表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
私を助けてくれたのは人間嫌いの野狐でした~交差する黒と薄茶の瞳~  作者: 間波 結衣実


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

64/65

5章 ー12

(え?)


 透子は白拓を見上げる。


 薄茶の瞳が自分を見下ろしていた。


「十年程短くなったかも知れん」


 平均寿命が四十半ばであるから、あと二十年の命なのかと透子はぼんやりと思った。


「あら、それだけなの?」


 妖かしの寿命は長い。


 朱奈は詰まらなそうに髪を靡かせた。


「お前の伴侶となる奴が可哀想だな」


(人事だと思って……)


 白拓のせいなのにと透子は気持ちが暗くなるのを押さえられなかった。


 側では機嫌の良い朱奈を麗華が嗜めていた。


「……可哀想だから、責任を取ってやっても良い」


 白拓は透子に耳打ちする。


(まぁ、精気をもらったのは怪我を完治させた時だが)


 どちらにせよ結果は同じだと白拓は思う。


 透子はびっくりした顔を白拓に向けた。


「お前が嫌でなければな」


 白拓はニヤリと口角を上げる。


 傾き始めた日差しを受け、白拓の髪が金色に輝いている。


 初めて見た時から美しい人だと思っていた。


 妖艶で掴みどころがないくせに、人の事は慮ってくれる。


「……ばっちゃん達は?」


「透子が嫌でなければ共に住めば良かろう」


 ニヤリとした口角をそのままに白拓が言う。


「私、人間だから先に居なくなるよ?」


「あぁ、知っている。なんならお前の分も子供を見てやっても良い」


 クスクスと白拓が笑う。


「子供?」


 快の事をここで言うのも変だなと透子は首を傾げた。


「子供は設けない主義なのか?」


 それは賛成しかねると白拓は笑いながら言う。


 透子は漸く意味が分かり、言葉を失った。


 麗華の言葉を聞き入れない朱奈に麗華が怒っている声がする。


 白拓は可笑しな現状だなと更に笑いを深めた。


 いつもより愉快そうに笑う白拓の声に透子は彼を見る。


「なんだよ」


 いつものそっけない声だったが、白拓は透子の手に触れていた。


 透子はちょっと考え、黙って白拓の手を握った。


次で最後の投稿になります。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ