5章 ー10
『効率わりぃな』
先程の言葉が思い浮かぶ。
(つまり、これが長くなるってことだよね……)
透子はそれも勘弁と舌先を白拓に応じると、彼は嬉々として透子の舌を絡める。
透子は一秒一秒がとても長く感じた。
とてもじゃないが白拓の真似など……と、思いつつも白拓の温かさと、時折離れてもう一度触れる唇の柔らかさは嫌ではなかった。
「ちょっとー!!」
突如降って沸いたかのような朱奈の怒声に白拓は身を起こした。
「霊力貰ってたんだよ。透子は霊力高いから直接貰えば妖力に変換できないかと思ってな」
白拓は何でもないような顔をする。
その隣で、羞恥によって赤く染まった頬を見られないよう透子は朱奈に背を向けて体を起こした。
(そうただ霊力をあげただけだもの。他意はないんだから)
そう自分に言い聞かすが、白拓の感覚が甘く口の中に残っていた。
(無理だわ。普通になんか出来ない!)
透子は叫びたい心境であった。
「あの……薬草は要りませんでしたね」
申し訳ないような麗華の声に透子は耳を傾ける。
「いや、何に効果のある物を持ってきた?」
「傷に効果がある物や痛めを緩和させる物などを……」
「傷薬を頼む。流石にまだそこまでは回復していない」
「承知しました」
二人のやり取りが一段落したようなので、少しそちらに目をやる。
手当てをしやすいように上半身を露にしている白拓の姿が目に入り、透子は慌ててもう一度背を向けた。




