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4章 ー08
『今は滅ぼされても良いなんて思ってないですから』
快の涙目が思い出された。
(うん、そうだね。快くんは本当にそう思ってくれてる)
透子は笑顔で話をしているナツと快の横顔を微笑んで見守った。
さわさわと風に木々が揺れ、暖かい日差しが時折、透子に降り注ぐ。
白拓の結界の中は外より暖かい。一度結界の外に出た透子はその事を知っていた。
彼が、過ごしやすいようにと狐火で屋敷を暖めている事も知っている。
それは白拓の優しさなのだと透子は思っている。
本人に聞けば『俺は寒いのは嫌いだ』と、うそぶく様子が容易く想像出来る。
(ずっとここにばっちゃんと居れたら……)
透子は木漏れ日に目を細めた。
寿命の長い妖かしと長い間、時間を共有していればナツとておかしいと気がつくだろう。
それに守られているだけでは駄目だと透子の本能が自分に訴えかけている。
「……ねぇ濁くん、白拓の部屋が何処なのか教えてくれるかな?」
側で自分を見上げていた濁に透子は視線を向けたのだった。
この章を除きあと2章で終わる予定です^^
終章は簡単なものになるので実質次が終章な気分!
リリアに比べ短いなと作者は思うのでした。




