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4章 ー04
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「どう言う状況だよ、あれは」
外から戻ってきた白拓が透子に抱きついている快を見て呟やく。
「久しぶりの晴天なので、種蒔きすると言っていたのですが……」
白拓を出迎えた濁が言葉に詰まる。
「ふ~ん、種蒔きなぁ」
ひらりと縁側から降り、白拓は畑へと足を向ける。
その後ろを慌てて草鞋を履いた濁が追いかける。
「よぉ」
「っ!」
後ろから白拓の声がして透子は驚いて振り向いた。
そして「あー!」と、叫ぶ。
「ちょっと、ちょっと!そこ、畝だから踏まないでよ!」
透子の大きな声に白拓は両耳を塞いだ。
「お前なぁ……。畝を踏むなって端っこじゃねぇか」
大して崩れていない畝に舌打ちする。
「白拓は畝作りの大変さを知らないからそんな事言えるんだわ。ちょっと直しなさいよ」
快を抱き寄せ、透子が眉根を寄せる。
「……その前にどういう状況なのか教えてもらおうか」
「何が?」
じーっと白拓に見つめられて、漸く気がつく。
「どういうも何も、流れで……」
「ほーぉ?」
白拓は懐から出した扇子で口元を隠しながら、透子の瞳を覗く。




