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5章 ー06
キーンと耳鳴りがした。
「共鳴してるだけだ。早くしろ」
耳鳴りなのか、何かの叫びなのか嫌な音がするが、麗華も透子も岩の前まで進む。
(朱奈さんのお陰か此処までこれた)
ふぅと透子は息を吐く。
「この札に……」
先程消えた札より書いてある文字がまるで模様のようだった。
「うん」
札に触れる。
麗華の懐に入っていたからか暖かかった。
「詠唱します」
麗華が息を吸う。
透子は目を閉じ札に、触れている箇所に集中した。
隣の麗華の声はまるで神社の神主のような響きを持って透子の耳に響く。
「―即封!」
岩に麗華が札を貼ると、ピタリと風が止んだ。
(終わった…?)
「早く、縄をしろ!」
白拓は叫ぶと、ゴホゴホと咳をし、片膝が地面に付いた。
朱奈がその背を支える。
白拓は息が上がっており、顔面蒼白であった。
麗華は急いで、元より歪みを直すついでに締め直そうと思って持っていたしめ縄を取り出し、岩に巻く。
それを見届けると透子は白拓の側に行き、彼を覗き見る。朱奈は嫌そうに眉根を寄せたが、何も言わなかった。
「ごほ、ごほ。はぁ……」
口元を押さえていた白拓の掌に血が付いている。
朱奈は目を開き、震える袂で口元を隠した。




