たちの間を移動した。斬り、突き刺し、手早くその苦しみを終わらせていく。
誰一人叫ばなかった。慈悲を乞う者もいなかった。
ガレンの剣がある身重の女性の胸を貫いたとき、僕には聞こえた。
最後の息を引き取る直前、その青白い唇から、消え入りそうな微かな囁きが零れ落ちた。
『ありがとう……』
僕の全身が激しく震えた。手の中の拳銃が、ひどく重く感じられた。
ガレンはその役目を終えた。剣から血を払い落とす。その表情は石のように固かったが、その瞳がわずかに潤んでいるのが見えた。
「次へ行くぞ」
掠れた声で彼は言った。出口へと振り返る。
「人間を集めている場所はここだけじゃないはずだ。他にもあるに違いない」
ディナは涙を拭い、何も言わずにガレンの後を追った。
僕はしばらくその場に立ち尽くしていた。今や……安らかに見える女性たちの死体に囲まれて。
小屋の外へと足を踏み出した。怒りと罪悪感で火照った顔を、冷たい夜風が撫でた。だがその感覚は瞬時に吹き飛び、遥かに刺すような悪寒が取って代わった。
全身が凍りついた。出入り口で足が止まる。
僕たちの目の前、揺らめく松明の光の下で、黄色い瞳の海が見つめ返していた。
一匹や二匹ではない。
何十匹もの数だった。
至る所に奴らがいた。小屋の屋根の上、柵の陰、小道に群れをなして。残酷な笑みを浮かべた緑色の小鬼の列が幾重にも重なり、原始的な武器を僕たちに向けて構えていた。弓には錆びた鏃の矢が番えられ、先端に鋭い石のついた木の槍が今にも投擲されようとしていた。
「よくやってくれたな、リアム」
隣でガレンが囁いた。いつもは冷静なその声が、今は絶望で震え、かすれていた。
彼は剣の柄を固く握りしめた。
「さっきのお前の叫び声が……俺たちの弔いの鐘になっちまったぞ」




