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5章 ー05
「大それた物ではないので私から離れないで下さいね」
麗華は透子を見た。
不思議な気分だった。
見目はそっくりなのに、意思の強さの差なのか雰囲気がまるで自分とは違う。
「分かったわ」
透子が力強く頷く。
「近づきます」
麗華が岩の方へと歩み始めた。
透子もしっかりと麗華にくっつき歩む。
白拓の背中に触れそう所で麗華の足が止まる。
「どうしたの?」
「進めない……」
「え?」
「私の霊力が低いからこれ以上進めない!」
麗華は悲痛の叫びを上げた。
「ちっ」
その叫びを耳にした白拓が舌打ちする。彼の頬にも一筋の赤い線が出来ていた。
「朱奈!お前もこっちこい!そうじゃねぇと後で噛みつくぞ!」
白拓が牙を剥く。
「白拓!やっぱり私がいないと駄目なのね」
それまで全く来る様子もなかった朱奈が駆け寄り、白拓の背中に頬擦りする。
(こんの……状況分かってんの!?)
透子はわなわなと肩を揺らし、朱奈を睨む。
「何よ」
これ見よがしに朱奈は白拓の背に抱きつく。
「おい、抱擁なら後でしてやるから早くしろよ。俺の妖力も限界に……」
「後で!分かりましたわ。そこまで仰るなら……」
頬を染めて朱奈も手をかざす。




