5章 ー04
「封印できる?」
透子は優しく問いかけた。
「やり方は知っていますが、私の霊力で足りるかどうか……」
麗華は透子の行動に驚きつつも俯いた。
『お前の方が霊力が強いからだろ』
ふと、脳裏に白拓の言葉が過る。
「私にも霊力あるみたいなんだけど、私のも使えないかな?」
「え?」
「無理だよね……」
そんな都合良く……と、透子が思っていると
「無理じゃねぇだろ」と、白拓のいつになく低い声がした。
「お前らは元は一人の人間だったんだから、無理じゃねぇだろっ。早くしねぇと、封印解けるぞ」
いつも余裕をかましている白拓がぼろぼろであった。
袴の裾も切れ、頭の上の狐耳も所々血が滲んでいる。
「お母様の書いた霊札が一枚だけあります。私の霊力には反応しないけど、二人でなら……」
そっと麗華は懐から霊札を取り出した。
(形見として持っていたのだけど、ここで使うわ)
麗華は母の顔を思い浮かべ、ふっと微笑んだ。
「私が詠唱します。その間、あるだけの気を……この札に触れて、札に集中して下さい」
透子に分かりやすく説明すると、他の霊札を入れ違いに取り出した。
「今此処に――」
何やら麗華が唱えている。
「――し、給え」
札が光輝き麗華の手から消えた。
「精一杯結界を私の周りに張ったので、離れないで下さいね」
麗華が張れる結界は小さい。それ故、恥ずかしそうに言う。
「すごい!結界張れるなんて白拓みたい」
透子は白拓の、麗華なら妖怪を封印出来ると言う言葉が偽りない事を知った。ちょっと疑っていたのである。




