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私を助けてくれたのは人間嫌いの野狐でした~交差する黒と薄茶の瞳~  作者: 間波 結衣実


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終章

 大正・昭和・平成を経て現在――


心透こと、おはよー。もうすぐ卒業式だねー」


 心透と呼ばれた少女が、振り返る。


 真っ黒な黒い髪に薄茶の瞳の印象的である。


「本当だね。二月はあっという間な感じだったよね」


 心透は肩をすくめた。


「卒業したら心透は髪染める?うちは色抜くよ」


 自分の髪をそう言って摘まむ友人に「う~ん」と、心透は唸る。


「お父さんがうるさいんだよね」


 心透ははぁと溜め息は吐いた。


「マジかー。そういえば、心透のパパって心透と同じ薄茶の瞳してるよね。初めカラコンかと思ったわ」


 あははと友人は笑うが、心透は中学時代それで生活指導の先生と揉めたので笑い事ではなかった。


「なんかうちの長子は代々この色らしいよ。ひいばあちゃんが言ってた」


「何、それスゴ!伝統芸能じゃん!」


「芸能?!それ、ちがくない?」


 心透は大笑いする。


 さわさわと風が木葉を揺らす。


 ふと心透は木を顧みた。


 心透はたまに誰かに見守られているようなそんな変な感覚がたまにするのだった。


「心透ー!先に行っちゃうよー」


「え?ちょっと待って!」


 心透は駆け出した。


 いつかの昔の日に、自分の命を紡ぎ出した人達も歩いた地を――

                   《完》

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